協賛は企業へのメリットだらけ!!協賛先を選ぶポイントとは

イベントの開催やスポーツチームでは、企業の協賛を必要としています。

企業側は応援するというスタンスで、費用や物的リソースを提供し、企業名や商品名の宣伝を行います。

協賛する企業にとってもメリットが多くありますが、協賛先を選ばないと、期待していたリターンが得られない可能性もあります。

協賛を行うとどのようなメリットがあるのかを正しく理解し、その上でどのような目的を持って協賛を行うのか、どのような協賛先を選ぶのかを考えなければいけません。

協賛のメリットや、協賛先の選び方についてまとめました。

「協賛」とは

協賛とは

協賛とは、イベントや計画の趣旨に賛同し、支援する形態です。

費用や物的なリソースを提供し、そのイベントで広告や宣伝の機会を得ます。

協賛と似た意味で、「スポンサー」「広告主」という表現をされる場合もあります。

厳密には意味合いが異なり、協賛はより相互の利益を追求するパートナーシップという要素が強いです。

  • 協賛はスポンサーシップマーケティング
  • スポンサーシップ市場の拡大

協賛はスポンサーシップマーケティング

スポンサーマーケティングとは、スポーツやイベントに協賛を行い、企業のマーケティング戦略のひとつとするものです。

協賛を行うと企業にとってメリットが多数あり、最終的には自社の商品やサービスの売上アップに繋げられるためです。

ただし協賛を行うには、自社のターゲット層にマッチするか、イベントの趣旨に合うか、といったポイントを見極める必要があります。

スポンサーシップ市場の拡大

スポンサーシップ市場は、世界的に拡大しつつあります。

IEG社の調べによると、2017年の世界スポンサーシップ市場は6.9兆円、2018年になると7.24兆円と大きく成長しているのがわかります。

世界的に多くの企業がスポーツ・スポンサーシップに投資しており、今後もますますその市場は拡大すると見込まれています。

(参照:立教大学経営学部准教授 辻洋右氏「特集 進化を続けるスポーツマーケティング」)

【企業優位性】協賛のメリット

企業が協賛を行うといくつかのメリットがあります。

まずは企業の優位性という側面で得られる、協賛のメリットについてお伝えします。

  • 企業名の認知度がアップする
  • 企業イメージが上がる
  • 人脈が広がり新規顧客獲得に
  • 商品やサービスの売り上げ増加

企業名の認知度がアップする

協賛認知度アップ

協賛企業となると、イベントで企業名のPRができるようになります。

人が集まりやすい場所に看板を掲げたり、サイトやチラシにロゴを掲載したり、イベントスタッフのユニフォームに企業名やロゴをつけたりと、多くの人の目に留まる機会が得られます。

