チャットボットのUI設計とは?デザインのポイントと改善の手順|チャットボット ui

「チャットボットを導入したけど、なぜか成果が感じられない」と悩んではいませんか?

チャットボットの利用率を上げるためには、チャットボットUIの改善が必要かもしれません。

チャットボットのUI改善とは、レイアウトやデザインを見直し、操作性の高いものに改善させていくことです。

チャットボットのデザインのポイントや、どのようにUI改善をしていくのかという手順についてお伝えします。

チャットボットを利用するユーザー目線で、どのようなチャットボットが使いやすいかを、今一度考え直してみましょう。

チャットボットUIの基礎知識

  • チャットボットUIとは
  • なぜチャットボットUIの改善が必要なのか

チャットボットUIとは

チャットボットUIとは

チャットUIの「UI」とは、User Interface(ユーザーインターフェース)という言葉からきていて、ユーザーとサービスを繋ぐ接点という意味があります。

チャットボットの場合は、レイアウトやデザインを指します。

レイアウトやデザインだと、「ロゴがかわいいか」「ポップな色合いを使っているか」という見た目のデザイン性をイメージするかもしれませんが、UI設計とはデザイン性だけではありません。

UI設計とは目的やニーズに合わせて情報や機能を伝えていけるかという、操作性も求められています。

ユーザーにストレスなくチャットボットを使ってもらうための、総合的な設定だと考えておきましょう。

なぜチャットボットUIの改善が必要なのか

チャットボットUIの改善が必要な理由は、主に利用率の増加のためと、ユーザー満足度の向上のためです。

チャットボットUI改善をすると、これらのような変化が期待できるでしょう。

チャットボットの利用率増加

チャットボットUIが優れていると、ユーザーにとって使いやすいツールとなり、繰り返し利用されるようになります。

チャットボットそのものが「使いにくい」「期待通りの答えが得られない」という設計だと、ユーザーはチャットボットを使いません。

チャットボットの利用率が増加すると、行動・意思決定前のユーザーの取りこぼしが減少し、CVR率が向上していくでしょう。

カスタマーセンターなどの顧客対応の負担が減少し、
業務の効率化が期待できます。

ユーザー満足度の向上

チャットボットが直観的で使いやすく、ストレスなく利用できるツールになると、ユーザーの利用体験が向上します。

24時間365日、時間を問わずに高いクオリティの対応ができますので、ユーザー満足度も向上していくでしょう。

繰り返しサービスを利用してもらえるようになると、
長期的なビジネス成果へと繋がります。

一方、チャットボットUIが悪いとユーザーの離脱率が上がり、ビジネス機会の損失になりますので、チャットボットの成果が感じられない場合はUI改善を検討していきましょう。

チャットボットUIのデザインのポイント

チャットボットUIは、どのように改善させればいいのでしょうか。

以下のようなデザインのポイントを、意識してみましょう。

  • 直観的に操作できるようなデザイン
  • スムーズな対話とコミュニケーション
  • ユーザニーズに合わせる
  • ユーザー属性に合わせる
  • ABテストで検証する
  • 導入後も改善していく

