【初心者必見】バイクのオイル交換のやり方とは? | 手順と注意点をわかりやすく解説

バイクにとってオイル交換は、パフォーマンスを左右する重要なものの1つです。定期的に交換しないと、バイクが不具合を起こす可能性があります。
一方で、実際にやろうとすると難しく感じられ、バイクショップなどの専門店に任せている人も多くいます。
バイクのオイルは自分でも交換が可能です。道具を揃え、手順を守れば簡単にできるでしょう。この記事では「バイクのオイル交換のやり方」を紹介しています。
「オイル交換に必要な道具」や「交換時の注意点」も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
バイクのオイル交換で知っておくべき基礎知識

バイクのオイルを交換するために、まずは基礎知識として以下を知っておきましょう。
- エンジンオイルの役割
- オイル量の状態が悪いと不具合が起こる
- オイル交換のタイミング
エンジンオイルの役割
エンジンオイルは、エンジンをスムーズに動かすために不可欠です。以下のように金属同士の摩擦を減らし、エンジン内部をクリーンな状態を保ってくれます。
- 潤滑:パーツ同士の摩擦を減らす
- 冷却:エンジン内部の熱を吸収してオーバーヒートを防ぐ
- 洗浄:細かい金属片や汚れを取り込んでエンジン内を洗う
- 防錆:各パーツに錆が発生するのを防ぐ
エンジンを守ってくれているのがわかります。エンジンオイルが古くなると、上記の役割を果たせなくなり、バイクの性能が大きく落ちてしまうのです。
そのため、古くなったオイルを新しいものと交換する必要があります。
オイルの状態が悪いと不具合が起こる
エンジンオイルは、状態を常に確認しておく必要があります。もし以下のような状態だと、エンジンに深刻なダメージを与える可能性があるためです。
- エンジンオイルの量が不足している
- エンジンオイルが著しく汚れている
オイルが少ないと、パーツ同士の摩擦が増えてエンジン内の温度が異常に上昇し、最悪の場合エンジンが焼き付く可能性があります。
オイル交換のタイミング
オイル交換は定期的に行う必要がありますが、最適なタイミングはバイクの使用頻度や環境により異なります。
ただし、一般的には走行距離が3,000km~5,000kmごとに交換するのを推奨されています。また、走行していなくても経年劣化が起こるため、少なくとも年に1度は交換するようにしましょうしましょう。
目視してオイルが黒くなったり、粘度が低下したりしていたら、交換時期が近づいているサインです。
バイクのオイル交換に必要な道具

バイクのオイル交換には、以下の道具が必要です。交換前にまず一通り揃えておきましょう。
- 新品のエンジンオイル
- ドレンワッシャー
- オイルジョッキ
- 廃油BOX
- オイルフィルター
- パッキン
- 工具
- クリーナー
新品のエンジンオイル
まず、新品のエンジンオイルを用意します。様々なメーカーから販売されているため選ぶのが難しいのですが、自分のバイクにあったものを選んでください。粘土などメーカーから指定があるのなら、必ず守りましょう。
選び方に失敗すると、エンジンに負担がかかってしまう可能性があります。特に四輪車用と間違えないよう注意が必要です。
ドレンワッシャー
ドレンワッシャーは、オイル漏れを防ぐためのパーツです。古いワッシャーはオイル漏れの原因になるため、オイル交換時に新しいものに交換するようにしましょう。
オイル交換ごとに交換する消耗品なので、個数が多く入っているものを選ぶと1本あたりのコストを下げられます。
オイルジョッキ
オイルジョッキは、新しいオイルをエンジンに注ぐ際に使用します。目盛りがついていると量がわかりやすいので、できるだけ目盛りのあるタイプを選びましょう。
オイルジョッキがあると注入をスムーズにでき、こぼすリスクも少なくなります。
廃油BOX

使用済みのオイルを保管・処理するために、廃油BOXも揃えましょう。内側にビニールのついた箱にオイル吸収用の綿が詰まっています。天ぷら油を捨てられる容器をイメージするとわかりやすいでしょう。
廃油BOXに捨てた後は、住んでいる自治体の決まりに従って廃棄してください。
オイルフィルター
オイルフィルターはエンジン内の不純物を捕まえ、オイルを清潔に保つ役割を果たすパーツです。交換はオイル交換と同時にすると良いでしょう。
車種によって適合するサイズが異なるため、適合しているものを選んでください。
パッキン
パッキンは、オイルフィルターを固定するためのパーツです。こちらも少しずつ劣化していくので、オイルフィルターと一緒に交換しておくと手間がかかりません。
工具
オイル交換には様々な工具が必要です。以下のものを揃えましょう。
- ゴム手袋(グローブ)
- ウエス(布)
- スパナ
- ソケット
- ソケットレンチ
- フィルターレンチ
- エクステンション
- トレイ
- メガネレンチ
ドレンボルトを外すためのレンチやソケット、オイルフィルターを交換するためのフィルターレンチが必要になります。外したボルトを無くさないように、トレイもあると便利です。
クリーナー
オイル交換時にエンジンや周囲が汚れることがあります。クリーナーがあれば綺麗にできるので、念のため用意しておくと良いでしょう。
ついでにバイクも掃除できるメリットもあります。
バイクのオイルを交換する前にチェックしておくべきポイント

