amazonは、1994年に創業者のジェフ・ベゾス氏が自宅ガレージをオンライン書店にしたのが始まりです。
上記の写真は創業時のジェフ・ベゾス氏の自宅ガレージを再現したものです。参照：amazon
自宅の一室というささやかな場所からスタートしたamazonは、今や世界中で知られる大企業に成長しました。
amazonが成功したのは、決して偶然ではありません。
確立されたビジネスモデルと、世界中の社員が遵守するOLPという原則があるからこそ、ここまでの
大成功を収めました。
これからも時代を創り続けていくであろうamazonのビジネスモデル、成功マインドについてまとめました。
amazonのビジネスモデル
amazonのビジネスモデルを考えていく上で欠かせないのが、Virtuous Cycle(バーチャス・サイクル)
です。
「好循環」という意味があり、Amazonの長期的な
成長戦略の基盤となっているものです。
- Virtuous Cycleの成長モデル
- Virtuous Cycleの再成長モデル
Virtuous Cycleの成長モデル
amazonの創業者であるジェフ・ベゾス氏が書いた図です。
「Selection(品揃え)」を徹底して揃え、顧客をひきつけます。
「どんなにニッチな商品でも買える！」という特別な体験を提供すると「Customer ExperienceI(顧客満足)」に繋がり、「Traffic(サイトへの来訪者数)」が増加していきます。
良い顧客体験を提供すれば良い口コミが広がり、
サイトへの来訪者が増えるのは自然な流れといえるでしょう。
多くの顧客が集まる場所には「Sellers(売り手)」が集まりますので、さらに「Selection(品揃え)」が
豊富になっていくという好循環が生まれます。
シンプルなように見えますが、この成長モデルは
ビジネスモデルの根幹といえるでしょう。
Virtuous Cycleの再成長モデル
ジェフ・ベゾス氏の図には、「Growth(成長)」から始まる、もうひとつの循環が描かれています。
多くの「Sellers(売り手)」を集めると、価格競争が起こり「Lower Prices(低価格)」を生み出すようになります。
実際にamazonは一つの商品に対して複数の出品者が存在しますので、価格を比較して安い方を購入した経験があるという方が少なくないでしょう。
良い商品を低価格で提供できればさらに「Customer ExperienceI(顧客満足)」へと繋がりますので、「Growth(成長)」サービスの成長と好循環を生み出していきます。
amazon成長の秘密
amazonが企業として成長してきた秘密には、独特の組織文化が背景にあるといえます。
中小企業にも活かせる要素がありますので、ご紹介していきます。
- 「Day One」マインドセット
- 成長投資の源泉を確保するフリーキャッシュフロー
- 利益を全投資して構築した低コスト構造
- 時代を超えた消費者ニーズへの対応
- 異次元の高速PDCA
- 失敗を恐れずtryする
「Day One」マインドセット
amazonの創業者であるジェフ・ベゾス氏が提唱したもので、amazonが成長のために大切にしている考え方のひとつが、「Day One」マインドセットです。
「毎日が始まりの日」という意味があり、常に1日目の新鮮な気持ちを忘れずにいる姿勢を表します。
ジェフ・ベゾス氏によるとDay Twoは衰退を意味していて、Day Oneとは天と地ほどの違いがあります。
常に顧客のニーズを最優先に考え、素早く決断・
行動していくのが、「Day One」マインドセット。
CEOが代わっても常にamazonで大切にされている
考え方のひとつです。
成長投資の源泉を確保するフリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフローとは、企業が事業活動に
よって得られた資金から、設備投資などの経費を差し引いた自由に使える残高です。
amazonはフリーキャッシュフローを徹底的に成長投資に回しています。
フリーキャッシュフローを増やすと予期せぬ事態が起きた時、魅力的な投資機械が訪れた時に迅速に
対応できるようになります。
利益を全投資して構築した低コスト構造
amazonのLower Prices(低価格)を実現している要因のひとつが、大規模な物流投資です。
上記の成長モデルで得利益を、物流に費やしています。
「amazonは利益を出さない」といわれているのは、この積極的な大規模物流への投資が理由になります。
- 世界各地に巨大な物流センターを設置
- Amazon Air（アマゾン・エア）と呼ばれる貨物航空会社で専用輸送機を運用
- Amazon Robotics（アマゾン・ロボティクス）で在庫管理
このように競合他社が到底真似できないような物流システムを構築し、配送スピードと低コストを実現し続けています。
時代を超えた消費者ニーズへの対応
ジェフ・ベゾス氏は、顧客が求めるものを以下の3つと捉えています。
- 低価格
- 豊富な品揃え
- スピーディーな配達
このニーズは1994年にamazonが創業した時から、時代が変化しても変わらない顧客のニーズとして
対応し続けています。
時代の変化とともに、品揃えや配達スピードは改善されていますが、顧客は「これで十分だ」と満足しません。
「さらに品揃えを」「さらに低価格を」
「さらにスピーディーな配達を」と、その時代の
当たり前からの改善を望んでいます。
常に改革を求めてきたからこそ今のamazonがあり、この姿勢は今後も変わらないといえるでしょう。
異次元の高速PDCA
PDCAとは、Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)の頭文字をとった言葉です。
品質管理や業務管理でしばしば用いられる言葉ですが、amazonでは大規模なビジョンをたて高速でPDCAを回しています。
大胆なビジョンのために「今日何をするべきか」と考え、PDCAサイクルを回していきます。
現状を改善するだけでなく、目標をきちんと見据えているからこそ最短距離での成功を手にし続けています。
失敗を恐れずtryする
