初心者がバイクサーキットに参加する方法とは?覚えておきたいルールと準備する物

ライダーであれば1度はサーキットで走ってみたいと思うでしょう。

しかし「自分は邪魔になるんじゃないか」「上手い人しかサーキットに行ってはいけない」と思い込んでしまっている人がいます。

初心者がいきなり公認レースに出場したいと言われればハードルが高いですが、サーキットで走るだけであれば初心者でも問題ありません

初心者はどのようにサーキットに参加すればいいのか、サーキットに出る前に覚えておきたいルールや、準備しておきたい物をまとめました。

初心者でもサーキットがおすすめの理由

初心者サーキット

初心者ライダーの中には、「サーキットはレーサーやベテランライダーが走る場所」と思っている方も少なくありません。

敷居が高い場所だと感じているかもしれませんが、実際は公道よりも安全にバイク走行を楽しめる場所です。

特別なライセンスが必要なく参加できるサーキット走行会は、初心者でも気負わず走行できます。

サーキットは上手い下手関係なく、エキサイトメントな体験ができます。

公道で無理をしないためにも、「楽しむ」という目的の走行会へ参加するのがおすすめです。

サーキット走行の種類と難易度

サーキットには、主にこのような種類があります。

  1. 公認レース
  2. 草レース
  3. フリー走行
  4. サーキットスクール
  5. サーキット走行会
  6. 体験走行会

公認レースが最も敷居が高く、順に難易度が下がっていきます。

初心者におすすめなのは、サーキットスクールと走行会です。

これらの内容や参加条件について、詳しく確認していきましょう。

公認レース

公認レースとは、走行ライセンスが必要なレースです。

ライダーライセンスが必要で、例えば国内Aライセンスを取得するとJAF公認競技のレースに参加・出場できます。

ライセンスには複数種類があり、初心者には最もハードルが高いレースです。

草レース

草レースとは、いわばアマチュアレースです。

アマチュアレースとはいえ、本気で参加しているライダーが多数いますので、初心者におすすめするレースではありません。

規定としては、ライセンスが不要で初心者でも参加は可能です。

フリー走行

フリー走行とは、ルールに沿ってドライバーが自由に走行するレースです。

練習のためなどで、自由に走行できるのでハードルは下がってきます。

しかし周囲にスピードを出す人もいますので、初心者は注意が必要です。

サーキットスクール

初心者サーキットスクール

サーキットスクールとは、サーキット場が主催するライディングスクールです。

初心者や上級者などレベルが分けられており、講師がつくので参加しやすいイベントといえるでしょう。

半日~1日のスクールが多く、料金は2万円前後が相場となります。

ライセンスが不要なので、初心者でも安心して参加できます。

知識や経験を増やしつつ、しっかりサーキットの走行もできるので満足度が高い傾向にあります。

サーキット走行会

走行会」「サーキット走行会」などと呼ばれるもので、バイクショップや用品店、タイヤメーカーといった団体が主催する会です。

サーキットの枠を数時間貸切って、参加者で貸切り料金を割って清算します。

参加料金は、シーズンやサーキット場の条件などにより異なりますが、目安としては1万~3万円となります。

いつも行くバイク用品店で走行会の情報を仕入れたり、SNSでの告知を見て参加します。

参加人数が集まらないと開催できないイベントなので、参加の意思を伝えると喜んでもらえる場合が多いです。

体験走行会

バイク体験走行会

大手ショップやサーキットが主催する体験走行会は、「体験」という名がついているとおり、サーキット場デビューの人に向いている会です。

お祭り的な雰囲気で、先導車がついており、ゆっくりとサーキットの雰囲気を楽しみます。

ライセンス不要で、普段のウェアで参加可能なので、初心者にとって敷居が最も低いイベントといえます。

参加費用も数千円と手軽に参加できますが、スピードを出したい人には不向きです。

初心者が覚えておきたいサーキットのルール

