【あなたのサイト遅い?FID改善でユーザーもSEOもUP!】今すぐできる具体策と計測方法を解説

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FID(First Input Delay)とは? ― サイトの「重さ」を感じる理由をわかりやすく解説

サイトをクリックしたのに反応が遅い…そんなストレスの正体が「FID(First Input Delay)」です。
FIDは、ページ操作を初めて行ったときに、画面が反応するまでの最初の待ち時間を数字にしたものです。
この指標はGoogleのCore Web Vitalsにも含まれ、検索順位(SEO)でとても重要視されています。

FIDとは

FIDの意味とGoogleが重要と考える理由

FIDとは、「最初にサイトでクリックやタップ、キーボード操作をした時、実際に動き出すまでの待ち時間(ミリ秒単位)」です。
Googleが重視するのは、最初の動作への素早い応答が、サイトの利用意欲や印象に直結するからです。

ページのメインスレッドがJavaScriptなど重い処理で詰まっていると、この待ち時間が長くなり、ユーザーは「反応しない」と感じてすぐ離れてしまいます。

実際によくある遅延シーンと体験への影響

例えば、「ボタンを押しても何も起きない」「リンクをタップしても画面が変わらない」
これがFIDの遅延で、ユーザーは操作できずイライラし、途中でページから離脱しやすくなります。
たった一瞬の遅さでも大きな機会損失になるため、初動の遅延には特に注意が必要です。

FIDの理想値 ― どれくらい速ければ良いのか?

FIDスコア(評価基準) ユーザーの感覚
100ms以下 押した瞬間にすぐ反応。ストレスゼロ。
100~300ms やや遅く感じ、敏感な人は気になる。
300ms超 重くてやる気をなくす。不満が強まる。

Googleは「100ms以下」なら優秀と評価します。
押した瞬間に動くことが、現代サイトの最低条件です。

なぜ「最初の操作」だけが大事なのか

「初回の動き」でサイトの印象が決まるからです。
最初の応答が遅いと再訪されなくなるため、ファーストインプット(最初の操作)の最適化が重要です。

イベントリスナーとFID

FIDは「イベントリスナー(クリックやタップを検知する機能)」がついた要素でのみ測定されます。
要素にリスナーがない場合はFIDの対象外です。
つまり、ユーザーの「初対面」の操作をピンポイントで測る指標です。

計測範囲と例外

FIDが測定される操作:

  • ボタンやリンクのクリック、タップ
  • フォームへのキーボード入力
  • カスタムUI(例:ラジオボタン)の操作

※スクロールやズームは計測対象外。理由は、これらはブラウザがすぐに処理し、イベントリスナーを介さないためです。

他の指標(FCP・TTI・INP等)との違いと役割

FCPやTTIは「表示できる、操作できる状態」を測る指標ですが、
FIDは最初の実際の操作がどれくらい速く反応するかに特化しています。
「見える」だけではなく「動かせる体感」まで測れるのが最大の特徴です。

コアウェブバイタル内でのFID

Core Web Vitalsは、Google公式の「ユーザー第一のサイト指標」で、FIDはその中で唯一“入力の速さ”を表します。
「LCP=表示の速さ」「FID=操作の速さ」「CLS=崩れないか」
と覚えるとよいでしょう。

主な関連・類似のUX評価指標との比較

指標 役割 違い
FID 最初の操作のレスポンス 操作体感ストレスに特化
LCP 目立つ要素の表示完了までの速さ 一番大きい内容が表示されるまで
CLS ページ内の見た目の安定性 視覚的なズレ・ジャンプを評価
INP すべての入力応答性の総合値 FIDより幅広い、今後の主流指標

今後はINPが標準になっていきますが、「最初の体感」に絞る指標としてFIDの知識も不可欠です。

FIDがSEO・ビジネス成果に与える影響 ― 遅さが失うもの、速さが得られるもの

「サイトが重い」と感じた瞬間、実は検索順位やビジネス成果もマイナスの影響を受けています。
Googleはユーザー体験(UX)を重視し、FIDは検索順位(SEO)における重要な要素となりました。
ここでは、FIDが順位や売上、利用率などにどう影響するのか、主な具体例や改善効果まで説明します。

FIDのSEO・ビジネス成果

検索順位評価におけるFIDの重み

Googleはコアウェブバイタルを公式ランキング要因とし、FIDもその一つです。
FIDが高い(遅い)ということは、離脱や不満の信号として扱われます。
Googleはサイトの本当の利用者が体験したFID値を評価し、100ms以下のサイトが上位になりやすい仕組みです。

FID悪化による主なデメリットと改善効果

悪化例 内容 指標 SEO・売上への影響 改善例
バウンス率増 クリックの遅延で離脱増加 バウンス率 順位大幅下落 10-20%減
直帰率増 初動遅延で直帰増加 直帰率 滞在時間減(評価ダウン) 5-15%減
エンゲージメント低下 再訪や閲覧数が減る 平均滞在時間等 評価・価値低下 20%増
CV率低下 購入や申込なども減る CV率 売上・収益へ影響 15%超改善
モバイル体験悪化 スマホで特に遅さが悪目立ち モバイルFIDスコア等 順位とCV両方に直結 複数順位UP例あり

FIDが悪ければ、サイトにとって不快・離脱・CVダウンという「はっきりしたマイナス」が現れます。
スマホユーザーが増える今、モバイルFIDの悪化は特に危険です。

事例で学ぶ ― FID高速化によるSEO&成果向上

実際にFIDを改善したことで、

  • 検索順位が数位上昇・トップ10入り
  • 平均滞在時間1.5倍
  • コンバージョン15~25%増
  • 再訪率や閲覧数も増加

という成果が国内外で報告されています。
JavaScriptの分割、不要コード排除、Critical CSS適用といった工夫で、「体感100ms以下」まで短縮できたデータが核心です。

