チャットボットのAPI連携とは？活用シーンや利用のメリット

API連携とは、アプリケーションやシステムで機能を連携し、拡張させる技術です。

わかりやすく説明すると、2つのプログラムを繋いで活用する技術です。

チャットボットは、自社サイトに導入しただけでは「チャットボットがあまり使われていない」という失敗を招いてしまうケースがあります。

もし自社サイトよりも公式LINEからの問い合わせが多いようであれば、チャットボットを設置すべきなのは公式LINEかもしれません。

チャットボットAPI連携のポイントは、どんなツールと連携するかです。

チャットボットAPI連携の具体的な活用ではどんなシーンがあるのか、導入の目的に合った連携ツールや選び方など、API連携の基本についてまとめました。

チャットボットのAPI連携とは

APIとは、Application（アプリケーション） Programming（プログラミング） Interface（接点）の頭文字をとった言葉で、2つのソフトウェアやプログラムを繋ぐという意味があります。

チャットボットのAPI連携とは、チャットボットと外部ツールを連携させる技術です。

例えば、「チャットボットとLINEをAPI連携する」「チャットボットとChatGPTをAPI連携する」というように、外部ツールと連携をする技術です。

チャットボットのAPI連携により、チャットボットの利用ハードルが下がりますので、ユーザーにとっても企業にとっても、利便性がより高くなっていくといえるでしょう。

チャットボットAPI連携の活用シーン

チャットボットAPI連携の具体的な活用シーンをご紹介します。

誰とどのような目的でチャットボットを利用するかにより、適切な連携ツールを選んでいきましょう。

• LINEやFacebookなどのメッセージングアプリに連携
• Microsoft TeamsやSharePointなどの社内ツールに連携
• ChatGPTと連携
• チャット利用の履歴を外部システムに送信
• データベースとの連携

LINEやFacebookなどのメッセージングアプリに連携

一般消費者や顧客向けのチャットボットであれば、
LINEやFacebookといったメッセージングアプリと連携するといいでしょう。

普段使い慣れたコミュニケーションツールを使うと、利用ハードルが下がるのでスムーズに顧客とのコミュニケーションがとれます。

XやInstagramといったSNSとの連携も可能なので、顧客ユーザー層や企業のカラーに合わせてAPI連携を活用するといいでしょう。

例えば、InstagramとチャットボットをAPI連携すれば、DM上でチャットボットと会話をしながらショッピングができます。

深夜の対応も可能なので、DM上で迅速なやり取りができれば購買率の向上が期待できます。

時代の変化とともに電話問い合わせに抵抗がある顧客が増えていますので、このようなメッセージングアプリとの連携は成果が期待できます。

Microsoft TeamsやSharePointなどの社内ツールに連携

社内のヘルプデスクやFAQのチャットボットであれば、Microsoft TeamsやSharePointといった社内ツールと連携するといいでしょう。

社内ツールは新しいものを使うのではなく、普段使い慣れたものを選ぶと、利用ハードルが下がり、チャットボットを活用しやすくなります。

社内からの質問や問い合わせがチャットボットに蓄積されていくと、日々の業務の改善点が把握できるようにもなるでしょう。

またAIチャットボットが社内ツールにアクセスをし、データの更新やタスク管理を行うという使い方もあります。

ChatGPTと連携

ChatGPTとチャットボットをAPI連携させると、ユーザーが求める情報を正確に提示できるようになります。

チャットボットだけでは用意された回答が不十分な場合もあるかもしれませんが、ChatGPTと連携していれば顧客からの問い合わせを自動解析し、適切な回答ができます。

カスタマーサポートの問い合わせ自動化はもちろん、社内ツールやユーザデータの分析、営業サポートといった活用がおすすめです。

チャット利用の履歴を外部システムに送信

チャットボットで回答しきれずに有人対応をする場合は、ユーザーがチャットボットとどのようなやり取りをしたかを適切に引き継がなくてはいけません。

オペレーターにつながってから、同じやり取りが必要だとユーザーのストレスになってしまう可能性もあります。

チャットボットとコールセンターをAPI連携すると、チャットボットの利用履歴をコールセンターに送信できるようになります。

データベースとの連携

チャットボットとデータベースをAPI連携させると、ユーザーが求める情報の答えが瞬時にわかるようになります。

具体例としては、書店の在庫を調べる、顧客情報を調べる、などが挙げられます。

データベースと連携されていれば、正確な最新情報がスピーディーにわかるようになります。

データベースのデータを検索し回答として返す、またAPIを通してデータベース情報の追加や削除、更新もできます。

データベースの機能をスマホやアプリケーションから利用できるようになるのも、メリットのひとつといえるでしょう。

チャットボットAPI連携のメリット

チャットボットをAPI連携すると、以下のようなメリットがあります。

• ユーザーの利便性向上
• 開発・構築の効率化
• 利用開始までの期間・コスト削減

ユーザーの利便性向上

チャットボットをAPI連携する最も大きなメリットは、ユーザーの利便性向上です。

自社サイトにのみチャットボットが設置されていても、なかなか使われないかもしれませんが、LINEなどの使い慣れたツールでチャットボットが使えれば手軽に利用できます。

チャットボットを導入するには時間も費用もかかりますが、使われなければ導入のための時間や費用が無駄になってしまいます。

API連携によりユーザーの利便性を向上させると、チャットボットの利用率が上がり、業務の効率化につながります。

一方、利便性が悪くチャットボットを設置したにも関わらず利用されずにいると、業務は逼迫した状況が続き、チャットボット導入そのものを疑問視されてしまう可能性があります。

