窓枠やサッシの雨漏りの原因と修理方法とは?自分でできる応急処置も解説

お家の問題で意外と多いのは、窓枠やサッシからの雨漏りで、大雨や強風を伴う雨によって窓の雨漏り被害に遭われている方もいるのではないでしょうか。
雨漏りは、窓枠やサッシに原因があると思われがちですが、必ずしもそうではありません。
本記事では、窓枠やサッシからの雨漏りの原因と修理方法について解説します。
窓枠やサッシに限らず、周辺環境の変化によっても雨漏りが発生する場合があり、専門性の高い調査と適切な対処が求められるため、プロの業者に依頼するのがおすすめです。
自分でできる応急処置の方法についてもご紹介しますので、この記事を参考に早めの対策をとっていただけたら幸いです。
あなたの家は大丈夫?窓枠・サッシの雨漏りセルフチェック

今現在、窓枠やサッシが雨漏りしていないと思っていても、すでに発生しており、気付いたときには進行して深刻な被害を受けてしまっている場合もあります。
窓枠やサッシから雨漏りしている、もしくは、発生しやすくなっている状況として、以下の項目をチェックしてみましょう。
- 外壁にひび割れや変色、塗装の剥がれが生じている
- 外壁とサッシの間を埋めているコーキングに劣化や変色、剥がれなどが見られる
- 窓周辺の壁にカビが生えている
- 窓に水滴がついていないのにサッシ部分だけが濡れている
- 窓周辺の壁にシミや変色、剥がれなどが見られる
- 雨の日に窓下の床が濡れていることがある
窓枠・サッシからの雨漏りの原因

窓枠やサッシからの雨漏りは、これらに直接原因があるとは限らず、周りの不具合によって引き起こされているケースも考えられます。
被害が大きくならないためにも、早めに原因を突き止める必要があるのです。
ここでは、窓枠・サッシからの雨漏りの主な原因を説明していきます。
原因①サッシ周りのコーキングの劣化
コーキングは、窓枠と外壁の隙間など、建物内外の隙間を埋めるために使われるゴムのような柔らかい素材です。
コーキングを使用することで、窓枠と外壁の間に隙間ができず、雨水が室内に侵入するのを防いでいるのですが、経年劣化によって、コーキングが剥がれたりひびが入ったりする場合があります。
そこから隙間が生じ、雨水が侵入するのです。
コーキングの寿命は5〜10年程度と言われており、ある程度年数が経つと窓枠からの雨漏りのリスクが高まります。
原因②サッシの部品同士の隙間
サッシは、4辺の材料を隙間なく取り付けた四角い枠となっていますが、長期間使い続けると繋ぎ目に隙間が生じる場合があります。
たとえわずかな隙間であっても、そこから雨水が入り込み、雨漏りに繋がるケースがあるのです。
また、サッシを固定するために境目に挟み込まれているパッキンが劣化して割れたり浮いたりすることで隙間が生じ、雨水が侵入する原因となってしまいます。
特に、サッシの構造が複雑な場合は隙間が生まれやすくなるため、注意が必要です。
原因③引き違い窓の境目の隙間
2枚以上の窓を交差して開け閉めする窓を「引き違い窓」と呼びますが、窓をスムーズに開け閉めするため、わずかな隙間が設けられています。
この隙間方向に向かって強風が吹き込んだ場合、境目から雨漏りが発生することがあるのです。
隙間自体には問題がなく、普段の雨であれば隙間から自然に雨が排出される仕組みとなっていますが、台風のような強風を伴う雨の場合のみ雨漏りが発生する可能性があるので、その際はタオルなどで雨水を拭き取るなどしましょう。
原因④外壁や屋根のひび割れ