amazonは世界的な大成功企業ですが、失敗をしていないわけではありません。
何度も失敗を経験し、学びの機会を得ているからこそ今日の成功があります。
失敗は悪いものではないと捉えており、斬新な
アイディアを出しやすい雰囲気ができています。
大きな失敗をする前に小さなtryから実践し、失敗は学びとして活かしながら成長していくというスタイルです。
amazonのリーダーシップを構成するOLP
amazonを語る上で欠かせないのが、リーダーシップを構成するOLPです。
OLPとは、Our(私達の) Leadership(リーダーシップ) Principles(原則)の頭文字をとった言葉です。
amazonの社員全員がリーダーであるという考えであり、以下の14の原則で構成されています。
- Customer Obsession
- Ownership
- Invent and Simplify
- Are Right, A Lot
- Learn and Be Curious
- Hire and Develop The Best
- Insist on the Highest Standards
- Think Big
- Bias for Action
- Frugality
- Earn Trust
- Dive Deep
- Have Backbone; Disagree and Commit
- Deliver Results
1.Customer Obsession
Customer Obsessionとは、「顧客中心主義」を意味する言葉です。
ビジネスをしていると、どうしても競合他社の動きが気になってしまうものですが、amazonは競合を
意識しません。
常に顧客を第一に考えるのが、なによりの課題で
あると認識しています。
2.Ownership
Ownershipとは、「オーナーシップ・所有者」という意味があります。
全社員が自分の仕事に最後まで責任を持ち、当事者意識を持ち続けるという原則です。
世界中の社員全員が、自分の手を離れた後の仕事にも成果を追求し続けています。
3.Invent and Simplify
Invent and Simplifyとは、「創造してシンプルにする」という意味があります。
amazonは世界中で常に新しいサービスを発信し続けられるのは、シンプルで実践しやすい方法を追求してきたからだといえます。
4.Are Right, A Lot
Are Right, A Lotは、「多くの場合、正しい」という意味です。
リーダーシップを発揮する人とは、強い決断力が
必要でありながら、相手の意見を聞き入れる器を
兼ね備えている人です。
5.Learn and Be Curious
Learn and Be Curiousは、「常に学び好奇心を持つ」という意味があります。
新しい価値を生み続けるリーダーとは、学びを忘れず、好奇心旺盛に可能性を追求する人です。
6.Hire and Develop The Best
Hire and Develop The Bestとは、「最高の人材を雇用・育成する」という意味があります。
今の人材よりもより良い人を採用し、育成し続け、企業として最高のパフォーマンスを提供していきます。
7.Insist on the Highest Standards
Insist on the Highest Standardsとは、「高い目標を掲げる」という意味があります。
商品やサービスに対し、常に最高の状態を維持できるよう、問題点があれば迅速に対応していきます。
8.Think Big
Think Bigとは、「大きく考える」という意味があります。
大きな成果を得るためには、失敗を恐れない革命的なアプローチが必要です。
ECサイトの黎明期を担った、amazon創始者であるジェフ・ベゾス氏の考え方が受け継がれています。
9.Bias for Action
Bias for Actionとは、「目的意識を持って行動する」という意味があります。
リーダーには、失敗を恐れずにスピーディーに物事を判断し、決断する力が求められます。
多少のリスクがあったとしても容認して行動できる力です。
10.Frugality
Frugalityには、「倹約」という意味があります。
amazonは創業時から不要なコストを徹底的に削減してきました。
リソースが少なくても、工夫を凝らせばアイディアが出てくる可能性があります。
11.Earn Trust
Earn Trustとは、「信頼を得る」という意味があります。
リーダーであるからには、仲間からの信頼を得られる人望がなくてはいけません。
自分の非を認められる、仲間を尊敬できるリーダーこそが、チームの価値を最大限に引き出します。
12.Dive Deep
Dive Deepとは、「深く潜る」という意味があります。
リーダーならば誰よりも業務を深く理解し、細かい部分まで正しく把握していなければいけません。
13.Have Backbone; Disagree and Commit
Have Backboneには「自分の考えを持つ」、Disagree and Commitには「反論し責任を持つ」という意味があります。
自分の意見をしっかり持った上で、間違っていると思う部分は意見を言う。
納得すれば、その意見に責任を持ちましょう。という意味があります。
お互いの意見を大切にし、小さなアイディアでも
発信しやすい社内の雰囲気ができています。
14.Deliver Results
Deliver Resultsには、「結果をもたらす」という
意味があります。
品質に妥協せず、期待された結果をもたらすのが、リーダーに求められる仕事です。
amazonのビジネスモデルを活かす
amazonには上記のような概念があり、世界的な
大企業へと成長してきました。
この考え方は創業時から変わらないものであり、
世界中のamazon社員が実践しているものです。
顧客中心主義など、日本の中小企業でも活かせる考え方が散りばめられています。
amazonのビジネスモデルから、自社の経営、ネットショップの運営におけるヒントが見つかるでしょう。
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