メディアレップ
- メディアレップとは
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インターネット広告における広告代理業。広告主と広告媒体事業者を仲介する中間業者で、ウェブサイトやメールマガジンに掲載される広告枠の販売を専門に行う。
- SEOでは、広告枠の媒介者のことを指します。
略歴/流れ
メディアレップはよく耳にする言葉ですが、意味や広告代理店との違いが分かりにくいとよく言われています。
日本初のメディアレップと言われているのが、1996年7月にYahoo!Japanの広告枠を仲介するため、電通とソフトバンクの合弁で誕生したサイバー・コミュニケーションズです。
種類・定義
メディアレップとは
メディアレップとは、インターネット広告を出す際に、各広告媒体(メディア)と広告代理店・広告主との仲介を行う業種です。
インターネット広告の媒体は無数にあり、それぞれに特徴が異なるため、メディアレップを仲介することで広告主のニーズに合う媒体の選定、および契約手続きの手間などを省くことができます。
メディアレップの役割
メディアレップの主な役割は、
- ウェブ広告メディアの管理
- 純広告の販売
- 広告代理、広告運用
- 独自DSP/DMP/SSPの開発
などが挙げられます。
ウェブ広告メディアの管理は、無数に存在するウェブメディアの特徴や契約方法、アカウント開設の手順などを把握し、広告代理店や広告主に最適なメディア・広告枠を提案するというものです。
日々増え続けているメディアを広告主がすべて把握するのは困難です。
メディアによって契約の仕方やフォーマットなどがそれぞれ異なっているため、各メディアに自社だけで対応しようとすると、知識と手間が必要になりますが、メディアレップを仲介することで諸般の煩雑さを解消することができます。
広告代理店との違い
純広告の販売は、メディアの広告枠を買い取って掲載する広告方式を販売することです。広告代理と広告運用は、広告代理店のようにメディアレップ自体が広告を運用することです。
メディアレップはもともと純広告の販売という仲介がメインでしたが、ネットの普及や時代の変遷に伴い、広告代理店としての事業も行うようになりました。
これが広告代理店との違いが分かりにくいと言われる大きな要因になっています。
独自DSP/DMP/SSPの開発は、メディアレップの特徴であるメディアの知識を活かし、広告主により有益なサービスを開発することです。
関連する単語の紹介
広告代理店
広告代理店はメディアの広告枠を買い取り、その広告枠を広告主に売却する業種です。
メディアレップと広告代理店の違いは、メディアレップはインターネット広告を専門に扱う卸売りのような立場で、広告代理店が顧客になるケースもあります。
一方、広告代理店はインターネット広告に限らず、新聞・テレビCM・電車内広告など、あらゆる媒体の広告枠を販売する小売業のような立場と言えます。
純広告
純広告は、ウェブメディアの広告枠を買い取って掲載する広告方式です。
Yahoo!Japanの右上に表示される純広告が代表的なもので、メディアレップが誕生するきっかけにもなりました。純広告はあらかじめ枠と価格が決まっており、利用にはある程度の予算が必要になるため、大企業が主に利用しています。
DSP
DSPとは、広告主の広告効果を最適化するためのプラットフォームを指す、Demand Side Platformの略です。
DSPは、自社の商品やサービスを購入する可能性が高いユーザーに広告が表示されるようにし、そうでないユーザーには広告を出さないという仕組みを自動で行います。
広告主のニーズにマッチしたユーザーにアプローチすることで、広告の費用対効果を最大化し、売上に繋げることができる、広告運用の自動化で運用コストを下げるなどのメリットがあります。
SSP
SSPは広告を表示させる媒体の収益を最大化するプラットフォームのことで、Supply Side Platformの略です。
SSPはDSPと連動して広告の最適化を図るツールで、DSPが広告主側のツールだとすると、SSPは広告メディアのためのツールと言えます。
メディアはSSPを利用することで、自社メディアへユーザーがアクセスするごとに、もっとも収益が高くなる広告を、連携しているDSPから自動的に選択して配信することができ、広告の収益を最大化することができます。
DMP
DMPは、DSPとSSPの精度を高めるためのプラットフォームで、Data Management Platformの略です。
DMPの仕組みは、ウェブ上の様々なビッグデータを一元管理し、広告配信を最適化するというものです。
ビッグデータには外部サイトやSNSのデータ、Cookieのデータ、自社ECサイトの顧客情報や購買データなどがふくまれ、これらを活用することで最適な広告配信を行うことができます。
メディアレップを様々な目線から紹介
広告主側
メディアレップを活用することで、広告主は各メディアの知識がなくても、少ない人員とコストで広告の最適化を図ることができます。
また、出稿データを各メディアのフォーマットに合わせたデータに変換してくれたり、広告費用を回収してくれたりなどのサービスも受けられます。
広告代理店側
広告代理店も、メディアレップを通すことで各メディアとの信頼関係がなくても取引ができるというメリットがあります。
従来の営業では、広告枠を持つメディアに営業を持ちかけ、信頼関係を築いてから契約をしていましたが、この方法には時間と人員が必要です。
メディアレップを仲介すれば、最低限の時間と人員で効率よく取引をすることが可能です。
メディアレップのメリット・注意点
メディアレップのメリット
今まで契約したことのないメディアに広告を出す場合、メディアの特徴やフォーマットを理解し、各メディアと個別に契約する必要があります。しかし、メディアレップを通せば、それらの手続きをメディアレップが行ってくれるため、人員とコストの削減につながります。
また、どのメディアに出稿すればよいのか分からないときも、メディアレップに予算などの要件を伝えれば、最適なメディアを選定してくれます。
メディアレップの注意点
メディアレップに仲介を依頼するということは、当然、仲介マージンが発生します。
メディアレップに依頼しない場合にかかる手間やコストを考える必要があります。
また、特定のメディアに継続依頼したい場合は、メディアレップを仲介していると、ノウハウを蓄積したり、信頼関係を築いたりといったことが難しくなるので、長期的に見るとデメリットの方が大きくなることもあります。