窓枠やサッシ周りの外壁や屋根にひび割れがあると、このひび割れから雨水が侵入して窓枠やサッシにまわり、雨漏りする場合があります。
特に、最近主流となっている「窯業系サイディングボード」は、塗装が劣化すると雨を吸収してしまい、乾燥によって外壁のひび割れが生じる可能性があるので、注意が必要です。
一般的にサイティングの外壁は、内部に防水シートが施行されており、少しのひび割れでは雨漏りになりませんが、サッシ周りは防水シートが繋がっておらず、わずかな隙間から入ってきて建物内部に雨漏りが発生します。
原因⑤窓の上にある配管や換気扇
窓の上部にある配管設備の不具合で外壁に隙間ができ、その内側を伝った雨水が窓につたって雨漏りを発生させる場合もあります。
エアコンや換気扇の配管は、外壁に穴を開けて設置するもので、通常は雨が吹き込まないように作られています。
ですが、部品が劣化したり周りの外壁との間に隙間が生じたりすれば、雨水が侵入して下の窓に影響を与える可能性があるのです。
原因⑥防水処理の施工不良
窓枠やサッシを取り付ける際は基本的に、防水シートや防水フィルムを設置するなどして防水処理を行います。
ですが、まれに防水処理を忘れる業者もおり、施行ミスによって雨漏りが発生するケースもあるのです。
新築にも関わらず、窓枠やサッシから雨漏りが発生した場合は、防水処理の施工不良を疑って調べた方が良いでしょう。
施工不良が分かった場合、建築会社に連絡をとり、対応について話を進めていく必要があります。
窓枠・サッシからの雨漏りを放置するリスク

窓枠やサッシからの雨漏りが発生したとき、僅かであればそのままにしておく人も多いでしょう。
ですが、雨漏りの対処を先延ばしにしてしまうと、様々なリスクがあるのです。
ここでは、窓枠やサッシからの雨漏りを放置する危険性について説明していきます。
家が傷みシロアリが発生する
雨漏りの被害として最も危険なのが、シロアリの発生です。
シロアリの発生原因の約8割が雨漏りとも言われており、湿った木材を好むシロアリが大量に集まり、巣を作ってしまう場合もあります。
シロアリは木材を食べてしまうため、建物の強度が落ちる恐れがあるのです。
カビが発生する
雨漏りが原因で建物の木材が腐ると、それを好むカビが発生する恐れがあります。
雨漏りによって発生するカビは、建物に長期間ダメージを与えていた証拠であり、気付いた時には建物が脆くなっており、手遅れだったという事態になりかねません。
また、カビはアレルギーなどの健康被害を引き起こす可能性もあるので、その点についても注意が必要です。
家の木材が腐り家の資産価値が下がる

雨水が建物の内部に侵入すると、柱や骨組みにまで伝わり、木材の腐食やシロアリ、カビが発生し、建物の耐久性が弱くなります。
その結果、建物の安全性が損なわれるだけでなく、修理費用も高くなるほか、建物の資産価値も下がってしまいます。
資産価値が著しく下がることは、将来建物の売却を考えている人にとっては大きな痛手となるでしょう。
電気系統の故障
外壁の内部には電気を室内のコンセントに届けるための配線があり、雨漏りが電気系統に悪影響を与える恐れもあります。
外壁のひび割れなどが原因で、壁の内部に浸入した雨水が電気配線にまで達すると、電気が使えなくなる可能性が高いです。
また、壁の内部に雨水が侵入すると漏電のリスクもあり、火災の原因になるケースもあるので、非常に危険な状態であると言えるでしょう。
修理の規模が大きくなる
窓枠やサッシの雨漏りにすぐ対処できれば、被害を最小限に抑えられ、修理費用も少なく済みます。
しかし、放置すると建物がどんどん傷んでいき、修理費用が高額になる可能性が高いです。
また、雨漏りに気付かず家具や家電に雨水がかかってしまった場合はそれらを買い替える必要があり、費用面での負担がさらに大きくなるでしょう。
「ただの雨漏り」だと思っていても、シロアリなどの害虫が繁殖すると大規模な修繕工事が必要になるケースも多いため、修理費用が安く済むうちに対処しておくのが望ましいです。
窓枠やサッシからの雨漏りに自分でできる応急処置

