バイクショップで嫌がられるオイル交換の頼み方とは?依頼のコツと自分でやる方法も解説

オイル交換をしようとバイクショップに足を運んだけれど、なぜか嫌な顔をされた経験はありませんか?
初めてのオイル交換で、どのように依頼すればいいのか不安に感じている方も多いでしょう。実は、バイクショップがオイル交換を嫌がる背景にはいくつかの理由があります。
この記事では、嫌がられるオイル交換の頼み方と上手な依頼方法、さらに自分でオイル交換を行う手順を詳しく解説します。結論から言うと、適切な方法で依頼すれば、バイクショップとの良好な関係を築きながらバイクの性能を維持できます。
安心してオイル交換を依頼し、バイクライフをより一層楽しむために、ぜひ最後まで読んでみてください。
プロがオイル交換を嫌がる5つの理由

バイクショップでオイル交換を依頼すると、場合によっては嫌がられるかもしれません。その背景には、以下の5つの理由があります。
- 利益が少ない単発作業になりがち
- 持ち込みオイルで収益が減少する・品質保証が難しい
- 予約なしの飛び込み依頼は作業計画が乱れる
- 技術的な問題が発生するリスク
- SNSでの炎上リスクを避けたい
スムーズにオイル交換を依頼する方法を理解するために、これらの理由について知っておきましょう。
利益が少ない単発作業になりがち
オイル交換単体では、バイクショップの利益は少なめです。なぜなら、部品代に利益が乗せにくく、工賃も比較的安価に設定されていることが多いからです。
一般的なオイル交換の工賃は1,000円程度から、高くても3,000円程度でしょう。利益を上げるには、他の整備や部品販売と組み合わせなければなりません。作業には30分ほどがかかるため、利益率は低くなります。
ショップとしては利益の薄い作業であり、積極的に受け入れにくいのです。
持ち込みオイルで収益が減少する・品質保証が難しい
持ち込みオイルによる交換依頼は、ショップにとって悩みの種になり得ます。理由は2つあり、収益減少と品質保証の問題です。
オイルの販売はショップにとって重要な収益源ですが、持ち込みオイルを使うと販売利益が発生しません。一般的なエンジンオイルは1,500円から3,000円ほどで、この利益が得られないことは、ショップの収益に影響を与えます。
さらに、持ち込みオイルの品質に問題がある場合、交換後のトラブルが発生するリスクもあります。オイルの保管状態や品質が不明なため、エンジントラブルが生じた際に責任の所在が曖昧になる可能性があります。そのため、多くのショップが持ち込みオイルの交換を敬遠するのです。
予約なしの飛び込み依頼は作業計画が乱れる
ショップにもよりますが、多くの作業者は1日のスケジュールにもとづいて業務を進めています。しかし、予約なしの飛び込み依頼はこの計画を乱してしまうことがあるのです。
オイル交換は短時間で済む作業とはいえ、30分から1時間の作業時間が必要です。飛び込み依頼が入ると他の予約済み作業に遅れが生じ、顧客からのクレームに繋がりかねません。そのため、ショップとしては基本的に事前予約してもらったほうが良いのです。
技術的な問題が発生するリスクがある
オイル交換は一見シンプルな作業ですが、意外と技術的なリスクが伴う作業です。車種によっては特殊な手順や専用工具が必要な場合があり、予約なしの場合には余計にリスクが大きくなることは避けられません。
例えば、ドレンボルトの締め付けトルクやオイルフィルターの適合性、異物混入などにはかなり気を使います。このような技術的なトラブルが発生すると追加の修理作業が必要になるため、ショップにとってはリスクが大きい作業とも言えるのです。
このため、オイル交換を簡単な作業だと見くびって依頼することは避けたほうが良いでしょう。プロの技術を必要とする部分も多いため、信頼できるショップに任せるのが安心です。
SNSでの炎上リスクを避けたい
近年、SNSでの情報拡散が容易になったことで、ちょっとしたトラブルが大きな問題に発展しかねません。作業の遅延や予想外の追加費用の発生、作業後のトラブルなどが原因で、SNSで批判されるリスクがあります。
