インフルエンサーに依頼する時の注意点|成功の明暗を分ける基本知識

インフルエンサーの影響力を商品PRに生かすインフルエンサーマーケティングが一般的になりつつありますが、注意点を知らないとインフルエンサーマーケティングに失敗してしまうかもしれません。
「これからインフルエンサーマーケティングをしたい」「成功のコツを知っておきたい」と考えている方は、インフルエンサーに依頼する際の基本的なポイントから確認していきましょう。
〈この記事を読んでわかる内容〉
インフルエンサーに依頼する方法の違い
インフルエンサー依頼方法ごとのメリット・デメリット
拡散力を商品PRに活かすインフルエンサーの選び方
炎上などのリスクを回避する方法
インフルエンサーマーケティングの費用
インフルエンサーマーケティングをする際に注意したい内容や知っておきたい内容をまとめました。
インフルエンサーマーケティングとは

インフルエンサーという、インターネット上で強い影響力を持つ人に、商品やサービスをPRしてもらうのがインフルエンサーマーケティングです。
従来のCMや広告とは違い、消費者目線で商品の魅力を伝えられるため、ブランドの認知拡大や購買意欲を上げるためにインフルエンサーマーケティングをする企業が増えています。
インフルエンサーマーケティングは、どんなインフルエンサーでも良いわけではありません。
目的や商品に合うインフルエンサーを選び、きちんと戦略を立てて取り組んでいく必要があります。
インフルエンサーに依頼する方法
インフルエンサーマーケティングの成功を左右するのが、インフルエンサー選びです。
インフルエンサーに依頼する方法は、大きく分けて以下の3つの方法があります。
- インフルエンサー個人に直接依頼する
- インフルエンサーのマッチングサイトを利用する
- インフルエンサーのキャスティング会社に依頼する
これらの方法のメリットやデメリットについても、確認していきましょう。
インフルエンサー個人に直接依頼する

インフルエンサーに連絡を取る手段として、DMやメッセージ機能、記載されている連絡先などへ直接連絡するという方法があります。
企業側でインフルエンサーを選び、依頼、効果測定までを行っていきます。
ただしインフルエンサーによっては、すでにキャスティング事務所などの所属先が決まっており、企業側が希望しても直接やり取りできないケースもあります。
インフルエンサーに直接依頼するメリット
インフルエンサーに直接依頼をすると、このようなメリットがあります。
- コストが抑えられる
- 直接打合せできるので、意向が伝わりやすい
- インフルエンサーを自由に探せる
直接やり取りをするので、マージンがかからず費用が抑えられるというのが大きなメリットです。
またインフルエンサーと直接やり取りができるので、企業の商品に対する情熱や想いを確実に伝えられるのも魅力です。
インフルエンサーに直接依頼するデメリット
一方、インフルエンサーに直接依頼すると、このようなデメリットがあります。
- 一連の流れを全て自社で行う負担がある
- 途中で連絡がとれなくなるインフルエンサーがいる
- 宣伝効果の薄い動画が投稿されてしまう可能性がある
インフルエンサー選びや依頼だけでなく、報酬交渉やPR動画のチェック、必要であれば効果測定までを全て自社で行う必要があり、大きな負担となってしまうかもしれません。
これらの内容を把握し、舵を切ってくれる社員が必要になります。
またPR動画の投稿になれていないインフルエンサーだと、途中で連絡がつかなくなったり、宣伝効果の薄い動画を投稿されるという懸念もあります。
全てのインフルエンサーがそうだとは言い切れませんが、このようなリスクがあると理解しておきましょう。
インフルエンサーのマッチングサイトを利用する

