ヘルメット補助金で購入費用が最大3,000円OFF!選び方も解説

2024年から自転車に乗る全ての人を対象ヘルメットの着用が義務化されたことを受け、ヘルメットの購入を検討している人は多いですよね。
実は、自転車用ヘルメットの購入に、補助金が利用できるのはご存じでしょうか?

当記事では、ヘルメット購入時に利用できる補助金の詳細と、ヘルメットの選び方を解説しているので、自転車用ヘルメットの購入を検討している人は、参考にしてみてください。

ヘルメット補助金とは?

ヘルメット補助金とは、自転車ヘルメットの広い普及を目的に自治体が実施する制度で、自転車用ヘルメットの購入費用の負担を軽減できる補助金です。

例えば、東京都千代田区では、対象店舗で条件を満たすヘルメットを購入する場合、購入費用から2,000円が割り引かれます。
治体ごとに制度の内容や補助金額に違いはありますが、多くの場合、ヘルメット購入時に2,000円~3,000円の補助が受けられるでしょう。

自転車用ヘルメットの努力義務について 

ヘルメット補助金は、2023年4月1日に改正道路交通法が施行されたことで制度が開始されました。
法改正が行われた行われた背景には、自転車事故で亡くなった人の64.9%が頭部に致命傷を負っていること、ヘルメット着用者と未着用者では、致死率が2.7倍差であったことなどが挙げられます。

自転車のヘルメット着用は「努力義務」なので、罰則などは設けられていません

【2023年4月施工】改正道路交通法(自転車の乗車用ヘルメットに関する規定)

道路交通法 第63条の11

第1項
自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。

第2項
自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

第3項
児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。(引用:警視庁

ヘルメット補助金導入の目的

ヘルメット補助金導入の目的は、自転車事故による死傷者の減少や自転車乗車時のヘルメット着用率の向上が挙げられます。

2023年に改正された道路交通法は、自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務になっているため、すぐに大きな効果を得ることは難しいでしょう。
しかし、各自治体が合わせてヘルメットの普及運動や購入促進を行うことで、自転車用ヘルメットの普及率は徐々に向上していくと考えられます。

対象者

ヘルメット補助金の対象になる人は、ヘルメット補助金を実施している自治体に住んでいる人です。

茨城県つくば市のように、自治体によっては補助金の対象となる人の年齢に制限を設けていることがあります。
自分が補助金の対象になるかどうかは、お住まいの自治体のホームページをご確認ください。

児童自転車用ヘルメット購入補助事業の補助対象者(つくば市)
  • 保護者と児童の住民票がつくば市内にある
  • 18歳になった年の3月31日までが対象
  • 市税を滞納していない
  • 過去3年間に補助金の交付を受けていない
    ※補助金の交付に係る児童が異なる場合は、この限りでない

(引用:つくば市

対象製品

ヘルメット補助金の対象となる製品は、一定の安全基準を満たしているヘルメットです。
自治体によっては、購入店を指定していることもあるので、ヘルメット補助金の利用を検討している人は、購入前に確認しておきましょう。

また、対象となるヘルメットは、自転車のものに限定されており、産業用ヘルメット(保護帽)やバイク乗車用ヘルメットは対象になりません

補助金額

香川県では、自転車用ヘルメット補助金の上限を5,000円に定めており、ヘルメットの購入金額が5,000円以下の場合は、購入代金を全額補助してもらえます。
しかし、香川県のように高い補助額を設けている自治体は少なく、多くの場合2,000円~3,000円を上限にしているようです。

また、購入金額の下限を定めている自治体も多いため、購入金額を全額補助してもらえるのは非常にまれといえるでしょう。

申請方法

ヘルメット補助金の申請方法は自治体によって異なり、指定の販売店への申請・自治体への申請の2種類が申請方法として採用されています。
例えば、大阪府和泉市では、4か月検診の通知書に「和泉市幼児用自転車ヘルメット購入助成券」が同封されていて、協力店に助成券を持っていくと、購入金額から補助金額が割り引かれるようです。

申請のタイミングも、購入前に申請をしなければいけない自治体や、購入する際に申請する自治体、購入後に申請する自治体と様々なので、ヘルメットを購入する前にお住まいの自治体のホームページを確認しておきましょう。

自転車用ヘルメットの選び方

自転車用ヘルメットを選ぶときは、5つのチェックポイントがあります。
とくに、ヘルメット補助金を利用する際は、補助金対象となる安全性の優れたヘルメットを購入しなければいけません

ここからは、自転車用ヘルメットの選び方を解説するので、ヘルメット選びに悩んでいる人は参考にしてください。

サイズ

自転車のヘルメットを購入する際は、まず自分の頭にフィットするサイズを確認することが大切です。
頭のサイズを知りたい時は、眉上から耳の上を通り後頭部までの一周をメジャーなどで図り、お店でフィッティングしましょう。

また、ヘルメットはアジアンフィットとヨーロピアンフィット(グローバルフィット)の2種類が展開されていることが多く、日本人は丸い頭の形をしているので、アジアンフィットを選ぶのがおすすめです。

重さ

重すぎるヘルメットは、首や肩に負担が掛かるため、長時間の着用には向きません。
タウンユースのヘルメットであれば、300g以下のものを選ぶのがおすすめです。

ちなみに、自転車用のヘルメットの一般的な重さは300gで、250gで軽量、200gで超軽量といわれています。

デザイン

自転車用ヘルメットは、スポーティーなデザインのヘルメットやおしゃれなヘルメット、帽子のようなヘルメットまで、様々なデザインのものが販売されています

自転車のデザインや好みのテイスト、着用シーンに合わせてヘルメットを選びましょう。
例えば、通勤用に着用するヘルメットを購入するならシンプルなデザイン、ロードバイクに乗る人にはスポーティーなデザインのヘルメットがおすすめです。

