ペンギンアップデート
- ペンギンアップデートとは
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米国グーグル社のサーチエンジンで、検索結果の品質向上を目的とするアルゴリズムのアップデート。同社の規約に反するサーチエンジンスパムや、不必要な被リンクを多くもつなど質の低いウェブサイトの順位を下げたり排除したりして改善を図る
- SEOでは、検索エンジンのアップデートのことを指します。
略歴/流れ
Googleの検索順位を上げるために、ウェブサイトやブログの運営者は様々な工夫を凝らしてきました。
ときには検索順位を上げるためだけの、ブラックハットSEOと言われる内容の薄いページや、低品質なリンクからなるウェブサイトが、内容に見合わない検索順位に上がることもあります。
そうした中、Googleは「ユーザーに有益なコンテンツを提供する」という考えのもと、検索結果を適性に調整するために、ペンギンアップデートを導入しました。
種類・定義
ペンギンアップデートとは
ペンギンアップデートとは、ブラックハットSEOや低品質なリンク構築を行っているウェブサイトを対象として、検索順位などの評価を調整するGoogleアルゴリズムの改善のことです。
Googleの品質に関するガイドラインに違反する、
- キーワードを過剰に詰め込むようなSEOスパム
- 不必要なアンカーテキストの多用
- ディレクトリサイトを利用した低品質なリンク構築
などから構成されたウェブサイトが適切な検索順位よりも上位に入り、ユーザーの利便性の低下が懸念されていました。
そういったガイドラインに違反するウェブサイトにペナルティを課し、検索順位を落としたり、検索結果から除外(インデックス削除)するなどの制裁を行うため、導入されたのがペンギンアップデートです。
コアアルゴリズムに組み込まれる
ペンギンアップデートは、以前はGoogleの公式アナウンスで告知されていましたが、2016年9月23日のペンギンアップデート4.0を最後にコアアルゴリズムと呼ばれる、日常的に更新される検索アルゴリズムに組み込まれることになりました。
そのため、現在リアルタイムで全てのウェブサイトがペンギンアップデートによって評価されています。
また、ペンギンアップデート3.0まではサイト全体で評価が行われていましたが、4.0以降はサイトの中の質の低いページをピンポイントで評価することができるようになりました。
名前の由来
ペンギンアップデートという名称の由来は、「ウェブサイトの良し悪しを白黒はっきりさせる」という意味でペンギンが用いられました。
同じく白黒から連想されるパンダは、パンダアップデートが既に使われています。
関連する単語の紹介
パンダアップデート
パンダアップデートもペンギンアップデートと同じような内容のプログラムです。
両者の違いは、ペナルティと評価の対象が異なる点にあります。
ペナルティ対象は、パンダアップデートが「低品質なコンテンツ」に対して、ペンギンアップデートの方は「SEOスパムと低品質な被リンク」となっています。
評価のポイントは、パンダアップデートが「良質なコンテンツをより高く評価する」で、ペンギンアップデートは「ホワイトハットSEOを行っているサイトを高く評価する」という点が異なっています。
一般的な活用方法、様々な目線から紹介
ユーザーから見て
ペンギンアップデートによって制裁を受けるのは悪質、もしくは低品質なウェブサイトです。
良質なコンテンツ、ユーザーの利便性の向上、表示の高速化など、ユーザーと検索エンジンの双方から見て良質なサイトに対しては、検索順位の上昇などの調整が行われます。
そのため、良質なコンテンツを作っているウェブサイトと、それを求めている大多数のユーザーにとっては適切な検索順位に近づくため、有益なアップデートと言えるでしょう。
サイト運営者から見て
ブラックハットSEOと言われる、悪質な手法で検索順位を上げようとするサイト運営者にとっては、ペンギンアップデートは厄介なものと言えます。
ホワイトハットSEOを目指している運営者にとっては、ガイドラインの遵守を意識することでより質の高いコンテンツを作成できる可能性があります。
ペンギンアップデートのメリット・注意点
ペンギンアップデートによって、SEOへの影響が考えられますが、制裁を受けるのはアルゴリズムの目をかいくぐって、適性な検索順位よりも上位に食い込もうとするようなウェブサイトです。
そのためペンギンアップデート対策としては、ガイドラインを遵守しつつSEO対策を行うことが重要になります。
してはいけないガイドライン違反
①リンクプログラムへの参加
リンクプログラムとは、順位操作を目的としたリンクのやり取りのことを指します。具体的には、
- ブロガーや消費者に一斉にレビューを書いてもらう大規模アーティクルマーケティングでアンカーテキストやリンクの多用
- 過剰な相互リンクや、相互リンクのみを目的としたウェブサイトの作成
- 自動化されたプログラムやツールを使用して、自サイトへのリンクを作成
などが挙げられます。
②クローキング
クローキングとは、検索エンジンが検索結果を表示するためにウェブ上の情報を収集するプログラムである、クローラーに対してユーザーが見るページとは異なるページを認識させることです。
同様のものに、不正なリダイレクトという、クローラーが読み込むページを異なるページをユーザーに表示するものがあります。
③複製された、または意味のないコンテンツ
内容の薄いコンテンツもガイドライン違反になります。
- 自動生成されたコンテンツ
- 文字数を稼ぐためだけの、オリジナル要素のないコンテンツ
- 内容の薄いアフィリエイトページ、誘導ページ
- 電話番号や市町村名を無意味に羅列するような、コンテンツとは関係ないワードを詰め込んだページ
など、手間暇をかけずにアクセス数を稼ぐ手法も対象になっています。
必要なSEO対策
検索結果の上位に入るためには、ガイドラインを守るだけでなく、SEO対策も必要になります。
①構造化マークアップ、キーワードの設定
いわゆる内部施策と言われるものです。
構造化マークアップとは、文章中の社名などにリンクを設定することで、クローラーに情報を適切に理解してもらう記述方法です。また、ユーザーに内容を分かりやすく意識してもらうために核となるキーワードを設定することも大事です。
②被リンクの獲得
こちらは外部施策と呼ばれ、外部サイトに自サイトのリンクを貼ってもらうことを指します。
ガイドライン違反のスパムリンクとは違い、このサイトは信用できる・有益であると外部サイトに認められて被リンクするので、こちらは信用の目安になるとして推奨されています。
③良質なコンテンツの作成
キーワードを用いて、検索意図に沿った、検索上位にふさわしい良質なコンテンツを作ることです。
利便性を高めるためのページスピードの改善や、モバイルページへの対応などもふくまれます。ユーザーにとって有益で信頼のおけるコンテンツを作成することが何よりも重要です。