窓枠やサッシからの雨漏りは早めに対処したいところですが、雨漏りの原因を正確に特定するのは素人には難しく、正しく施工しなければ逆に雨漏りが酷くなる場合もあるため、雨漏りの修理は自分で行うよりも、プロの業者に任せるのがおすすめです。
しかし、業者に依頼したとしても、すぐに修理してもらえない場合もあるでしょう。
そこで、プロに修理してもらうまでに自分で行える応急処置の方法を紹介していきます。、
雨水を吸い取る
最も簡単な方法として、タオルや布を水漏れしているところに置き、雨水を吸い取る方法です。
タオルや布が水を吸ったら、絞ってまた置くか、新しいものに交換します。
また、市販の吸水シートを利用すれば、より多くの雨水に対応できるため、購入を検討してみましょう。
ただし、この方法は根本的な解決とはならないため、あくまでも応急処置として行ってください。
防水テープを貼る
防水テープは水に強く、貼るだけで雨漏りの原因にもなり得るひび割れを予防しつつ、しっかり防水してくれます。
雨漏りの原因箇所を把握している場合、その部分に防水テープを貼っておけば、雨漏りを最小限に抑えてくれるため、応急処置としては非常に有効です。
防水テープであれば簡単に剥がすことができるので、修理を行う際にも邪魔になりません。
雨戸を取り付ける
雨戸がない建物であれば、雨戸を取り付けることで、窓の周りに雨水が到達しづらくなり、雨漏りを抑えられる可能性があります。
雨漏りがしている窓の外から、雨戸を覆う様に取り付けて、雨水の侵入を防ぎます。
すでに雨戸が付いている場合は、雨戸の位置を変えてみると雨漏りの量を減らせるかもしれません。
代用としてべニア板を使用すれば、同じ様な対応ができるので、応急処置としては有効です。
窓枠・サッシからの雨漏りの修理方法

窓枠やサッシからの雨漏りを修理する場合、どこから不具合が発生しているかを調査し、それに応じた作業を行っていきます。
ここでは、窓枠・サッシの雨漏りに対する具体的な修理方法を、原因ごとに紹介していきます。
コーキングの打ち直し
コーキングが劣化している場合、打ち直すしか修理方法がありません。
既存のコーキングを撤去し、新しいコーキングを施工する方法と、既存のコーキングの上からコーキングを施工する方法があります。
しかし、後者はコーキング同士が密着せず、隙間が生じる場合があるため、撤去後の打ち直しがおすすめです。
コーキング劣化が原因の雨漏りでは、コーキングの打ち直しによってほぼ確実に雨漏りを防げるでしょう。
外壁・屋根の補修
窓の近くの外壁や屋根にひび割れが生じて雨漏りが発生している場合、雨水が侵入しないよう屋根の修理やひび割れの補修を行う必要があります。
外壁の塗装を塗り替えるだけでは根本的な解決にならず、塗装が剥がれると再び雨漏りのリスクが再発します。
ですから、ひび割れをきちんと埋める形で補修し、そのうえで塗装を塗り替えて雨漏りの発生を防がなければなりません。
防水シートや防水フィルムの補修
施工不良や経年劣化などにより窓枠やサッシ周りの防水シートや防水フィルムがきちんと設置されていなかったり、劣化していたりしている場合、これらを補修しなければなりません。
しかし、壁の中の状況は分かりづらく、修理するにはサッシ周辺の外壁を一度解体する必要があります。
大掛かりな工事となり、費用もかかってしまいますが、根本的な解消をしなければ同じ症状に何度も悩まされることになるため、よく検討してみましょう。
窓枠・サッシ交換

雨漏りの原因が窓枠やサッシ本体にある場合、それらを交換することで雨漏りの改善が可能です。
窓枠に歪みなどの異常がなければサッシのみの交換で済み、手間もかからず費用も安く抑えられます。
ただし、年数が経っている場合やサッシのサイズによっては、窓枠込みで交換した方が安くなる場合もあるため、プロの業者に相談したうえでベストな対策をとりましょう。
窓枠・サッシからの雨漏りの修理費用の目安

雨漏りが発生した際に気になるのが、業者に修理を依頼したときの修理費用ではないでしょうか。
窓枠やサッシからの雨漏りの修理費用は、雨漏りの原因や修繕を行う範囲によって大きく変わってきます。
コーキングなどの補修であれば1万円〜10万円程度で済ませられる場合もありますが、外壁を解体するなどの大掛かりな修理の場合、100万円を超えるケースもあり、慎重な雨漏り調査が必要です。
火災保険の場合、自然災害が原因の雨漏りは補償しても、経年劣化による雨漏りの申請は通らないケースも多く、早めの発見と修理が大事になってきます。
窓枠やサッシの雨漏りには原因ごとの対策が不可欠

窓枠やサッシの雨漏り対策グッズはホームセンターや通販などでも手軽に手に入れられるため、雨漏りの原因箇所に応じて対策をとってみてください。
ですが、雨漏りは自分で対策しただけでは被害が拡大したり二次被害を引き起こしたりする恐れがあります。
そのため、自分で応急処置を行った後は、なるべく早めにプロの業者に依頼して、雨漏り調査を行い、適切な修理を行なって改善しましょう。