そのため企業名や商品名の認知度アップに繋がるというのが、協賛を行う大きなメリットです。

特に設立したての企業やマーケティングを拡大していきたいと考えている企業にとっては、協賛が大きな意味を持つようになるでしょう。

企業イメージが上がる

協賛を行うと、そのイベントやスポーツチームのイメージが企業イメージと結びつくようになり、イメージアップとなります。

例えば、スポーツチームの協賛であれば、明るくクリーンで健康的なイメージと連想されるようになるでしょう。

学生が関連するイベントでは、教育への良いイメージがつくと考えられます。

さらには「協賛を行っている」という行為自体が、企業の好調さを印象付ける可能性もあります。

人脈が広がり新規顧客獲得に

協賛メリット

企業として協賛を行うと、他の企業とのご縁を繋ぐキッカケになります。

協賛企業が多いイベントを選べば、横の繋がりが広がり、人脈が広がっていくので大きなメリットとなるでしょう。

人脈が広がると、ビジネスの可能性が広がり、後には新規顧客獲得となる可能性もあります。

業界内であれば信頼獲得になりますし、他業種の企業であれば全く新しいビジネスチャンスを掴むかもしれません。

商品やサービスの売り上げ増加

スポーツの協賛では、社名やロゴを掲示する資金協賛だけではなく、物品協賛という形をとる場合もあります。

お金を支援する資金協賛とは異なり、商品そのものの良さをダイレクトにアピールできる機会となります。

例えばスポーツの大会で飲料を提供する、というようにイベントと商品がマッチするのであれば、物品協賛も検討してみましょう。

すでに認知度の高い企業であっても、新商品の売り上げに貢献できたり、試供品の配布で困っている企業には良い機会となるでしょう。

【社員向け】協賛のメリット

協賛を行うメリットは、企業の外に向けたメリットばかりではありません。

企業で働く社員にとっても、このようなメリットがあります。

  • 福利厚生が充実する
  • 雇用拡大し働きやすい職場に

福利厚生が充実する

協賛福利厚生

せっかく協賛を行ったとしても、社員から「なぜあんなイベントに出資するんだ」と不満が出てしまっては本末転倒です。

自社で勤務する社員やその家族には、喜んでもらいたいと考える社長が多いでしょう。

スポーツイベントに協賛を行うと、プロの試合であれば試合観戦ができたりと福利厚生の充実になり、採用活動時には自社の特色としてアピールできるでしょう。

社員家族に子供がいる場合は、子供が喜んでくれるようなイベントに出資すると、家族全員に喜んでもらえるでしょう。

雇用拡大し働きやすい職場に

協賛を行うと、自社の認知度拡大やイメージアップにつながると先述しました。

認知度があり、クリーンな企業であるというイメージが定着していれば、自ずと入社希望者も増加していくでしょう。

良い人材を集めるのは、企業の課題であるともいえます。

優秀な人材が集まり、雇用が拡大すれば、勤続年数が長い社員にとっても働きやすい職場となっていくでしょう。

【地域活性化】協賛のメリット

協賛メリットCSR

どんな企業であっても、まちに貢献したい、地域活性化をさせたいと考えているでしょう。

企業が組織活動を行うにあたって担う社会的責任(CSR)として、ボランティア活動や地域の清掃活動に取り組んでいる企業もあるかもしれません。

さらにスポーツチームやイベントの協賛を行うと、そのイベントでさらに地域の活性化が見込めるでしょう。

人脈作りのメリットをすでにご説明しましたが、限られた地域のイベントであれば、さらに濃い人脈作りが可能になると予想できます。

その地域における企業や経営者との濃い繋がりを持つチャンスになるでしょう。

協賛のデメリット

企業が協賛をするデメリットといえば、費用がかかるという点です。

規模が大きくなればなるほど出資金が必要になる上に、その出資金分を回収するには時間がかかる可能性すらあります。

ただし「メリットあってデメリットなし」と考えられるほどに、多方面にメリットがあります。

企業・社員・家族・地域の人にメリットがありましたので、今後も良いサイクルを生み出していきたいと考えるのであれば、協賛を行っていけるといいでしょう。

協賛企業の費用対効果

企業が協賛を行うと多くのメリットがあるとわかりましたが、マーケティングと呼べるような費用対効果が期待できるのでしょうか。

費用対効果があるのかという点では、「やってみないとわからない」というのが正直なところかもしれません。

協賛金を払って、すぐに相当のリターンを求めているのであれば、協賛は向いていないかもしれません。

資金を出資するだけでなく、時間をかけてファンとなる人達との良い関係作りをしていく必要があるからです。

費用対効果を考えるのであれば、協賛金の金額やイベントの規模、宣伝効果など、多くの面から考慮する必要があります。

協賛を行うかのポイント

では、「どこに出資するのか」「協賛を行うのか否か」というポイントは、どんな点なのでしょうか。