いざサーキットに出る前に、初心者が覚えておきたい最低限のルールをご紹介します。

当日アタフタしないためにも、これらのルールを覚えておきましょう。

  • 走行会ではブリーフィングに参加する
  • フラッグの意味
  • 出入りは手足信号を使う
  • 無理に抜かない・譲らない
  • 早めに休憩をする

走行会ではブリーフィングに参加する

ブリーフィングとは、英語のbriefingに由来する言葉で、事前説明というような意味があります。

平たくいうと、サーキット走行会の前に行われる説明会です。

基礎的な情報だけでなく、サーキット独自のローカルルールなど、事前に確認できる場となります。

特にコースイン・アウトの説明は事故の危険を回避するためにも、必ず確認しておきたい項目のひとつです。

わからない点があれば、ブリーフィングの時点で質問をしておくといいでしょう。

フラッグの意味

サーキット走行中にコースの状況を把握する手段は、
フラッグとシグナルのみです。

フラッグは基本的に全国共通のルールなので、覚えてしまいましょう。

ローカルルールがある場合もありますが、ブリーフィングで説明されます。

イエローフラッグ

イエローフラッグと呼ばれる、真っ黄色の旗は、前方に危険があると知らせています。

スピードに注意し、追い越しは禁止です。

イエローフラッグが解除されるまでは周囲の状況に注意し、速度を落として走行しましょう。

チェッカーフラッグ

チェッカーフラッグ意味

黒と白の市松模様の旗を、チェッカーフラッグといいます。

レース終了、走行終了という意味があります。

レースの際に先頭でチェッカーフラッグを浴びると、
そのレースの勝者であるとわかります。

サーキットでは最も有名なフラッグといえるでしょう。

グリーンフラッグ

グリーンフラッグは、黄旗区間の解除を意味します。

つまりイエローフラッグによって注意・追い越し禁止で走行していた状態が解除されるという意味です。

グリーンフラッグのあるフラッグポストを見たら、通常走行に戻して良いという合図になります。

レッドフラッグ

真っ赤な旗であるレッドフラッグは、緊急事態に提示されます。

走行中断を指示する旗なので、レッドフラッグが提示されたら安全確認をし、ピットに戻ります。

何らかのアクシデントが発生していると考えられますので、ピットに戻るまでは安全に配慮し、最大の注意を払ってください。

オイルフラッグ

黄色と赤色の縦ストライプの旗を、オイルフラッグといいます。

先のコースがオイルで濡れている、雨で滑りやすくなっているという注意喚起の際に提示されます。

道が濡れている場合だけでなく、落下物や転倒バイクのパーツが落ちている場合もあります。

レッドクロス

白地に赤いクロスが入った旗をレッドクロスといいます。

先のコースで雨が降り続いているという状況を知らせるもので、最初は雨が振っていなかったけど、途中で降り始めた時に提示されます。

ブルーフラッグ

真っ青な青い旗は、ブルーフラッグとよばれます。

後方にスピードの速いバイクが近づいており、追い越されようとしているライダーに向けて振られるフラッグです。

ブルーフラッグを振られたライダーは、後方車に進路を譲るようにしましょう。

出入りは手足信号を使う

接触事故を起こさないようにするため、ピットからの出入りは手足信号を使います。

コースに入ったら、走行車の様子を確認しながら走行ラインに加速していくようにします。

ピットに入る際には、後続車にわかるよう手前からスピードを落として、安全に戻ります。

合流や離脱はタイミングをみて、安全に行いましょう。

無理に抜かない・譲らない

サーキットルール

サーキットに慣れてくると、前を走るバイクを抜きたくなるかもしれませんが、抜くには相当なテクニックが必要です。

よほどの速度差・技量差がないと危険な状況を招いてしまうかもしれませんので、ホームストレート等の余裕がある場所まで待ちましょう。

また後続車が速いと焦ってしまうかもしれませんが、無理に譲ろうとしなくても大丈夫です。

技量のある人であれば、どこで抜こうか考えているはずなので、急なライン変更はかえって危険です。

早めに休憩をする