直観的に操作できるようなデザイン

チャットボットUIデザイン

チャットボットUI改善のポイントは、ユーザーが
直観的に操作できるようにするという点です。

操作をするのに、迷ってしまう、悩ませてしまうようなチャットボットでは、ユーザーの離脱率が高くなってしまうでしょう。

色やアイコンは分かりやすく、フォントを適切なサイズにして見やすさを追求します。

直観的に操作できればユーザーはストレスなく、欲しい情報を得られるようになるでしょう。

入力フィールドのデザイン

ユーザーが直接文字を入力する場所である入力フィールドは、チャットボットで重要な場所です。

マウスや指で簡単に操作ができるのはもちろん、複数行の入力の場合でも見やすく、編集しやすい設計にしましょう。

改行できない、横に広がってしまう、という入力フィールドだと、見にくく、操作しにくいのでユーザーのストレスになります。

送信ボタンのデザイン

チャットボットは短い会話でテンポ良くコミュニケーションがとれるのが、魅力のひとつです。

送信ボタンがわかりにくい、押しにくい、というような状況では、ユーザーのストレスになってしまうでしょう。

わかりやすく設定された「送信ボタン」が必要です。

ユーザーがEnterキーのようにわざわざマウスでクリックしなければならないというような送信ボタンは、改善の必要があります。

吹き出しのデザイン

チャットボットは画面上での会話となりますので、会話が続くと画面が見にくくなってしまう懸念があります。

そのため、ユーザーのメッセージと他者のメッセージを区別しやすくしておく必要があります。

一般的には、送信者と受信者で吹き出しの色を変えて、一目で会話の流れがわかるようにされています。

また吹き出しのデザインは背景の色味や雰囲気にマッチするようなタイプを選びます。

吹き出しは会話の速さや勢い、声の大きさをも表現できるツールなので、語調と違和感がない形を選ぶと自然なコミュニケーションを演出できるでしょう。

タイムスタンプの有無

タイムスタンプとは、インターネット上の取引や手続きが行われた時間を示すものです。

チャットボット上にタイムスタンプが残されていると、後でデータが必要になった時に便利です。

後のユーザーからの問い合わせで見返す場合もありますし、データ分析の際にも役に立つでしょう。

タイムスタンプやユーザーIDやデバイス情報といったデータは、何を残すべきかを事前に確認しておきましょう。

アバターのデザイン

チャットボットUIアバター

アバターとは、チャットボットの画面のやり取り上で使う、キャラクターやアイコンです。

チャットボットは直接人間が対応しているわけではありませんが、アバターを用いるとコミュニケーションの相手を連想させます。

ロボットの顔をアバターとして用いるのか、女性オペレーターのイメージ画像をアバターとして用いるのかで、ユーザーに与える印象が異なります。

タイピングインジケーターの有無

タイピングインジケーターとは、メッセージが入力中であるとユーザーが認識できるツールです。

相手が返事を入力していると認識できるので、返信の準備が進んでいるとユーザーに理解してもらえます。

タイピングインジケーターがないと、「ただ待たされている」と感じてしまうかもしれません。

またメッセージを同時に送信してしまい、会話が噛み合わなくなるという混乱を防げるようになります。

スムーズな対話とコミュニケーション

チャットボットからの回答文章が不自然だと、会話がスムーズに進行せずに信頼関係が築けません。

会話が途切れてしまう、機械的で違和感がある、というコミュニケーションだと、ユーザーの離脱率が高くなってしまいます。

より人間の対応に近い、フレンドリーでスムーズな対話ができるようにしましょう。

ユーザニーズに合わせる

チャットボットUIの改善には、フィードバックやパターンの分析データが役立ちます。

ユーザーにどのような機能が好まれているのか、どのような言葉が使われているのか等の分析をし、より使いやすく改善させていきます。

ユーザーのニーズや好みに合わせて改善していくと、チャットボットの利用率増加とユーザーの満足度向上が期待できます。

ユーザー属性に合わせる

チャットボットを利用するユーザーの属性を考慮すると、UI改善点がみえてくる場合もあります。

例えば年配の方が多ければ、フォントサイズや配色の配慮が変わり、シンプルなUIが好まれるでしょう。

パソコンで利用するのか、スマホで利用するのかという使用媒体への対応も必要です。

ABテストで検証する

