tiktokの市場規模を知る|広告売上の推移とユーザーの属性について

TikTokは15秒~1分以内の短い動画をシェアするSNSのひとつです。
InstagramやYouTubeでの市場規模が拡大しているのと同様に、TikTokの市場規模も拡大しつつあります。
〈この記事を読んでわかる内容〉
TikTokの広告売上の推移と今後の予測
TikTokの利用実態
TikTokでのインフルエンサーマーケティング
TikTokと相性の良い業界
TikTokはマーケティングをして行く上で、今後はどのような可能性を秘めているのでしょうか。
市場規模が拡大するからといって、参入すれば誰もが成功するというものでもありません。
TikTokユーザーの利用実態を理解し、適切なマーケティング方法を考えていきましょう。
TikTokの広告売上の推移

TikTokにおける広告売上は、2021年からこのように推移し、今後もこのように拡大していくと予測が立てられています。
広告収益 | |
2021年 | $3.9ビリオン |
2022年 | $9.9ビリオン |
2023年 | $13.2ビリオン |
2024年 | $17.2ビリオン |
2025年 | $22.0ビリオン |
出典:OBERLOを元に作成
デジタル広告の多くはGoogleやMetaで占めている状態にもかかわらず、TikTokでもこれだけの市場規模があるとわかります。
TikTokは主に若者が多く利用するツールであり、世界規模で見て今後の市場規模が拡大していくと予測されています。
世界でTikTok利用者が多い国
TikTokの世界での利用者数は2021年で10億人を突破したといわれています。
日本国内だけでなく、海外の多くの地域で利用されていますが、最もTikTokの利用者数の多い国はどこなのでしょうか。
日本でのTikTokの月間ユーザー数は2021年8月で1,700万人というデータがあります。
それに対し、2023年にTikTokユーザーが多い国は、こちらです。
ランキング | 国 | ユーザー数 |
1位 | アメリカ合衆国 | 1億1,650万人 |
2位 | インドネシア | 1億1,300万人 |
3位 | ブラジル | 8,410万人 |
4位 | メキシコ | 6,240万人 |
5位 | ロシア連邦 | 5,120万人 |
6位 | ベトナム | 5,060万人 |
7位 | フィリピン | 4,140万人 |
8位 | タイ | 4,110万人 |
9位 | トルコ | 3,100万人 |
10位 | サウジアラビア | 2,840万人 |
出典:DATAREPORTAL
TikTokは日本国内よりも、海外での市場規模が大きいとわかります。
TikTokを利用する世代とは

