バイクのエンジン部品の名称とは?エンジンの工程や気筒数の違いについても解説

バイクのエンジンの部品の名称について知りたいと悩んでいませんか?

この記事では「バイクのエンジン部品の名称」について紹介します。

他にも「バイクのエンジンの工程」や「エンジンの気筒数の違い」について解説していきます。

ぜひこの記事を参考に、バイクのエンジン部品の名称について理解を深めてみてください

バイクのエンジン部品の名称

バイクのエンジン部品の名称については、以下があります。

  • スパークプラグ
  • 混合気
  • 燃焼室(シリンダー)
  • ピストン
  • コンロッド
  • クランクシャフト
  • 排気バルブ

それぞれの名称について解説していきます。

スパークプラグ

スパークプラグとは、火花を飛ばす電気部品のことを指します。

圧縮された混合気に火花を飛ばして燃焼させることによって、エンジンを動かすことができます。

実際に、良いエンジンの働きとされているのは、以下の3つがあります。

  • 良い火花
  • 良い圧縮
  • 良い混合気

上記の1つを担うわけなので、非常に重要な部品といえます。

最近では、電極にイリジウムを採用しており、電極の先端を尖らせることによって強力な火花を作り出す「イリジウムプラグ」が多く見られ、スーパースポーツには標準採用されています。

しかし、電極が細く緻密に作られているので清掃が出来ないというデメリットも挙げられます。

混合気

混合気とは、空気とガソリンが霧化され、混じり合ったもので、エンジンはそれを燃焼させて働く役割があります。

基本的には、空気14.7:ガソリン1の割合が、理想的な空燃比と言われています。

例えば、キャブ車で冬場の方が調子が良かったり、高所でエンジンがかかりにくかったりするのは空気の密度が気温により変化することによってこの値がずれることによって生じてしまいます

そのため、キャブ車は適切な値に近づけなければいけないのでセッティングと言われる作業が必要不可欠になります。

燃焼室(シリンダー)

燃焼室(シリンダー)とは、混合気の圧縮がおこなわれ、スパークプラグによって燃焼が起きる空間を指します。

この空間の形状を変えることによって燃焼の伝播速度を速めたり、効率的に燃焼させることが可能です

また、シリンダーにはクロスハッチといって、オイルがシリンダーに馴染むように小さな傷が入っています。

ピストン

ピストンとは、吸入から排気を繰り返すエンジンのキモとなる部分です

具体的には、以下のようにシリンダー内のピストンが上下に動きます。

  • 吸入
  • 圧縮
  • 燃焼
  • 排気

上記の動作を繰り返しおこないます。

ノーマルピストンの多くの材質はアルミ合金で作られており、非常に強度が高い特徴があります。

コンロッド

コンロッドとは、ピストンとクランクシャフトをつなぐ棒状の部品のことです。

米国ではRods(ロッズ)と呼ばれており、種類は豊富で大きく分けてA断面、I断面。H断面とあります。

同じバイクの車種の同じもので比較すると、H断面は強固な特徴がありますが、、A断面と比較すると重たくなります。

I断面については、その中間になります。

クランクシャフト

クランクシャフトとは、ピストンとの上下運動を回転運動に変換する部位です。

エンジンのオーバーホールなどをする際はよくここの軸受けとなるメタルが摩耗していることが多いので、その際には交換が必要となります。

基本的には、1エンジンに付き1つだけで、この部品からいろいろなパーツを経由してタイヤに動力を伝えることができます。

そのため、クランクシャフトとは、エンジンの回転数のことです。

また、この部品には連続的に回転させる為の「重り」的な役割があり、クランクシャフトがないと規則正しく回転ができません。

排気バルブ

排気バルブとは、吸気と排気のタイミングで開閉するバルブのことを指します。

排気バルブの動く仕組みについては、「カムチェーン」というチェーンがクランクシャフトに繋がっており、爆発のサイクルに合わせて丁度良いタイミングで吸排気バルブが開閉するように調整されています。

具体的には、バイクのエンジン内部には、ガソリンと空気を吸い込むための入り口と排気ガスを排出するための出口があり、これを一つのシリンダー内で行っており、その入り口と出口の開閉を担う部品のことを排気バルブといいます。