PRの仕事をしたいインフルエンサーと、依頼したい企業とを結ぶマッチングサイトがあります。
インフルエンサーの取り扱いに特化したサイトであるため、効率良くインフルエンサーを探せるというメリットがあります。
どのようなインフルエンサーを探せばいいのかわからないという場合には、まずはマッチングサイトをのぞいてみるといいでしょう。
マッチングサイトを利用する際のメリット
マッチングサイトを利用してインフルエンサーに依頼をするメリットは、こちらです。
- インフルエンサーがタイプ別に選べる
- 直接コミュニケーションがとれる
マッチングサイトでは、ジャンルや年齢層などによりインフルエンサーのタイプを絞り込める機能もあり、イチから探すより効率が良いのは明らかです。
基本的には、企業がインフルエンサーをサイト内で募集して、参加者を募りますので、インフルエンサー探しに苦戦している企業におすすめです。
直接依頼する時のように、インフルエンサーとやり取りができるのもメリットとなります。
マッチングサイトを利用する際のデメリット
マッチングサイトを利用してインフルエンサーに依頼をするデメリットは、こちらです。
- 一連の流れを全て自社で行う負担がある
- マッチングサイト利用料がかかる
インフルエンサーに直接依頼する際と同様に、一連の流れを自社で行う負担があります。
キャスティング会社に依頼するより費用は抑えられますが、直接インフルエンサーに依頼する方法と比較すると、マッチングサイト利用料がかかります。
インフルエンサーのキャスティング会社に依頼する

インフルエンサーのキャスティング会社とは、インフルエンサーの選出から効果測定の分析までをトータル的にサポートしてくれます。
報酬交渉や効果の分析といった対応は代行できるものであり、必ずしも自社で取り組むものではありません。
一連の流れを代行してもらえるので、インフルエンサーマーケティングが初めてでも安心です。
社内にノウハウを持つ社員がいない場合や、炎上といったリスクを抑えたい場合にもおすすめです。
キャスティング会社に依頼するメリット
キャスティング会社を利用してインフルエンサーに依頼をするメリットは、こちらです。
- 一連の流れを代行で任せられる
- 初めてでも効果を得やすい
- インフルエンサーの質が保たれている
- 炎上のリスクを抑えられる
直接依頼する時のように交渉の必要がなく、一連の流れをキャスティング会社に任せられるのが大きなメリットです。
インフルエンサーの質が保たれており、初めてのインフルエンサーマーケティングでも高い効果が期待できます。
キャスティング会社に依頼するデメリット
キャスティング会社を利用してインフルエンサーに依頼をするデメリットは、こちらです。
- 費用がかかる
- 間に人が入るのでイメージが伝わりにくい
インフルエンサーマーケティングを熟知したプロが間に入りますので、その分の費用がかかるのがデメリットです。
キャスティング会社が間に入るため、インフルエンサーに自社の希望が伝わりにくくなる可能性がありますので、しっかりと打合せをしていきましょう。
インフルエンサーに依頼する時の注意点
インフルエンサーマーケティングは、単純にフォロワー数だけを見てインフルエンサーを選ぶと失敗してしまうかもしれません。
これらの注意点を確認しておきましょう。
- PR商品のイメージに合うか
- インフルエンサーの普段の投稿をチェックする
- エンゲージメント率が低いインフルエンサーには注意
- 投稿ルールを確認しておく
- 実際のPR投稿を確認する
- 効果測定を行い継続的な効果を出す
PR商品のイメージに合うか
インフルエンサーマーケティングで最も重要なのは、インフルエンサー選びです。
PRしたい商品やサービスのターゲット層と、インフルエンサーのフォロワー層が合っているかを確認しておきましょう。
SNSの拡散力はパワーのあるものですが、ターゲット層を間違えればフォロワーから見向きもされない投稿に終わってしまいます。
性別や年齢、普段発信しているジャンルやフォロワーからのコメントが参考になるでしょう。
インフルエンサーの普段の投稿をチェックする