TikTokなどのSNSでマーケティングを考えているのであれば、属性を確認しておかなければいけません。
YouTubeやInstagram、TikTokといった多様なプラットフォームが存在する中で、TikTokを利用する世代の特徴を掴み、商品PRの際にはターゲット層とマッチしているかを重視しましょう。
年代 | ユーザー数 | 割合 |
18歳~24歳 | 4億1,990万人 | 38.5% |
25歳~34歳 | 3億5,480万人 | 32.5% |
35歳~44歳 | 1億7,000万人 | 15.6% |
45歳~54歳 | 8,730万人 | 8.0% |
55歳以上 | 6,010万人 | 5.5% |
出典:DATAREPORTAL
18歳~24歳までの世代で40%弱の利用率を占めており、若い世代に支持されているとわかります。
年長になるほど利用率が低下していきますので、この属性に見合うターゲット層でのマーケティングが望ましいといえます。
Z世代のTikTokの利用実態
「Z世代」とは、主に1990年以降に生まれた、およそ25歳から40歳を表す言葉として用いられています。
アメリカで1960年代中盤~1980年頃生まれが「X世代」と呼ばれるようになったのが始まりと言われており、次の1980年頃~1990年代中盤生まれが「Y世代(ミレニアル世代)」と呼ばれています。
TikTokはZ世代の利用が多いので、その利用実態をさらに詳しくみていきましょう。
- TikTokの利用時間帯
- TikTokの利用シーン
- TikTok利用後に検索ツールを利用
TikTokの利用時間帯
TikTokは15秒~1分以内の短い動画を投稿するのが特徴で、ユーザーは隙間時間でも手軽に視聴できるというメリットがあります。
そのためTikTokの利用時間帯は18時以降だけでなく、1日を通して閲覧されているといえるでしょう。
時間帯 | ユーザー割合 |
0時~2時59分 | 18.6% |
3時~5時59分 | 5.5% |
6時~8時59分 | 14.7% |
9時~11時59分 | 32.2% |
12時~14時59分 | 40.1% |
15時~17時59分 | 51.3% |
18時~20時59分 | 62.0% |
21時~23時59分 | 65.3% |
出典:https://www.tiktok.com/business/ja/blog/genz-whitepaper-2023
TikTokの利用シーン
では、Z世代は1日の中のどのようなタイミングでTikTokを利用しているのでしょうか。
TikTokの利用シーンについては、このようなデータが出ています。
利用シーン | 割合 |
休憩・リラックスしてる時 | 49.6% |
まとまった自由時間 | 42.5% |
寝る前に | 41.6% |
移動中 | 25.3% |
作業の合間 | 25.0% |
テレビを見ながら | 15.8% |
食事をしながら | 15.0% |
家族・友人と | 11.9% |
作業をしながら | 11.6% |
お風呂の中で | 11.1% |
出典:https://www.tiktok.com/business/ja/blog/genz-whitepaper-2023
リラックスしている時や寝る前だけでなく、TikTokは移動中や作業の合間でも利用されています。
隙間時間があれば楽しめるという特徴がわかりやすいデータとなりました。
TikTok利用後に検索ツールを利用
TikTokを利用するZ世代は、TikTokを楽しんで完結するのではなく、そこで気になった内容を80%の人が他の検索ツールを使って検索をするというデータもあります。
(参考:https://www.tiktok.com/business/ja/blog/genz-whitepaper-2023)
TikTokで漠然とした何かのヒントを得て、遊びに行く場所や食事をする場所の参考にしているようです。
TikTokはただエンタメ目的として楽しむだけでなく、生活や購買、消費行動の情報を得るためのツールになっているといえるでしょう。
TikTokでのインフルエンサーマーケティングの特徴

TikTokも他のSNS同様、インフルエンサーマーケティングとして市場価値の拡大が見込まれるツールです。
TikTokのインフルエンサーマーケティングにはこのような特徴があります。
- 拡散力が高くフォロワー以外にもリーチできる
- エンゲージメント率が高い
- 海外ユーザーの目に留まる可能性も
拡散力が高くフォロワー以外にもリーチできる
TikTokはAIによるレコメンド機能がついており、投稿に興味がありそうなユーザーをAIが判断しアプローチをしてくれます。
そのため拡散力が高く、無名の一般人が一夜にして有名人になってしまうというケースもあり得ます。
レコメンドに表示される動画は、ユーザーの好みに合うものなので、新たなフォロワーを獲得しやすくなるのです。
エンゲージメント率が高い
エンゲージメントとは、フォロワーのリアクションです。
ただ見流すだけでなく、「面白い」「参考になった」というアクションになります。
インフルエンサーマーケティングをするのであれば、フォロワー数だけでなくエンゲージメントの高さや質が重要となります。
実態のないフォロワーで、数を稼いでいるインフルエンサーも存在するためです。
インフルエンサー・マーケティング会社CreatorIQが8月に発表した調査報告によると、TikTokのエンゲージメント率が11.83%となっており、全てのSNSの中で最も高いという結果が出ていました。
この結果から、TikTokでのインフルエンサーマーケティングは、より確実にターゲットにアピールできる手段であるといえるでしょう。
海外ユーザーの目に留まる可能性も
先述した通り、TikTokは日本国内よりも海外ユーザーが多く存在しています。
世界150カ国以上で利用されているため、海外でも人気のハッシュタグや楽曲を使うといった工夫をしてみましょう。
国内だけでなく、海外マーケティングを視野に入れているという企業は、TikTokでのインフルエンサーマーケティングを検討してみてもいいでしょう。
TikTokでのインフルエンサーマーケティングの注意点

