ECモールを展開するにあたり、出店にかかる費用は重要なポイントです。
日本で高いシェア率を誇る楽天市場への出店は、幅広いユーザーに自社商品をアピールするための有効な手段ですが、楽天市場へ出店する際にはどのくらいのコストが発生するのでしょうか。
本記事では、楽天市場へ出店する際に発生する手数料や費用、出店にかかるコストを抑える方法について解説します。
楽天市場でしっかりと売上と利益を残すために把握しておきたい項目ですので、ぜひ最後までご覧ください。
発生する手数料が変わる!楽天市場の出店プラン3つ

楽天市場への出店にかかる費用や手数料は、プランによって異なります。
まずは、楽天市場への出店で選べる以下の3つのプランを押さえておきましょう。
- がんばれ!プラン
- スタンダードプラン
- メガショッププラン
それぞれの特徴を説明していきますので、運営の方向性やビジネスの規模に最適なプランを選択してください。
がんばれ!プラン|初期費用を抑えられる
【がんばれ!プランの特徴】
- 月額出店料:25,000円(税抜)
- 登録可能商品数:10,000商品まで
- 画像容量:1.5GBまで
楽天市場の「がんばれ!プラン」は、ネットショップが初めての事業者に向いているプランです。
画像容量が少ないため、シンプルなページになりますが、月額出店料は最安値で、1年契約をするにあたって3つのプランの中で最も費用を抑えて出店できます。
ネットショップをスタートするにあたり、まずは月商100万円を目指すショップは「がんばれ!プラン」がおすすめです。
スタンダードプラン|幅広いショップに適する
【スタンダードプランの特徴】
- 月額出店料:65,000円(税抜)
- 登録可能商品数:50,000 商品まで
- 画像容量:100GBまで
楽天市場の「スタンダードプラン」は、月額出店料は「がんばれ!プラン」よりも値上がりするものの、システム利用料を安く抑えられ、ランニングコストを抑えながらの出店が可能です。
また、画像容量が大幅に増えるため、より商品の情報を魅力的にユーザーに伝えられるページ構成が可能になります。
スタンダードプランを選択する目安としては、ショップの月商目標額が140万円以上、もしくは、「がんばれ!プラン」選択して、画像容量が超えたり、月商が安定してきたりした際に切り替えるという方法がおすすめです。
メガショッププラン|大規模ショップにおすすめ
【メガショッププランの特徴】
- 月額出店料:130,000円(税抜)
- 登録可能商品数:無制限(初期値は200,000商品)
- 画像容量:無制限(初期値は100GB)
楽天市場の「メガショッププラン」は、月額出店料が高額になりますが、登録可能商品数や画像容量が無制限になっており、最も自由度が高いプランといえます。
そのため、商品数や画像数が多い場合など、大規模ショップを運営するのにおすすめです。
なお、登録可能商品数や画像容量は無制限となっていますが、それぞれ初期値が200,000商品と100GBに設定されており、上限を変更する場合はその都度申請が必要となるため注意しましょう。
楽天市場の出店費用・手数料

楽天市場でショップ運営をするにあたっては、以下のようにさまざまなコストがかかります。
- 初期登録費用
- 月額出店料
- システム利用料
- システムサービス利用料
- R-Messe利用料
- 楽天ペイ利用料
- オプションサービス利用料
先述した通り、選択した出店プランによって費用や手数料が異なりますので、それぞれ比較してみましょう。
初期登録費用
楽天市場での出店にあたり、基本的な手続きや初期セットアップなどを行うための初期登録費用として66,000円(税込)が発生します。
これの金額は「がんばれ!プラン」、「スタンダードプラン」、「メガショッププラン」のいずれを選択しても一律で発生するもので、楽天市場でビジネスを始めるために必要な初期投資と考えると良いでしょう。
ただし、初期登録費用は一度支払うと返金されることはないため、出店・運営計画を綿密に練ってからプランを選択するのが望ましいです。
月額出店料
楽天市場のプラットフォームを利用し、継続的に商品を販売するにあたっては、月額出店料が必要です。
月額出店料は以下のように出店者が選択したプランによって異なります。
がんばれ!プラン |
月額25,000円(税抜) |
スタンダードプラン |
月額65,000円(税抜) |
メガショッププラン |
月額130,000円(税抜) |
月額出店料には、楽天市場のマーケティング支援や技術サポートが含まれているため、費用とビジネスにおける収益性を考慮しながら適切なプランを選択することが重要です。
なお、月額と謳っていますが、「がんばれ!プラン」は年一括払い、その他のプランは年2回払いが基本となっているので注意しましょう。
システム利用料
楽天市場のシステム利用料は、パソコン、もしくはスマートフォンを経由して発生した売上に対して発生する手数料です。
システム手数料は以下のように、選択したプランによって異なります。
がんばれ!プラン |
・パソコン:3.5%~6.5% ・モバイル:4.0%~7.0% |
スタンダードプラン |
・パソコン:2.0%~4.0% ・モバイル:2.5%~4.5% |
メガショッププラン |
・パソコン:2.0%~4.0% ・モバイル:2.5%~4.5% |
このように、「がんばれ!プラン」のシステム利用料が最も高い比率で計算されます。
システムサービス利用料