実際、あるバイクショップでは、オイル交換時に問題が発見され作業時間が延びた結果、顧客が不満をSNSで拡散し、店舗の評判が一時的に落ちたことがありました。このようなリスクを避けるため、ショップはオイル交換作業にも慎重な対応を心がけています。
過去のトラブル経験から警戒している
過去にオイル交換でトラブルが発生した経験を持つショップは、同様の問題を避けるため、余計にオイル交換を嫌がるかもしれません。
トラブルに発展する原因は、オイル交換作業そのものにあるとは限りません。オイル交換自体は簡単でも、それ以外のバイクの状態が非常に悪い場合などがそれに当たります。オイル交換後に不具合が発生した際、「オイル交換を依頼したら調子が悪くなった」といったクレームを付けられてしまうケースもあるのです。
このようなトラブルを避けるため、作業のダブルチェックや試運転の実施、作業前の詳細な説明と同意書の取得などの対策が取られている場合も多いです。
ショップでオイル交換を上手に依頼する6つのコツ

バイクショップでオイル交換を円滑に依頼するためには、いくつかのコツがあります。以下に、6つのポイントを紹介します。これらのコツを押さえることで、バイクショップとの良好な関係を築き、スムーズにオイル交換を依頼できるでしょう。
- 電話で予約し、対応可能時間を確認する
- バイクの車種、年式、走行距離を正確に伝える
- オイルの種類や粘度について相談する
- 作業時間と費用の見積もりを事前に確認する
- オイル交換以外の点検項目もチェックを依頼する
- 次回の交換時期について具体的なアドバイスをもらう
電話で予約し、対応可能時間を確認する
オイル交換を依頼する際は、必ず事前に電話で予約を入れましょう。多くのバイクショップは予約制で対応しており、突然の来店では対応できない場合があります。予約時には、以下の情報を伝えましょう。
- バイクの車種と年式
- 希望する日時
- オイル交換以外で気になる点があるか
- 持ち込みオイルを使用するかどうか
バイクの車種、年式、走行距離を正確に伝える
バイクの現在の状態や走行距離を正確に伝えることで、適切なオイル交換が可能になります。特に古いバイクや特殊なモデルでは、適合するオイルが通常と異なる場合もあります。
最後のオイル交換からの走行距離や、気になる症状・異音などがある場合ははっきりと伝えましょう。こうした情報は、ショップにとって最適なメンテナンス判断に役立ちます。
オイルの種類や粘度について相談する
オイルの種類や粘度について、バイクショップのスタッフに相談してみましょう。車種や走行状況に最適なオイルを提案してくれるはずです。
オイルには鉱物油、半合成油、全合成油などの種類があり、それぞれ特性が異なります。また、粘度も走行環境や気候によって最適なものが変わってきます。
以下の点について聞いてみると良いでしょう。
- 推奨されるオイルの種類(鉱物油、半合成油、全合成油)
- 適切な粘度
- 使用環境に合ったオイルの選択
作業時間と費用の見積もりを事前に確認する
オイル交換にかかる作業時間や費用は事前に確認しましょう。特に初めての依頼の場合、どれくらいの時間がかかるかを聞いておくことで、待ち時間の計画が立てやすくなります。
費用に関しても、オイルの種類や交換するフィルターによって料金が変わるため、事前に確認しておきましょう。追加の作業が必要になった場合の費用についても、事前に聞いておくと安心です。費用面で納得したうえで作業を依頼できるため、後々のトラブルも避けられます。
オイル交換以外の点検項目もチェックを依頼する
せっかくショップを訪れるのであれば、他の点検項目も一緒に見てもらうのがおすすめです。ブレーキやタイヤ、チェーンの状態など、安全走行に関わる部分をチェックしてもらいましょう。これにより、思わぬ故障や事故を未然に防ぐことができます。
また、ショップ側も他の整備を受けることで収益が増えるため、オイル交換の依頼がスムーズに進むことが期待できます。
次回の交換時期について具体的なアドバイスをもらう
