楽天市場は、国内のECモールの中でも大きな流通規模を誇り、売上を伸ばしやすいとされていますが、その一方で「利益が出にくい」「撤退する店舗が多い」などと儲からないという声も少なくありません。
楽天市場出店で赤字に陥るケースには必ず原因があり、それを理解せずに出店すると厳しい状況に陥る可能性が高くなるのも事実です。
重要なのは、なぜ儲からないのかを正しく分析し、課題を克服することです。
本記事では、楽天市場出店は儲からないのかについて紹介していきます。
ぜひこの記事を参考にして、楽天市場出店で安定した利益を確保できる店舗を目指しましょう。
楽天市場出店は儲からない?

楽天市場出店は必ずしも儲からないわけではありません。
しかし、楽天市場に出店しても、必ずしも全員が利益を上げられるわけではありません。
楽天市場は巨大なECモールで、多くのユーザーを集める魅力的なプラットフォームですが、その分競争も激しく、ライバル店舗が多くいるのも事実です。
特に新規参入者は認知されにくいため、店舗の特徴をしっかり分析し、競合と差別化を図ることで、市場内で「売れる」立ち位置を確保することが重要になります。
そのためには、さまざまな戦略や工夫を凝らす必要がありますが、継続的に改善を重ねることで少しずつ売り上げを伸ばし、最終的には利益を生み出せるようになる可能性を高めることができます。
楽天市場出店が儲からないと言われる理由

楽天市場出店が儲からないと言われる理由については、以下の6つが挙げられます。
- 価格競争が激しい
- 手数料と出店料が高い
- 販促費は自社の負担
- 楽天市場独自ルールが多い
- 差別化戦略を立てるのが難しい
- 新規店舗の商品は不利になる
それぞれの理由について解説していきます。
価格競争が激しい
楽天市場には5.7万以上の店舗が出店しており、掲載されている商品数も3億点を超えているので、その分ライバルも多く、競争が激しい市場となっています。
特に食品や日用品、美容関連の商品は、出店数・商品数ともに多いので、価格競争が非常に厳しい状況です。
こうした激しい競争の中で、自店舗の商品を購入してもらうためには、他店舗との差別化が重要です。
特に、仕入れ販売を行う店舗にとって、最も大きな差別化ポイントとなるのは「価格」です。
消費者の立場からすれば、同じ商品であれば少しでも安く購入したいと考えるのが自然なため、競合店舗よりも低価格で販売することが求められます。
しかし、実際には楽天の手数料や利益率を考慮すると、大幅な値下げが難しい店舗も少なくありません。
そのため、価格設定のバランスをしっかりと見極め、利益を確保しつつ競争力を維持する運用戦略が重要となります。
手数料と出店料が高い
楽天市場への出店には高額な費用がかかることが、「儲かりにくい」と言われる大きな理由の一つです。
楽天市場で店舗を運営する際には、3種類の出店プランの中から最適なものを選ぶ必要があります。
プラン名 | 月額費用(税別) | システム利用料 |
がんばれ!プラン | 19,500円(年払い) | パソコン経由:3.5~6.5%
モバイル経由:4.0~7.0% |
スタンダードプラン | 50,000円(半年ごと2回払い) | パソコン経由:2.0~4.0%
モバイル経由:2.5~4.5% |
メガショッププラン | 100,000円(半年ごと2回払い) | パソコン経由:2.0~4.0%
モバイル経由:2.5~4.5% |
さらに、どのプランを選んでも共通で発生する費用があります。
- 初期登録費用:60,000円
- 楽天ポイント負担:購入金額(税抜)×付与率(通常1.0%)
- 楽天スーパーアフィリエイト:アフィリエイト経由の売上の2.6~5.2%(※1)
- システム利用料(取引の安全性向上のため):月間売上の0.1%
- R-Messe利用料(※2):月額3,000円~
- 楽天ペイ決済手数料:月間決済額の2.5%~3.5%
このように、楽天市場で店舗を運営するには多くのコストが発生し、売上の約10%程度を楽天に支払うことになります。