このように、バイクの動力には欠かせない大きな役割を担っています。

バイクのエンジンの工程

バイクのエンジンの仕組みは、空気とガソリンを混ぜて爆発させ、その勢いでタイヤに動力を伝えます

バイクのエンジンの工程については、以下があります。

  • 2ストロークの仕組み
  • 4ストロークの仕組み

それぞれの工程について解説していきます。

2ストロークの仕組み

2ストロークエンジンとは、以下の工程を経て動力を得ています。

  • 掃気
  • 圧縮
  • 燃焼
  • 排気

ピストンが上昇する間に排気と吸気の圧縮をおこない、その後にスパークプラグの点火により燃焼して、その勢いでピストンが下降し、その後半で排気がおこなわれます。

2行程で1回の爆発を起こすことができます。

同じ排気量なら4ストロークよりもパワフルで、構造もシンプルなため、エンジンを軽くコンパクトに作ることが可能です。

しかし、オイルを燃やしながら潤滑する構造で、未燃焼ガスが多く排気ガスに含まれる有害物質が多いというデメリットがあります。

そのため、現在では排気ガス規制によって生産することができなくなりました。

2ストロークのバイクに乗りたければ、中古車であれば今でも2ストロークエンジンのバイクに乗ることはでき、実際に独特なフィーリングを好んで2ストロークに乗り続けているライダーも多くいます。