TikTokでのインフルエンサーマーケティングには、このような注意点もありますので覚えておきましょう。
- ターゲットが限定的
- 売上に直結するのは難しい
ターゲットが限定的
先述した通り、TikTokはZ世代と呼ばれる若い世代のユーザーが多いSNSです。
他のSNSと比較すると、アプローチできる世代は狭く、ターゲットが限定的になるというデメリットがあります。
TikTokに拡散力はあるものの、それはあくまでもTikTokユーザーに限られた話です。
PRしたい商品やサービスのターゲット層にマッチすれば効果が期待できますが、狭い範囲へのアプローチになる可能性があります。
売上に直結するのは難しい
TikTokのインフルエンサーマーケティングは、Instagramのショッピング機能のようなものはなく、直接何か商品を購入させるのは難しいかもしれません。
インフルエンサーマーケティングの目的が、自社のブランド認知拡大であれば効果は期待できますが、購買となるとハードルが高いです。
ただTikTok利用後に検索ツールを利用するというユーザーも多くいますので、今後何かしらのアクションを起こさせたいという目的であれば、活用方法はあります。
TikTokと相性の良い業界
TikTokユーザーは世界的に見ても、若者の利用率が高いツールです。
そこでTikTokと相性の良い業界、今後伸びが予測されるジャンルを5つご紹介します。
- 教育業界
- スポーツ業界
- 食品業界
- ファッション業界
- ソフトウェア業界
教育業界

Z世代はエンタメとしてTikTokを楽しむだけでなく、情報収集の場としてTikTokを活用しています。
10代~20代に向けた教育系コンテンツは、世界的に増加傾向にあります。
例えば、英語などの語学や数学の勉強のポイント、歴史や経済に関するものがあります。
短い動画でポイントがわかるので、ユーザーの需要もあるのでしょう。
教育系インフルエンサーを起用しての、マーケティングも可能です。
スポーツ業界
スポーツではサッカーなどの試合のハイライトや、スポーツあるあるが人気です。
Z世代だけでなく、さらに上の世代にもアプローチできるジャンルのひとつといえます。
スポーツあるあるの動画を作成したり、アスリートとコラボするといったマーケティング方法があります。
食品業界
食品業界、飲食に関する内容も、Z世代に限らず幅広い世代に届けられる投稿となります。
短時間でレシピを紹介した動画をついつい見てしまうという方も少なくないでしょう。
料理に関するお役立ち情報や、自社商品を使った特別レシピの提案などを配信するといいでしょう。
インフルエンサーとのコラボも効果的なマーケティングとなります。
ファッション業界
Z世代はファッションやメイクにとても興味のある年代です。
実際のコーディネートの参考にするという人も少なくありません。
雑誌やテレビで得た新作ファッションを実際に着こなすコーディネートを調べたり、使用感を確認したりしています。
TikTokは拡散力があるので、新作の情報や旬のファッションに関する情報発信に向いています。
ソフトウェア業界
スマホの使い方豆知識や新しいアプリの紹介や使い方といったソフトウェア関連も、TikTokと相性が良いです。
写真加工アプリや勉強に役立つアプリはZ世代のニーズがありますし、内容によっては中高年層にもリーチできます。
全画面表示で実際に自分が操作しているかのような動画で、ユーザーの興味を惹けます。
短時間でメリットを伝えられるよう、構成を練ってアプローチしていきましょう。
TikTokの市場規模は今後も拡大
TikTokは日本国内よりも海外での市場規模が大きい傾向にありますが、国内でも海外でも今後さらに拡大していくと考えられるでしょう。
自社でTikTokを使ったマーケティングを検討しているのであれば、まずはTikTokのユーザー層について知るべきです。
TikTok以外にもInstagramやYouTube、X(旧Twitter)を利用したインフルエンサーマーケティングもできます。
その中で「なぜTikTokを選ぶべきなのか」を明確にして戦略を練っていくべきでしょう。
商品のターゲット層に情報を届ける手段として、TikTokは多くの可能性を秘めています。