システムサービス利用料は、楽天市場が提供する以下3つのシステムサービスに対して発生する手数料です。
- 楽天ポイント
- 楽天スーパーアフィリエイト
- モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料
楽天ポイントは、楽天市場で商品を購入した際に付与されるポイントで、ショップ側は1%のポイント原資を負担しなければならないことになっており、アフェリエイトについても、パートナーへの成果報酬としてショップ側の手数料が発生します。
(商品ジャンルによって2.0%〜4.0%の手数料と、パートナーサイトの合計成果報酬として15%〜30%の手数料)
また、ユーザーが安心・安全・便利に楽天市場を使用してもらうためのシステム開発や環境整備に利用される費用として、月間売上高の0.1%を負担しなければなりません。
R-Messe利用料
「R-Messe」とは、楽天市場におけるショップ側とユーザーがメッセージ形式でやり取りできる問い合わせ管理ツールをいいます。
ユーザーからの問い合わせに対する対応で購入に繋がるケースも多いため、売上向上のためにはR-Messeの有効活用も大切な要素です。
R-Messe利用料は選択するプランによって以下のように異なります。
がんばれ!プラン |
月額3,000円(税別) |
スタンダードプラン |
月額5,000円(税別) |
メガショッププラン |
月額5,000円(税別) |
楽天ペイ利用料
楽天市場では、決済に対するユーザーの決済に関する不安を払拭し、ショップの決済関連業務の負荷軽減を目的として、楽天市場が決済処理業務を代行しており、それが「楽天ペイ」として統一されています。
楽天ペイ利用料は月間売上決済高と平均決済単価により変動がありますが、決済価格の2.5%〜3.5%の範囲で発生します。
利用料の負担はあるものの、ショップ側の決済関連業務の負担が軽減されたり、入金サイクルが短縮されたりと、メリットが多いのが特徴です。
なお、このサービスを利用すると、以下の決済方法が可能になります。
- クレジットカード決済
- Apple Pay
- 後払い決済
- コンビニ決済
- PayPal決済
- Alipay決済
- 楽天ポイント
- 楽天キャッシュ
オプションサービス利用料
楽天市場ではショップを運営するにあたり、さまざまなオプションサービスを利用できます。
利用可能な主なオプションサービスと利用料金は以下の通りです。
オプション |
サービス内容 |
料金 |
R-SNS |
SNSを使って販売促進を促すオプション |
月額固定費:3,000円(税抜) |
R-Mail |
楽天市場からメールマガジンを配信するツール |
基本料金(月額):無料 メール配信料:1通あたり1円(税別) |
楽天市場の出店費用は高いのか?

楽天市場への出店に伴う費用は最もグレードの低いプランでも年間30万円以上はかかるので、ECモールとしては割高だといえるでしょう。
しかし、楽天市場にはたとえ出店料が高くても以下の点でユーザーから信頼されやすく、幅広いショップからの人気を得ています。
- 圧倒的な流通規模を誇っている
- 1店舗あたりの売上がほかのECモールより高い
- 出店審査がしい
特筆すべき点として、楽天市場は国内最大級のECモールであり、平均月間アクティブユーザー数は3,700万人を超えており、EC通販全体シェアの28.9%を占めるなど、圧倒的な集客率を誇ります。
まだ認知度が低いコンテンツであっても楽天市場に出店することによって認知度向上や売上増加に繋がるため、決して手数料が高く儲けが少ないとは言えません。
楽天市場出店に伴うコストを抑える方法

楽天市場への出店にはさまざまなコストが発生するため、「儲からないのでは?」と不安にる方もいるでしょう。
以下では、楽天市場出品に伴うコストを抑える方法をご紹介します。
最適なプランを選択して出店費用を抑える
楽天市場ではご紹介した通り、選択できる複数のプランが用意されているため、自社ショップに最適なプランを選択することが重要です。
また、段階的なショップ拡大戦略を採用し、初期投資を分散させるのも有効となります。
たとえば、売上規模が小さい場合は、「がんばれ!プラン」で初期費用を抑えて出店し、売上が伸びてきたら「スタンダードプラン」や「メガショッププラン」に切り替えると、手数料率を下げられ、コストを削減しつつ効率的な運営が可能になるでしょう。
使える補助金を活用する
楽天市場への出店費用がネックとなり、足が止まってしまう人もいるでしょうが、出店時に補助金が使える可能性もあるので、各自治体へ相談してみるのが有効です。
楽天市場をはじめとするECモール出店で使える補助金は以下のものが挙げられます。
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 事業再構築補助金
補助金の具体的な金額や申請条件などが異なるため、中小企業庁の補助金ポータルサイトなどから詳細を確認し、自社に合う補助金を申請してみると良いでしょう。
効率的な運用でコストを削減
ご説明した通り、楽天市場への出店にはコストが発生しますが、効率的に運用を行うことで費用が相殺され、収益アップに繋がります。
楽天市場に出店した後は、以下のポイントをおさえてショップを運用しましょう。
- 競合調査を行い適正な価格を設定す
- SEO対策とベネフィット訴求を徹底する
- ページを充実させ商品の魅力を発信する
- ROASを意識した広告運用を効果的に活用する
- キャンペーンやセールを活用する
楽天市場ではキャンペーンやポイント還元イベントが定期的に開催されるため、これらのタイミングで販売促進を行えば手数料を間接的に抑えられるでしょう。
また、自社に販売戦略の知識やノウハウを持ち合わせてない場合は、ECコンサルタントを活用し、多くの店舗データや顧客の購買動行から効率的かつ戦略的な店舗運営を行うことも検討してみてください。
出店にかかる費用を把握して効果的なショップ運用を行おう

楽天市場への出店には初期費用やランニングコストがかかるため、今回ご紹介した費用や手数料をしっかり把握し、運営コストを抑えつつ集客を図ることが重要です。
プランによって異なる固定費と変動費を比較して自社に最適なプランを選択するとともに、販売促進に繋げるための施策を積極的に行いましょう。
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