4ストロークの仕組み

4ストロークエンジンとは、以下の工程を経て動力を得ています。

  • 吸入
  • 圧縮
  • 燃焼・膨張
  • 排気

この1つのサイクルの間にピストンが上下に2往復するため、4ストロークと呼ばれています。

2ストロークに比べて排ガスがクリーンで、燃費も優れているというメリットがあります。

騒音も静かで低速での取り回しも良い特徴があるので、現在では4ストロークが主流になっています

2ストロークとの違いは爆発の行程だけではなく、オイルの潤滑方式も異なります。

4ストロークはエンジンオイルを循環させるため、基本的にオイルを燃焼させることはありません。

そのため、マフラーから白煙を吹くことはありません。

エンジンの気筒数の違い

エンジンの気筒数とは、ピストンの数のことで、単気筒ならピストンは1個、2気筒ならピストンが2個あるエンジンということです。

気筒数は多ければ多いほど良いというわけではなく、バイクによって同じ排気量でも気筒数の違う車種も多く存在しています。

基本的に、気筒数が多い方が高回転化しやすく、高出力なエンジンとなります。

しかし、最高出力が同じエンジンであっても、気筒数が違えば出力特性が異なり、バイクの乗り味は大きく変わるのも事実です。

エンジンの気筒数の違いについては、以下があります。

  • 単気筒
  • 2気筒
  • 3気筒
  • 4気筒

それぞれの気筒数について解説していきます。

単気筒

単気筒とは、排気量のすべてを1本のシリンダーで使うので、1回の爆発での発生トルクが大きいという特徴があります。

爆発の間隔が長いので独特「鼓動感」があるので、愛好者も多くいます。

構造がシンプルで小型軽量なエンジンを作りやすいことから、原付からモトクロスバイクまで幅広く使われています。

太い低速トルクからフラットに吹き上がっていきますが、高回転は回りづらいです。

一定の回転数を過ぎてしまうと、回っているだけでパワーがついて来なくなるのも事実です。

そのため、早めにシフトアップして低回転のトルクで走行するのをおすすめします。

2気筒

2気筒は、並列やV形、水平対向など、シリンダー配置のバリエーションが豊富な特徴があります。

バリエーションによって、それぞれ異なる出力特性を味わうことができ、単気筒ほどではありませんが鼓動感が強いです。

実際に、同じ2気筒でも、エンジンによって全くキャラクターが異なるのも事実です。

おおまかに分けると以下の3種類があります。

  • 並列2気筒
  • V型2気筒
  • 水平対向2気筒

上記のように、2つのピストンの燃焼タイミングの違いで音もフィーリングも全く異なります。

3気筒

3気筒とは、単気筒や2気筒のトルク感と、多気筒のスムーズさを併せ持っている特徴があります。

2気筒ほどではありませんが、十分な低速トルクを発生し、高回転までまろやかに吹き上がっていきます。

トルクと伸びのバランスの良さの他にも、回転によって音色が変わっていくのも3気筒ならではの特徴です。

低回転では「ギュルギュル」といった音が特徴ですが、回転が上がるにつれて澄んだ甲高いサウンドを発生します。

4気筒

4気筒とは、高回転性能とスペース効率のバランスが良く、スポーツバイクに多く採用されている特徴があります。

甲高いサウンドが持ち味の並列4気筒エンジンは、日本のホンダが最初に作ったのが並列4気筒エンジンなので、日本発祥のエンジンです。

高性能車を目指して作られたことからも分かるように、並列4気筒エンジンは高回転高出力であることが特徴といえます。

低回転のトルク感は薄いですが、緻密に回るエンジンは非常に扱いやすく、街乗りにも使いやすいエンジンです。

また、、4気筒エンジンは並列の他にV型も存在しており、こちらは並列4気筒に比べるとトルク感があって鼓動感も感じられます。

エンジンの冷却方法

バイクのエンジンを冷やさずにそのまま稼働させてしまうと、オーバーヒートを起こしてエンジンが停止してしまいます。

最悪の場合はエンジンをまるごと交換することになる致命的な故障となってしまいます。

そうならないためにはエンジンを常時冷却する必要があります。

エンジンの冷却方法については、以下があります。

  • 空冷式
  • 水冷式
  • 油冷式

それぞれの冷却方法について解説していきます。

空冷式

空冷式とは、エンジンに当たる走行風を利用して、熱を発散させる方式です。

放熱性を上げるため、表面積を増やす目的で冷却フィンが設けられているのが特徴です。

放熱フィンはエンジンを冷却するという目的のための装備ですが、エンジンの外観を装飾する二次的な役割も持っています。

そのため水冷エンジンでも装飾フィンを備えるものもあります。

また、空冷式エンジンは走行風によってエンジンを冷却するので、停車中に長時間アイドリングしているとエンジンの熱が高くなりすぎてしまうデメリットがあります。

さらに、他の冷却方式より効率が悪かったり、エンジンの掃除が面倒な特徴も挙げられます。

水冷式

水冷式とは、エンジン内部に冷却水の経路を設けて還流させ、発生した熱を吸収させる冷却方式です。

空冷よりも効率的にエンジンを冷却することができるので、バイクでも現在では水冷エンジンが主流となっています。

シリンダーの燃焼室に近い部分にある冷却水の通り道の「ウォータージャケット」に水が循環することでエンジンを冷やしています。

エンジンの熱を吸収して温度が上がった水は、ラジエターを通過することで冷やされ、再びエンジン内部へと送られてエンジンを冷却する仕組みです。

空冷と比べると水冷エンジンは部品点数が増え、構造が複雑になるうえ重量も増えてしまうデメリットがあります。

また、エンジンをカウルで覆っても冷却できるメリットがあるので、フルカウルを装備するバイクはほぼすべてが水冷エンジンを採用されています。

油冷式

油冷式とは、オイルを冷媒としてエンジンを冷やす方式です。

水冷エンジンよりも機構を単純化することができ、軽量なメリットがあります。

しかし、エンジン温度を一定に保つ性能としては水冷よりも劣っています

そのため、油冷式を採用しているバイクは少なく、ジクサー250の単気筒エンジンだけが唯一採用されています。

エンジンの理解を深めてさらにバイクを好きになろう!

今回は、バイクのエンジン部品の名称やエンジンの工程や気筒数の違いを紹介しました。

バイクのエンジン部品の名称については、以下があります。

  • スパークプラグ
  • 混合気
  • 燃焼室(シリンダー)
  • ピストン
  • コンロッド
  • クランクシャフト
  • 排気バルブ

また、バイクのエンジンの仕組みは、空気とガソリンを混ぜて爆発させ、その勢いでタイヤに動力を伝えます

今回の記事を参考に、エンジンの理解を深めて、さらにバイクの知識を増やしましょう。