開発・構築の効率化

API連携をしないチャットボットの開発は、専門知識が必要なので人材を探したり、アウトソーシングをする場合が多いです。

ゼロからチャットボットを開発するよりも、API連携をする方が開発や構築の手間がかかりません。

API連携はプログラミングの必要がないので、工数が少なくすみ、効率よく開発を進められます。

チャットボットの開発が導入のハードルになる場合が多いので、開発・構築の効率化が期待できるのはAPI連携のメリットとなります。

利用開始までの期間・コスト削減

API連携をしないチャットボットよりも、開発工数が少ないためスムーズに利用が開始できます。

チャットボットの導入期間は数ヶ月かかる場合もありますが、API連携する場合は利用開始までの期間もコストも削減させられます。

「導入のスケジュールがタイトである」「導入の初期費用がネックになっている」という場合は、API連携のチャットボットを検討するといいかもしれません。

チャットボットAPI連携の活用ポイント

API連携したチャットボットを活用していくためには、以下のようなポイントを確認しておきましょう。

• 利用目的を明確にする
• 設置場所を決めておく
• 操作性を確認する

利用目的を明確にする

チャットボットでAPI連携をする前に、利用目的を明確にしておきましょう。

顧客からの問い合わせ目的なのか、マーケティング支援なのか、という目的が明らかになると、どのようなツールと連携すべきかも決まってきます。

例えば、問い合わせのための間口を広く準備しておくのであれば、LINEなど利用者が多いツールと連携するといいでしょう。

マーケティングが目的なら、顧客情報とチャットボットとのやり取りを一元管理できるものが望ましいです。

社内利用が目的であれば当然、連携ツールは変わります。

まずはチャットボットの利用目的を明確にするのが、導入前の最初のステップです。

設置場所を決めておく

API連携したチャットボットは、設置できるプラットフォームが限られている場合があります。

自社サイトなのか、LINEなのか、Facebookなのか、チャットボット導入の目的に合わせて、設置場所を検討していきます。

より顧客に認知されやすく、チャットボット利用のハードルが低い場所は、どこでしょうか。

まずはチャットボットを利用してもらわなければ設置の意味がありませんので、活用しやすい場所を選んでおく必要があります。

販売促進につなげるのであれば、オンラインショップやアプリ内に設置するといいでしょう。

購入履歴やお気に入り商品を把握し、個別化されたサービスの提供ができるようになります。

操作性を確認する

チャットボットAPI連携をする際には、操作性も確認しておきましょう。

どんなに高機能なチャットボットを導入したとしても、操作性が悪ければユーザーは離れていき、利用してもらえなくなってしまうかもしれません。

ユーザーは、インターネットで情報収集をする行為になれているので、欲しい情報が得られなければすぐに離脱してしまいます。

API連携したチャットボットをうまく活用できれば、ライトユーザー層、意思決定前のユーザーの取りこぼしを防げるはずです。

操作性を確認し、ユーザーの顧客体験向上につなげます。

チャットボットAPI連携の注意点

• チャットボットの知識が必要
• セキュリティに配慮する
• コストや使用制限を確認する

チャットボットの知識が必要

チャットボットAPI連携は、導入した後に使いこなしていけるかが重要です。

API連携した方が導入費用が抑えられると先述しましたが、API実装を自社で行う必要があります。

そのため社内にITスキルのある人材が必要で、問い合わせ内容やシナリオは自社で作成していきます。

IT関連の知識を持つ人材が少ないのであれば、サポートが充実したチャットボットサービスを選ぶのがおすすめです。

チャットボットAPI連携は、低コストで運用開始できますが、専門知識が必要です。

セキュリティに配慮する

外部サービスとの連携をするAPIでは、セキュリティへの配慮が必要です。

ユーザーの個人情報を扱う場合はもちろん、チャットボットなりすましの懸念もあります。

セキュリティ対策が甘いと、ユーザーが悪質なリンクへ誘導されてしまったり、チャットボットが入り込んで機密情報を盗まれてしまうかもしれません。

クラウド型チャットボットの場合は、他社と同じサーバーを使用するためセキュリティ面ではスペシャリストによる対策が必須です。

コストや使用制限を確認する

API連携の外部サービスは、それぞれコストが異なり、使用制限に関する規定も違います。

例えば、LINEのチャットボット連携はフリープランという無料プランがありますが、メッセージの上限が決められています。（参照：LINE ヤフー For Business）

このように一定量を超えると追加料金がかかるという場合もありますので、想定外のコストがかからないかという点も重要になります。

API連携前に適切な想定ができれば理想的ですが、実際に運用してみると想定外の事態が起こる場合もあるでしょう。

実際に利用した後の使用制限やコストに、どのような選択肢があるのかを事前に確認しておくと安心です。

自社に合うチャットボットAPIを選ぼう

チャットボットのAPI連携とは、外部サービスと連携させる技術です。

カスタマーセンターでの顧客対応、マーケティングや社内の問い合わせ対応といった、多様なシーンで活用が可能です。

まずはどのような目的でチャットボットAPI連携をするのかを、考えてみましょう。

操作性やユーザー目線での利用しやすさを考慮し、抵抗なくチャットボットを利用できるような環境作りも大切です。

チャットボットをAPI連携させると、ユーザーの利便性が向上しますので、顧客満足度向上といった成果が期待できます。

自社に合う連携ツールを選び、しっかりとチャットボット導入の成果を出していけるようにしたいものです。