安全性

自転車用のヘルメットを購入する際は、ヘルメット補助金の対象となる安全性の高いものを選ぶ必要があります。
ヘルメット補助金の対象となる安全性基準は自治体によって異なりますが、これから紹介する6つのマークを取得しているヘルメットであれば、補助対象となる可能性が高いです。

安全性の高い自転車用ヘルメットを購入したい人は、ぜひ6つのマークをチェックしてみてください。

SGマーク

SGマークは、一般財団法人製品安全協会が定めた安全基準・製品認証・事故賠償に適合している製品にのみ表示が許されているマークです。
実用性と安全性を重視して基準を定めていて、事後の原因となる誤使用の予防にも力を入れています。

万が一SGマークのついた製品が原因でトラブルが起きたら、被害を賠償する制度も付与されているため、安心して使用できるでしょう。

SGマーク制度について
  • 安全基準
    消費生活用製品の安全性品質・使用上の注意事項等に関する基準(SG基準)の策定
  • 製品承認
    SG基準に基づく認証及び認証済み製品への表示(SGマーク)の許可
  • 事故賠償
    SGマーク付き製品の欠陥による人身事故に対する賠償措置の実施

(引用:一般財団法人製品安全協会

CEマーク

CEマークは、EU加盟国の安全基準を満たす製品に表示が許されたマークで、産業用製品から消費用製品にまで、幅広い製品に認証を行っています。
EAA(ヨーロッパ経済領域)やトルコ、スイスで販売される製品には、必ず取得が義務つけられており、CEマークは信頼のマークとして認知されているようです。

CEマークは、製品カテゴリーごとにナンバリングされていて、自転車用ヘルメットとして認証されている製品には、EN1078の番号が記載されています。

JCFマーク

JCFマークとは、日本自転車競技連盟(JAPAN CYCLING FEDERATION)に認められたヘルメットに与えられるマークで、JCE公認ヘルメットとJCF推奨ヘルメットの2種類があります。
JCF公認ヘルメットに認定されているヘルメットは、日本自転車競技連盟やその加盟団体が主催する大会の指定ヘルメットとしても使用可能です。

日本自転車競技連盟(JAPAN CYCLING FEDERATION)は日本の公益財団法人なので、日本で正規に販売されている製品にしか貼り付けされていません。

PSCマーク

PSCマークは、Product(製品)・Safety(安全)・Consumer(消費者)の頭文字から作られたマークで、国が定める技術基準を満たす製品につけられます

PSCマークのついている製品に何らかの欠落やトラブルが発生した場合、主務大臣による命令や立ち入り検査が行われ、製造元や販売元は必要に応じた措置をとらなくてはいけません。
これらの決まりに違反した場合、1年以下の懲役または、100万円以下の罰金に処されます。

MIPSマーク

MIPSとは、The Multi-directional Impact Protection Systemの頭文字を取ってできた言葉で、多方向衝撃保護システムを意味します。
MIPSマークがあるヘルメット内部には、前後左右に動くレイヤーが入っていて、転倒や自転車事故によって頭をぶつけてしまっても、レイヤーが動くことで脳へのダメージを軽減してくれるのです。

より安全性の高いヘルメットを購入したいという人は、ぜひチェックしてください。

価格

ヘルメットの値段はピンからキリまで、安いものは2,000円で購入できますが、高いものになると40,000円超えるものも珍しくありません。
タウンユースのヘルメットであれば、2,000円~6,000円の製品が一般的ですが、軽量タイプのものや、被り心地のいいもの、性能が優れているものは10,000円程度かかるでしょう。

ヘルメットを購入するときは、ヘルメットに関する優先順位とだいたいの予算を決め、実際にフィッティングしながら決めるのがおすすめです。

ヘルメットを使用するメリット

引用:https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/bicycle/head-on-collision

ヘルメットを装着することで、万が一の際に死亡事故から自分や子供を守ることができます

上記の画像は、JAF(日本自動車連盟)が行った自転車の衝突事故のシミュレーション結果で、ヘルメットをしていないダミー人形には、ヘルメットをしていたダミー人形の17倍の衝撃が加わっていました。
また、警視庁でも「ヘルメットをしないと死亡率が3倍になる」という啓蒙活動をしており、ヘルメットのありなしが生死を分けることになるでしょう。

HICとは

衝撃による頭へのダメージを表す数値のことをHICと呼びます。

幼児はHICが570以上、成人は700以上の場合、頭蓋骨骨折になる可能性が非常に高いです。
700~2,500に達すると死亡する可能性が高まるといわれています。

ヘルメットの正しい着用方法

せっかくヘルメットを購入しても、正しく着用しなければ効果を十分に引き出せません
ヘルメットの正しい着用には、適切なサイズのヘルメットを用意することが大切です。

自分の頭にぴったりのヘルメットを用意して、以下の手順通りヘルメットを着用してみましょう。

  1. ヘルメットが眉毛のすぐ上にくるようにまっすぐ被る
  2. 顎のバックルを占める
  3. 顎と顎紐の間に、指1本分の隙間ができるように調節する

自転車に乗るときはヘルメットを正しく付けて危険から身を守ろう

当記事では、ヘルメット補助金や自転車用ヘルメットの選び方、ヘルメットの正しい着用方法を解説しました。

自転車死亡事故の大半は、ヘルメットを着用していなかったせいで最悪の事態に陥っているといわれています。
自転車は、常に危険と隣り合わせの乗り物であることを忘れずに、安全運転やヘルメットの着用を心掛け、危険から身を守りましょう。