そのため、利益を確保するのが難しいと感じる店舗運営者も少なくありません。
販促費は自社の負担
楽天市場が儲かりにくいと言われる理由の一つに販促費が挙げられます。
これは、どのECモールでも共通する課題ですが、基本的に販促にかかる費用は出店者自身が負担することになります。
楽天市場における主要な販促費には、広告費・ポイント・クーポン・値引きの4つがあり、これらを組み合わせて活用することで集客を図ります。
しかし、これらの施策を過度に実施すると、コストが膨らみ利益が圧迫され、結果的に「儲からない店舗」になってしまう可能性があります。
一方で、販促費を抑えすぎると、集客が思うように伸びず、売上の成長が停滞してしまうことも考えられます。
このように、販促費の使い方はバランスが求められ、適切に運用しなければ負のスパイラルに陥るリスクがあるので注意が必要です。
楽天市場独自ルールが多い
楽天市場が利益を上げにくいと言われる理由の一つに、楽天市場独自ルールの多さが挙げられます。
最近では「SKUプロジェクト」という大規模な仕様変更が実施され、多くの店舗が新ルールの理解と適応に苦労するのも事実です。
このような変更に対応するだけでも、店舗側は多くの時間と労力を割く必要があります。
また、店舗運営に関するルールも非常に細かく設定されているため、気づかないうちに規則違反となるケースも少なくありません。
こうした事情からも、楽天市場では今後もルールの変更が続くことが予想され、ようやく現行ルールを理解したと思ったら、新たなルールが追加されるという繰り返しが発生します。
その結果、適応に時間がかかり、スムーズな運営が難しくなることが、楽天市場で利益を出しにくいと言われる要因の一つとなっています。
差別化戦略を立てるのが難しい
楽天市場が「儲かりにくい」と言われる理由として、差別化の難しさにあります。
楽天市場内で成功するためには、他の店舗と差をつけることが不可欠です。
しかし、楽天市場では取り組める戦略の選択肢が多いため、適切に優先順位をつけて実行しなければ、思うように利益を上げられない状況に陥る可能性があります。
そのため、最新の楽天市場ユーザーの動向を把握し、効果的な運営を心がけることが重要です。
新規店舗の商品は不利になる
楽天市場の検索システムでは、売上が高いショップや人気のある店舗の商品が検索結果の上位に表示されやすい仕組みになっています。
そのため、これらの人気ショップと同じカテゴリーの商品を販売する場合、新規の店舗は最初の段階で不利な立場に置かれやすくなります。
検索結果の上位に表示される商品ほど多くのユーザーの目に留まりやすいため、新規ショップはどうにかして検索順位を上げるための施策を講じる必要があります。
具体的には、広告を活用して露出を増やす、SEO対策を強化する、継続的にファンを増やして売上を伸ばすといった戦略が求められます。
特に短期間で売上を伸ばしたい場合、広告費などのコストがかさみやすくなる点には注意が必要です。
こうした集客や売上確保のためのコスト負担が大きいことが、新規ショップが儲かりにくいとされる一因となっています。
楽天市場出店で儲からない店舗の特徴

楽天市場出店で儲からない店舗の特徴については、以下の5つが挙げられます。
- 利益率が低い
- 商品に需要がない
- ページを作り込めていない
- 競合調査や分析が足りない
- 広告を活用できていない
それぞれの特徴について解説していきます。
利益率が低い
楽天市場では、月額の出店料や各種オプションの手数料が比較的高額なため、コストを考慮した上で価格を設定することが重要です。
特に薄利多売の商品については、出店当初は利益を確保しづらく、赤字になるケースも少なくありません。
一定の売上が確保できれば収益が改善することもありますが、例えば楽天RSLを利用している場合は、販売数が増えても手数料の影響で利益が圧迫される可能性が高い点に注意が必要です。
また、競合と比較して価格を低く設定しないと売れにくい場合もありますが、利益を大きく削ってまで値下げするのは得策ではありません。