サーキット走行は、想像以上に疲れます。

コーナーでは集中力が必要ですし、運動量もあるため、早めに休憩をとるよう心がけましょう。

走行中は疲れを自覚しにくいので、ミスを招く前に休んでください。

初心者が準備するライディングギア

サーキット準備

ギアとは装備という意味があり、サーキットで走行するための服装をライディングギアといいます。

安全性を確保するために、初心者が準備しておきたい
ライディングギアをご紹介します。

  • ヘルメット
  • プロテクター
  • レーシングスーツ
  • ブーツ&グローブ
  • 装備はレンタルという方法もある

ヘルメット

どんなサーキットでも、まず必須なのがヘルメットです。

安全性の高さを考慮して、フルフェイスヘルメットを準備しましょう。

走行会であっても、セミジェットやハーフタイプはNGな場合があります。

レース用となると、MFJやFIM公認のレース用ヘルメットがおすすめです。

プロテクター

頭部はヘルメットで守りつつ、胸部や脊椎といったライダーが怪我をしやすい部分もカバーしなくてはいけません。

バックプロテクターチェストプロテクターなどを検討しましょう。

通気性が高く動きやすいプロテクターを選べば、走行中も快適に過ごせます。

胸部プロテクターを標準装備したジャケット

胸部プロテクターを標準装備したライディングジャケット「RSJ345 トルク エアー ジャケット」です。

メッシュ素材を使用しているので、安全性が優れていながら通気性も良いジャケットです。

胸にはハードタイププロテクター、肩・肘にはソフトタイププロテクター、背中にはフォームタイプのプロテクターが装備されており、上半身を保護します。

レーシングスーツ

サーキット走行を目的とした装具が、レーシングスーツです。

スポーツ走行を行うのであれば、ぜひ準備したいアイテムです。

まずは体のサイズに合う物を購入し、走行な妨げにならないレーシングスーツを選びましょう。

ブーツ&グローブ

ブーツやグローブも、安全性を第一に選びましょう。

レーシングブーツは、サーキット走行のために設計されたブーツで、補強材が使われており安全性が高いです。

レーシンググローブは、革や難燃性の素材が使われているのでグリップ性が高いのが特徴です。

万が一事故に巻き込まれた時にバイクの破片が飛んできても、怪我をしにくい設計です。

Furygan(フリュガン)オートバイ専用設計グローブ

知的衝撃吸収材という特殊素材を使用したグローブで、衝撃が加えられた瞬間にのみ硬化するという特性があります。

衝撃耐性が高いのに、通常ライディングの際はプロテクターの存在を忘れてしまいそうなほどの運動性の高さも魅力です。

快適なライディングと高い安全性を兼ね備えた、オートバイ専用設計グローブです。

装備はレンタルという方法もある

初めてのサーキットを前に、いきなり購入するのは抵抗があるという方もいるかもしれません。

「今後どのくらいのペースでサーキットに行けるかわからない」「購入は躊躇してしまう」という方は、レーシングウェアやブーツといった装備をレンタルするという選択肢もあります。

「保管しておく場所に困る」「いろいろなメーカーのアイテムを楽しみたい」という方もレンタルが向いています。

何から購入しようか迷ってしまう場合は、レンタルショップも検討してみましょう。

走行会は楽しむを大前提に

サーキット走行会は、ライディングスキルを競ったり、速い遅いを比較するものではありません。

120%のパワーを出して全力で走るものではなく、仲間と交流しながら楽しく走れればOKという気持ちでいましょう。

「初心者だから」と遠慮する必要はなく、まずは参加してみるのがおすすめです。

初心者におすすめのサーキット走行

サーキットを走行するにはいくつか方法がありましたが、初心者におすすめなのは「サーキットスクール」や「サーキット走行会」、「体験走行会」がおすすめです。

講師がついていたり、先導車がいる方が、初心者の安全性が確保されているといえるでしょう。

顔なじみの用品店やSNS、インターネットで情報収集をしながら、無理のないサーキットデビューを目指していきましょう。