インフルエンサーマーケティングの投稿は、インフルエンサーの普段の投稿の雰囲気に合わせておかないと、PR投稿だけ浮いてステマを疑われてしまう可能性があります。
PRしたい商品やサービスのイメージと合っていれば、自然なPRができ、効果が期待できます。
もしそのインフルエンサーが過去にPR投稿をしているのであれば、その投稿もチェックしてみましょう。
過去に炎上してしまっているインフルエンサーなら、依頼を考えた方が無難かもしれません。
PR投稿であっても普段の投稿と同じようにエンゲージメント(リアクション)を得ている場合は、高い訴求力の期待できるインフルエンサーであるといえるでしょう。
エンゲージメント率が低いインフルエンサーには注意
PR投稿の際にエンゲージメント率が極端に低いインフルエンサーは、PR効果が薄いと考えた方がいいかもしれません。
エンゲージメント率とは、いいねやコメントなどの、投稿に反応したユーザーの割合を示すものです。
フォロワー数が多いのにもかかわらずエンゲージメント率が低いと、「フォロワー買い」や「コメント買い」も疑わしくなります。
フォロワー数が多く影響力がありそうに見えても、フォロワーの実態がないというケースもあります。
インフルエンサーを選ぶ際は、効果的な人材を選出するように注意しなければいけません。
投稿ルールを確認しておく
インフルエンサーマーケティングは、投稿は基本的にはインフルエンサーに任せた方が世界観を保った自然な投稿が期待できます。
しかし商品や企業イメージに関わるものですので、ズレが起きるとイメージ回復に時間がかかってしまいます。
さらにステマや炎上といったリスクもありますので、投稿ルールを決めておくと安心です。
NGワードや投稿時間や投稿回数、ハッシュタグの使い方など、最低限のルールを話し合っておきましょう。
実際のPR投稿を確認する
実際のPR投稿が完成したら、投稿前にルールが守られているか、商品イメージを壊すものではないかを確認しましょう。
インフルエンサーは発信力がありますので、望ましくない投稿であっても一度投稿したら拡散されてしまいます。
ルールに沿ったものであっても、投稿内の表現やハッシュタグの使い方など、内容が適切かを客観的に最終チェックしましょう。
効果測定を行い継続的な効果を出す
インターネットマーケティングは、データが重要です。
PR投稿がどれだけ閲覧されたかを知るインプレッション数やエンゲージメント率、実際に売れた商品成約率などのデータを計測します。
さらにSNS上にある消費者の声も集められますので、これらの情報を集めて効果測定に役立てましょう。
インフルエンサーマーケティングの相場

インフルエンサーマーケティングを行う際の費用の相場について、確認しておきましょう。
フォロワーにより単価があり、フォロワー数に応じて費用が増えるのが一般的です。
SNSごとに、このような数字が目安となります。
SNS | 費用の相場 (フォロワー単価) |
YouTube | 3円~5円 |
2円~3円 | |
X(旧Twitter) | 1円~3円 |
TikTok | 1円~4円 |
SNSごとによる大きな違いはありませんが、YouTubeは動画撮影から編集といった手間がかかるので高めの相場となっています。
例えばフォロワー数が100万人のインフルエンサーに単価2円で依頼をすれば、200万円の費用がかかるという計算になります。
インフルエンサーに直接依頼しているのであれば、費用はフォロワー数に応じた分だけですが、マッチングサイトやキャスティング会社を仲介していればさらに手数料などがかかります。
フォロワー単価以外の費用の計算方法
フォロワー数での計算以外にも、このような費用算出方法があります。
- 再生数単価:3~20円/1再生(キャスティング会社利用の一例)
- システム利用料+インフルエンサーへの成果報酬(マッチングサイト利用の一例)
動画の再生回数で費用を決めたり、再生数やフォロワー数に関わらず費用を算出する場合もあります。
インフルエンサーや依頼の方法により、実際の費用は変わってきますので目安として覚えておいてください。
企業イメージに合うインフルエンサーを選ぼう
インフルエンサーマーケティングは、企業が狙いたいターゲット層にピンポイントの宣伝効果が期待できるPR方法です。
企業イメージに合うインフルエンサーを選び、その影響力や拡散力で自社商品がPRできれば大きな効果をもたらしてくれるでしょう。
一方でインフルエンサーマーケティングにはリスクもあります。
インフルエンサー選びを間違えると効果は半減してしまいますし、最悪の場合は炎上といったトラブルにもなりかねません。
フォロワー数やイメージだけでなく、総合的に判断してインフルエンサーを選んでいきましょう。