そのため、楽天市場で扱う商品は、できるだけ原価率が低く、しっかり利益を確保できるものを選んで出品することが大切です。
商品に需要がない
楽天市場内だけを見ても、似たような店舗や商品が無数に存在しており、ただ出品するだけでは目立たず、検索結果に埋もれてしまい、なかなか売上につながらないのも事実です。
例えば、真夏にダウンジャケットを販売しても需要がないのは明らかで、楽天市場でもシーズンやトレンドを意識した販売戦略が不可欠です。
重要になるのが入口商品で、お店の顔となる商品を見極め、育てていくことで、アクセス数が増加し、店舗の認知度が向上し、最終的にはリピーターの獲得につながります。
売れている商品には必ず理由があり、トレンドや売れ筋商品は何か、それらにはどんな特徴があり、どのような販売戦略が取られているのかを分析することが大切です。
このように、ユーザーのニーズをしっかりと把握し、それに合った商品を展開しながら、売れるための施策を実行するようにしましょう。
ページを作り込めていない
楽天市場で買い物をする際、ユーザーが確認できる情報は基本的に商品ページのみになるので、ページの魅力が不足していると、ユーザーの関心を引けず、結果として売上にも影響を及ぼします。
具体的には、商品画像や説明文、デザインなどページ全体のクオリティを高める工夫が欠かせません。
特に、サムネイルを含む画像はユーザーが最初に目にする重要な要素です。
商品の魅力が一目で伝わるように、撮影方法を工夫したり、適切な画像を選定したりすることが大切です。
さらに、近年はPCよりもスマートフォンで楽天市場を利用するユーザーが増えているため、スマホ画面でも見やすいようにレイアウトやデザインを最適化する必要があります。
競合調査や分析が足りない
楽天市場では多くの店舗が存在しており、競争に勝ち抜くためには徹底した競合調査と分析が欠かせません。
実際に、何の戦略もなく出店しても、思うように売上を伸ばすのは難しいのも事実です。
具体的に、競合調査や分析を行う際にチェックすべき主なポイントは、以下の6つが挙げられます。
- 価格設定
- ポイント付与率
- クーポン施策
- 送料の設定
- 配送スピード
- 商品ページの完成度
さらに、近年では楽天RPP広告のCPC(クリック単価)の上昇が続いており、楽天市場内だけでの集客では限界があります。
そのため、Google検索で上位表示される施策を講じたり、SNSを活用して認知度を高めたりするなど多角的なマーケティング戦略を立てなければ、安定した売上成長は難しいと言えます。
広告を活用できていない
楽天市場で売上を伸ばすには、効果的な広告戦略が欠かせません。
特に重要なのは、楽天内の検索順位と売上の関係性です。
楽天市場の検索順位は頻繁に変動し、その主な要因として直近の売上実績が影響を与えていると言われています。
そのため、出店初期から広告を活用し売上を確保することで、検索順位を押し上げる効果が期待できます。
また、「スーパーセール」や「お買い物マラソン」などの大型セール期間に広告を活用することで、短期間で売上を急増させることが可能です。
こうした施策により検索順位が向上すると、セール終了後も一定期間その順位を維持しやすくなり、楽天市場内での売上増加の好循環を生み出すことにつながります。
楽天市場出店で儲かるためのポイント

楽天市場出店で儲かるためのポイントについては、以下の5つが挙げられます。
- 商品ページを作り込む
- 価格を見直す
- リサーチを徹底する
- 広告を見直す
- 楽天担当者(ECC)のサポートを利用する
それぞれのポイントについて解説していきます。
商品ページを作り込む
楽天市場で買い物をする際、ユーザーが参考にできる商品情報は、基本的に商品ページに掲載されている内容のみになるので、ユーザーに興味・関心を与えるために、購入の判断に必要な情報を十分に盛り込むことが重要です。
具体的には、基本的なスペックや特徴はもちろん、商品の優れたポイントや他の商品と比較した際の魅力、さらには期間限定のセールや特典など購入意欲を高める情報を分かりやすく伝えることが大切です。