バイクのオイルを交換する前に、以下の3つのポイントはチェックしておきましょう。ミスを減らし、スムーズに作業ができるようになります。
- オイルがバイクに合っているか
- オイル交換にどれくらいの量のオイルが必要か
- ドレンボルトの位置を確認する
オイルがバイクに合っているか
オイルが自分のバイクに合っているかは、必ず確認してください。メーカーが推奨する仕様に合ったオイルを使いましょう。迷った際は純正オイルを使うのをオススメします。車両は基本的に自社製のエンジンオイルで開発されているためです。
もし、適合しないオイルを使ってしまうと、エンジンが損傷する可能性があります。乗り手にも危険なので、バイクに適合しているかどうかは必ずチェックしたいポイントです。
オイル交換にどれくらいの量のオイルが必要か
オイル交換を行う前に、必要なオイルの量も調べておきましょう。バイクの種類はもちろん、年式によっても必要な量が異なるためです。
オイル注入口の近くに記載があるので、確認してください。
ドレンボルトの位置を確認する
オイルを交換する際には、ドレンボルトの位置を事前に確認しておくのも大切です。古いエンジンオイルを抜くための排出口を塞いでいるボルトなので、場所を知っているとスムーズに作業を進められます。
位置はバイクのモデルによって異なるため、整備マニュアルで確認しておきましょう。
バイクのオイルを交換する手順

オイルを交換する道具が揃ったら、いよいよ交換します。以下の手順で進めてください。
- エンジンを暖機する
- サイドスタンドを立てる
- ドレンボルトの下に廃油BOXを置く
- 古いオイルを抜く
- ドレンワッシャーを新品に交換してドレンボルトを締める
- 新品のオイルを規定量だけ入れる
- エンジンをかけてオイル漏れがないかを確認する
Step1.エンジンを暖機する
エンジンを交換する前に、まずエンジンを少し温めておくと良いでしょう。オイルが柔らかくなり、抜くのが楽になります。バイクを2分~5分程度アイドリングするだけでOKです。
あまり温めすぎると、火傷の危険性があります。注意しましょう。
Step2.サイドスタンドを立てる
次に、バイクを安定させるためにサイドスタンドを立てます。センタースタンドでもOKです。作業中の安全を確保でき、バイクが倒れるリスクを避けられます。
Step3.ドレンボルトの下に廃油BOXを置く
次に、ドレンボルトの下に廃油BOXを設置してください。位置が正確でないと、オイルがこぼれてしまいます。
ドレンボルトの位置を確認し、真下に置きましょう。
Step4.古いオイルを抜く

廃油BOXを設置できたら、次にドレンボルトを外してオイルを輩出します。反時計回りに回すと緩められるでしょう。漏れないようにしっかり締まっているので、以下の流れでやってみてください。
- メガネレンチかソケットレンチで緩める
- 指で回せるくらいになったら、ゆっくり緩める
この際、ドレンボルトを落とさないように注意しましょう。エンジンを暖機しておくと、スムーズにオイルが流れます。もし流れが止まりそうになったら、2回~3回セルを回してエンジンを動かし、車体を垂直にして残っているオイルを排出してみてください。
Step5.ドレンワッシャーを新品に交換してドレンボルトを締める
ドレンボルトを抜いたら、ドレンワッシャーも新しいものと交換しましょう。ついでにドレンボルトとその周りを綺麗にしておくと、お手入れにもなって効率的です。
特にドレンボルトに汚れが付着していると、せっかくの新品オイルが汚れてしまうので、オイルクリーナーやウエスを使って汚れを取りましょう。
ドレンボルトが綺麗になったら、新しいドレンワッシャーと一緒に取り付けて、締めればOKです。必要以上に締め付けると故障の原因になるので、注意してくださいね。
Step6.新品のオイルを規定量だけ入れる
ドレンボルトを締めたら、新しいオイルを規定量だけ入れます。入れすぎても入れなさすぎてもダメなので、必ず規定量を守ってください。
また、オイルフィルターを交換した際は、通常よりも少し多めにオイルを入れます。入れる量はマニュアルに記載されているので、必ず確認しましょう。
オイルを注入したら、量を確認してから蓋を閉じてください。
Step7.エンジンをかけてオイル漏れがないかを確認する
最終的にエンジンを起動して、オイル漏れがないかをチェックします。オイルを正しく交換できているかを確認するためにも、大切な工程です。
もし漏れがあった場合は、すぐに原因を特定して対処してください。問題なければ、オイル交換は完了です。
バイクのオイル交換をする際の注意点

バイクのオイル交換をする際、注意したいポイントがあります。特に以下の2点はやってしまいがちなので、気を付けましょう。
- こぼれたオイルを必ず拭き取る
- オイル量を確認するまで道具を片付けない
こぼれたオイルを必ず拭き取る
オイル交換中にこぼれたオイルは、必ず拭き取りましょう。作業場を清潔に保つのはもちろん、バイクに付着したまま放っておくと、泥や埃がついたり、錆になったりします。
床にこぼれた滑って怪我をする可能性もあるため、こぼれたらすぐに拭き取って安全に作業をしましょう。
オイル量を確認するまで道具を片付けない
オイル交換後、エンジンを始動してオイル量を確認するまで、道具を片付けないようにしましょう。オイルがエンジンに回るため、オイル量が減ってしまう可能性があるためです。もし規定量から下がると、オイルを足さなければいけません。
道具を片付けていると、また出さなくてはいけないため、少々手間です。全ての作業が完了するまでは、片付けない方が良いでしょう。
バイクのオイル交換のやり方は簡単

バイクのオイル交換は、やり方そのものは簡単です。手順を意識して進めれば、初心者でもできます。道具を揃える必要はあるものの、慣れれば15分程度でできるでしょう。
自分でメンテナンスすると、愛車への知識が増えたり、愛着がわいたりします。不調にもいち早く気付けますし、達成感や満足感も得られます。安全に配慮しながら、ぜひ1度、挑戦してみてください。