協賛を行うかのポイントを間違えてしまうと、せっかく資金を出しても全く効果が得られないという結果に終わってしまうかもしれません。

協賛を行うかは、これらのポイントをじっくり考えてみてください。

  • ターゲット層がマッチするか
  • 取り扱い商品とのニーズが合うか
  • 協賛の意義を考える

ターゲット層がマッチするか

協賛ターゲット層

ターゲット層とは、商品やサービスを売る際に対象としている顧客層です。

協賛先の顧客層と、自社のターゲット層がマッチするかが、大きなポイントです。

年齢・性別・職業・居住地区といった項目で、ターゲット層を検討していきます。

例えば、子供の教育関連の業界であれば、子供が集まるイベントに協賛を行うといいでしょう。

ターゲット層がマッチするかが、商品やサービスの売上アップへの近道になるといっても過言ではありません。

取り扱い商品とのニーズが合うか

自社商品と、協賛先のイベントのニーズが合うかも考えてみましょう。

例えば、スポーツのイベントであれば、スポーツ飲料やエナジードリンク、お菓子などのニーズがあると予測できます。

介護関連のイベントであれば、専用リハビリ機器や介護食を作る企業が協賛を出すといいでしょう。

協賛先のイベントと自社商品とのニーズが合うかは、ターゲット層のマッチと同様に重要であり、協賛先を考える際には第一に考えたい項目です。

協賛の意義を考える

協賛を行うと、多くのメリットがあるとお伝えしました。

「全てのメリットが得られるのであれば」という考え方をするよりは、自社が協賛を行う目的・意義を明確にさせておきましょう。

企業としての認知度拡大なのか、直接的に売上に貢献したいのか、また社会貢献に力を入れたいのか、というような目的はどこでしょうか。

これらの複数の目的があるのであれば、優先順位を決めておくといいでしょう。

協賛の意義や目的が明らかになると、出資の規模やターゲット層がみえてきます。

多様なスポーツスポンサーの形

スポーツスポンサー

企業がスポーツで協賛を行うには、いくつかの形があります。

出資金やイベントの規模、自社で求める協賛のメリットを考慮し、協賛先を選びましょう。

  • 国際的なスポーツスポンサー
  • プロチームや個人選手のスポンサー
  • 大学部活のスポンサー

スポンサー料は推定となりますので、参考になさってください。

国際的なスポーツスポンサー

国際的なスポーツスポンサーとなるには、これらの協賛先があります。

  • オリンピック
  • サッカー日本代表
  • ラグビーワールドカップ

例えばサッカーワールドカップのスポンサー料は、年間5億円~50億円程ともいわれています。

複数年の契約が通常ですので、3倍、4倍のスポンサー料がかかると考えられます。

オリンピックでは、10億~150億円程のスポンサー料が必要になります。

国際大会ともなれば高い宣伝効果が見込めますが、これだけの高額な契約料がデメリットともいえます。

プロチームや個人選手のスポンサー

国際大会のスポンサーではなくとも、プロスポーツチーム個人選手のスポンサーも大きな宣伝効果が見込めます。

例えばJリーグの選手ユニフォームについている胸や背中の企業ロゴは、スポンサー料1億円~3億円といわれています。

個人選手であれば、体操の内村航平選手、バドミントンの奥原希望選手は企業から支援を受けてプロとして活動しています。

企業からの支援だけでなく、クラウドファンディングをして個人からもスポンサーを得る選手もいます。

大学部活のスポンサー

これらのプロスポーツへの協賛ではなく、大学部活のスポンサーになるという選択肢もあります。

大学生部活にスポンサーがつけば、選手の育成にもなりますし、学生や部の経済的負担を軽減させられるようになります。

また大学部活のスポンサーであれば、運動系だけでなく文化系の部活への出資も可能です。

大学部活は幅広く、音楽やボランティア、吊りや料理といった部活もありますので、自社とよりマッチした部活を選択できるでしょう。

企業のイメージアップ、社会貢献、地域活性化といった目的のある企業は、大学部活のスポンサーも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

協賛は企業へのメリットだらけ

協賛は企業に大きなメリットをもたらしてくれるでしょう。

企業の認知度拡大や売り上げアップというビジネス面でのメリットはもちろん、人脈形成や社会貢献といった、目に見えない繋がりを得られるキッカケになります。

新たな人脈や地域の人との信頼感は、企業にとって大きなメリットとなります。

ただし協賛先はきちんと選ばなくてはいけません。

「有名だから」「好きだから」というのも理由のひとつになるかもしれませんが、自社とのターゲット層やニーズが合うかを見極めるように注意しましょう。

マッチする協賛先を選び、企業にとっても良い変化が得られるような出資を行いましょう。