また、視覚的な情報も重要になります。
ユーザーが最初に目にするのは商品画像なので、サムネイルの見せ方にこだわるのはもちろん、詳細なイメージが伝わる画像をできるだけ多く掲載し、商品の魅力をしっかりアピールするようにしましょう。
価格を見直す
楽天市場では価格競争が激しく、売上が伸びても利益率が下がるケースは珍しくないため、しっかりと利益を確保するためには、適切な価格戦略が不可欠です。
利益率を向上させるためには、利益が大きい商品を多く扱う、販売価格を見直すといった方法が考えられます。
利益率の高い商品を中心に展開すれば、広告費をかけて販売促進を行いやすくなり、さらなる売上拡大につなげることも可能です。
また、価格の引き上げを検討する際には、競合商品との差別化ポイントを明確にし、商品ページでその価値をしっかり伝えることが大切です。
価格設定に納得感を持たせることで、ユーザーに選ばれる可能性が高まります。
リサーチを徹底する
楽天での出店で利益率を向上させるためには、入念な市場調査が欠かせません。
数多くの店舗が同じような商品を販売している中で自社の商品を選んでもらうには、競合との差別化を図ることが必要不可欠です。
まず、自社の商品が市場でどのような位置づけにあるのかを把握することが重要です。
その上で、競合がどのような方法で集客し、販売を促進しているのかを詳しく分析しましょう。
具体的には、以下の要素をリサーチし、売れる商品の特徴を把握することが大切です。
- 競合店舗が使用している検索キーワード
- 価格設定
- ポイント還元率
- 商品画像
- 説明文の工夫
特に、自社が扱う商品が属するカテゴリー内の競争状況を把握し、競合店舗がどのような販売戦略を採用しているのかを分析することで、自店の強みを活かした販売戦略を立てやすくなります。
このように、市場の動向をしっかりと押さえた上で、効果的な販売施策を展開することが、楽天での売上向上につながります。
広告を見直す
広告運用において、収益が思うように上がらないと感じたとき、最初に見直すべきポイントのひとつとして広告戦略が挙げられます。
広告の費用対効果を向上させることで、少ない予算でもより多くの売上につなげることが可能になります。
ブランドの認知度を高めるために、あえてコンバージョンを重視しない広告施策を行うこともありますが、利益が確保できていない段階では、まずは費用対効果を意識した運用を優先すべきです。
特にRPP広告は、商品やサービスの露出を高めるだけでなく、特定のキーワードの強化や、それぞれのキーワードに対するユーザーの反応を分析するのにも役立ちます。
楽天担当者(ECC)のサポートを利用する
ECCは、多くの店舗の運営を支援しており、他店で成果を上げた施策や売上アップにつながるポイントなど、豊富なノウハウを持っています。
しかし、こちらから積極的に質問しないと、そうした情報を得る機会が少ないので、自ら働きかけることが重要です。
また、ECCは多数の出店者をサポートしているからこそ、個人での運営では気付きにくい課題や技術的な不足点を指摘してもらえる可能性もあります。
このように、新たな視点やアイデアを得るためにも、ECCを活用することをおすすめします。
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今回は、楽天市場出店は儲からないのかについて紹介しました。
楽天市場では多くの競争相手や類似商品がひしめいているため、新しく出品する商品が特別な強みを持っていない限り、自然に売れていくことは難しいと言えます。
そのため、何の対策もせずに利益を上げるのは現実的ではありません。
しかし、適切な戦略を立てて実行すれば、売上を伸ばし利益を確保できる可能性は十分にあります。
楽天市場で成功するためには、事前のリサーチを徹底し、計画した施策を一つずつ確実に実行しながら、着実に売上を伸ばしていくことが重要です。
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