チャットボットABテスト

ABテストとは、複数の異なる表現を用意し、どれが最も成果があるかを比較するテストです。

異なるデザインのチャットボットを実際にユーザーに試してもらい、より効果的かをテストします。

テスト要素以外のUI設定は揃えておかないと、正確なテストができませんので注意しましょう。

同時期にテストを実施すると、季節やイベントによる顧客数の変化といった要因に左右されずに検証ができます。

実際の顧客から集めたデータとなりますので、チャットボットのUI改善を効率的に進めていけるようになるでしょう。

導入後も改善していく

チャットボットは導入して完成ではなく、その後の改善が重要です。

ユーザーの反応やフィードバックといった、利用データを継続的に分析していきます。

導入段階ではチャットボットの利用率が低い場合もありますので、必要に応じたUI改善をしていかなくてはいけません。

導入しても使われていない機能はないか、なぜ離脱率が高くなってしまうのか、目標の数値は達成されているか、を検討し、ユーザーニーズに合わせた対応をしていきましょう。

チャットボットUI改善の手順

チャットボットUI改善の手順

チャットボットUI改善を進めていくための具体的な手順はこちらです。

スムーズに進めていくために、ひとつひとつのステップに丁寧に取り組んでいきましょう。

  1. 課題を明確にする
  2. 課題がUIにより改善できるかの検討
  3. 解決策をデザインにしていく
  4. 実装して検証する

1)課題を明確にする

まずはチャットボットの現状の課題を、全て明らかにします。

UI改善で修正できるのか、というような内容は考えずに、まずは課題を洗い出すようにしましょう。

よくあるチャットボットの課題には、このような項目があります。

  • トンマナがユーザー属性とマッチしていない
  • 会話の流れが不自然
  • 利用媒体との幅が合わず見にくい
  • レスポンシブ非対応である
  • そもそも設置場所が間違っている
  • キャラクターが浮いている

分析データやユーザーからのアンケートだけでなく、チャットボット担当者やオペレーターからの意見も参考にしてみましょう。

2)課題がUIにより改善できるかの検討

課題が全て洗い出されたら、UI改善できるかの検討をしていきます。

チャットボットのデザインや設置場所を再検討し、ユーザーの目に付きやすいように改善させていきます。

トンマナやキャラクターは、ユーザー層に合わせたものを考えてみましょう。

UI改善の目的は、チャットボットを利用しやすくし、ユーザーの満足度を向上させるという点です。

3)解決策をデザインにしていく

効果的なデザインは、チャットボットの成功に大きく影響します。

ユーザーを惹きつける視覚的な魅力はあるか、使いやすさとのバランスがとれているかを意識しましょう。

ナビゲーションはわかりやすくシンプルに、直観的に操作できるボタンの設置、色使いやフォントはユーザーに合っているか、という改善点を、具体的なデザインにしていきます。

見た目のデザインだけでなく、チャットボットの肝ともいえる会話デザインも見直してみましょう。

ユーザーの質問に迅速に答えを提示し、さらにサイト内の回遊率が高まるようなアプローチを考えてみると、ユーザーとのタッチポイントを増やせます。

4)実装して検証する

最終段階として、実装したチャットボットを検証します。

ユーザー体験と技術的な側面の双方を考慮しなければいけません。

チャットボットは実装し、運用してみて、継続的に改善を行う必要があります。

さらに不具合が見つかれば最適化させ、ユーザーにとって価値のある体験になるよう改善を繰り返していきます。

チャットボットのUI設計を見直そう

「チャットボットを導入したのに利用率が上がらない」「期待した成果を感じられない」という場合には、チャットボットのUI改善を検討しましょう。

チャットボットのUI改善は、企業にとっても、ユーザーにとってもメリットがあります。

ユーザーは企業のサービスや商品についての疑問をスピーディーに解決できますし、企業は問い合わせ対応の時間と手間を削減できます。

そのような成果を出すには、まずはチャットボットを利用してもらわなくてはいけません。

チャットボットにはファーストビューが重要で、直観的に「使ってみたい」「これなら使えそう」と思ってもらうのが最初のステップであるといえます。

チャットボットのUI改善により、チャットボットの成果を上げていけるようにしましょう。