ビジネスKPIとFIDの関係

例えばあるサイトで、「FID 350ms→90msまで改善」で
バウンス率が13%ダウン、CV18%アップ、月売上20%増といった結果も出ています。
リアルな測定データやA/Bテストで、感覚ではなく数字で変化を確認できるのが大きなポイントです。

FIDの計測方法とツール― 正確なチェックが最初の一歩

「うちのサイト、応答は速いのかな?」
それを調べて改善するためには、FIDを正確に測ることが不可欠です。
現場でよく使われている主要ツールとその選び方、評価ポイントをまとめます。

FIDの計測方法とツール

代表的なFID測定ツールと特徴

ツール 何を測る? 用途・特徴
PageSpeed Insights 実ユーザーデータ、ラボデータ URL入力するだけですぐ評価。SEO現場の定番
本物の体感値+テスト値両方見られる。
Chrome DevTools ラボデータ ブラウザで詳細な分析が可能。
重い処理やイベントのタイミング解析が得意。
Lighthouse ラボデータ Webページ総合診断ツール。
FIDや関連値も推定して評価。
Google Search Console フィールドデータ サイト全体のユーザー体験を自動集計。
問題ページがすぐわかる。

体感遅延=フィールドデータ、原因特定=ラボデータという使い分けが大切。
両方の視点で確認しましょう。

測定値の基準と“75パーセンタイル”

Googleの評価では「75パーセンタイル」が基準です。
これは「4人に3人が体験する最高値」。
これが100ms以下なら“Good”評価になります。
平均や一部だけで判断せず、「多くの利用者が快適かどうか」でベンチマークしましょう。

基準 判定
75パーセンタイル Good:100ms以下
要注意:100〜300ms
Poor:300ms超

実際に測るときの注意点とコツ

「N/A」やデータ不足時の取り扱い

操作要素(リスナー付き)のないページや、アクセス数が少ない場合は
「FID N/A(データなし)」となります。
そういう時は、他の指標(LCP・CLS・INP)にも目を向け、ユーザー行動データやヒートマップなども活用してください。

測り方のよくある落とし穴

測定時は「バックグラウンドタブ」やリスナー実装抜け、SPAの特殊挙動などに注意しましょう。
必ず「ユーザーが本当に操作する要素」をアクティブでチェックし、リスナー設定やエラーも点検してください。

FID改善の具体策 ― 今日から始める「サクサクWeb」への道

サイトの応答が遅い!そんなときは、今日から実践できるFID改善策があります。
ほとんどの場合、原因はJavaScriptの渋滞や外部コードによる詰まりです。
ここでは誰でもすぐ試せる改善法と、なぜ効くのかを説明します。

FID改善の具体策

JavaScript対策 ― ロングタスクを分けて、負荷を下げる

不要なサードパーティコード削減

外部スクリプト(広告、アクセス解析など)や使っていないプラグインがないかを棚卸ししましょう。
絶対必要なもの以外は削除・無効化し、「async/defer」設定も要確認。
たったこれだけでメインスレッドの混雑が減り、応答も早くなります。

コード分割、Defer/Async・遅延読み込み戦略

「すべてのJavaScriptを初めから読まずに、必要な時にだけ読み込む」ことが重要。
DeferやAsync、レイジーローディングを活用して、本当に必要な機能だけを即座に動かす工夫をしましょう。
大規模なWebアプリはCode Splitting(コード分割)が効果的です。

Web WorkerやService Workerの活用

重い処理はバックグラウンドで!
例えば大量計算やデータ取得はWebWorkerやService Workerで分離処理すると、クリックなどUI応答はスムーズになります。

CSSとサーバー側の最適化 ― Critical Rendering Pathを効率良く

レンダーブロック要素の除去とリソースヒント活用

CSSやフォントは「Critical CSS」化し、最小限のみ先に表示。
PreloadやPreconnectで重要リソースだけ早く読み込むと、表示から操作までが一気に快適になります。

サーバー高速化・CDN等の利用

ページの読み込み全体やインタラクションが遅い場合は、CDN(世界中で速い配信)やキャッシュ最適化も検討を。
特にアクセスが多いサイトや海外利用がある場合は効果大です。

自動監視・数値管理の体制づくり

定期的な自動チェック・アラート設定で、遅延の芽を見逃さないのが現代サイト運営の鉄則です。
PageSpeed Insights APIやPerformanceObserver、WebPageTestなどを利用しましょう。

2024年以降の動向 ― INP(Interaction to Next Paint)と次世代UX指標

これからはFIDだけでなく、INPの時代
「最初だけ」でなく全ての操作応答を評価・改善する視点が求められています。
従来のFID改善テクニック(分割・削減・ロングタスク排除など)は今後も活きるので、
早めに開発・運用サイクルに取り入れましょう。

実体験重視のマインドセット

「数字の良さ」より実際の体感、「速い!」と実感してもらえるサイトを目指すことが何より大切です。
常に計測とユーザーインタビュー、ヒートマップなど複数データで改善のヒントを探しましょう。

この記事で、FIDの仕組みやSEOへの影響、そして即実践できる改善策までしっかりとご理解いただけたかと思います。
入力遅延を見逃さず、継続的な測定と改善を続けて「快適なサイト」を一緒に目指していきましょう。