次回のオイル交換時期について、具体的なアドバイスをもらいましょう。走行距離や使用状況に合わせて、最適な交換時期をアドバイスしてくれます。次回の交換時期を把握しておくことで、定期的なメンテナンスを忘れずに実施することができます。例えば、3,000km走行ごと、または半年ごとなど、具体的な目安を教えてもらえます。
自分でバイクのオイル交換をする人のための8ステップガイド

自分でオイル交換を行いたい人のために、以下の7つのステップに分けて手順を解説します。
- 必要な工具とオイルを事前に準備する
- バイクをセンタースタンドで安定させる
- エンジンを5分程度暖機運転する
- ドレンボルトを外して古いオイルを抜く
- ドレンワッシャーを新品に交換する
- 新しいオイルを適量注入する
- エンジンを始動してオイル漏れがないか確認する
必要な工具とオイルを事前に準備する
以下のものを用意しましょう。
- 新しいエンジンオイル(車種に適したもの)
- 新しいドレンワッシャー
- 廃油処理ボックス
- トルクレンチ
- じょうご
- ウエス
- 作業用手袋
必要なオイル量は車種によって異なるので、事前にサービスマニュアルなどで確認して用意しましょう。
ドレンボルトに挟み込まれているワッシャーは、オイル漏れ防止の役割があります。ワッシャー自体が締め付けによって変形することで気密を保つため、基本的に再利用はできません。これも事前に内径を確認しておいてください。
廃棄用のオイル受けは、専用のものが用品店などで購入できます。
トルクレンチもできれば揃えたい工具です。ドレンボルトの締め込み過ぎによる破損トラブルが多いため、簡易なものでも用意できると良いでしょう。
バイクをセンタースタンドで安定させる
オイル交換は安全な環境で行う必要があります。平らで安定した場所を選び、センタースタンドを立ててバイクを安定させましょう。センタースタンドのないバイクは、レーシングスタンドなどを使用します。
また、十分な明るさと換気を確保してください。
エンジンを10分程度暖機運転する
古いオイルを抜くためには、暖機運転をしてオイルの粘度を下げる必要があります。エンジン内のオイルを循環させることで、沈殿した不純物を浮遊させ、オイルと一緒に排出しやすくする効果もあります。
時間は5〜10分程度が目安ですが、エンジン周りに熱が感じられ、アイドリングが安定する程度の時間と考えればよいでしょう。
ドレンボルトを外して古いオイルを抜く
ドレンボルトの下に廃油処理ボックスを置き、ドレンボルトを外して古いオイルを抜きます。ドレンボルトは通常エンジン下部にありますが、場所がわからない場合はサービスマニュアルなどで確認しましょう。
まず、メガネレンチやソケットレンチでドレンボルトを軽く緩めます。手で回せる程度になったら、少しエンジン側にボルトを押し付けながら慎重に手で回していきましょう。ソケットをはめたままボルトを回すのもおすすめです。
ボルトが脱落する瞬間に熱くなったオイルが流れ出してきますので、火傷しないよう十分に注意してください。必ず作業用の手袋を使用しましょう。
ある程度オイルの出が落ち着いたら、バイクを少し傾けてオイルを出し切ります。大型バイクの場合は倒してしまうリスクがあるため、無理に傾けなくても構いません。
ドレンワッシャーを新品に交換する
ドレンワッシャーを新品に交換します。ドレンワッシャーは、ドレンボルトとエンジン間のシール材です。オイル交換のたびに新品に交換することで、オイル漏れを防ぎます。再利用するとオイル漏れのリスクが高まるので、必ず新品を使用しましょう。
新しいオイルを適量注入する
新しいオイルを適量注入します。オイル量は、バイクの取扱説明書に記載されています。販売量と規定量が異なる場合は、オイルジョッキを使って規定量のオイルを注入しましょう。オイルを入れすぎると、エンジントラブルの原因になる可能性があります。
エンジンを始動してオイル漏れがないか確認する
エンジンを始動する前に、オイルレベルゲージでオイル量が適切であることを再確認します。その後、エンジンを始動し、アイドリング状態で数分間運転します。
この間、ドレンボルト周辺やオイルフィルター取り付け部分にオイル漏れがないか、目視で確認しましょう。オイル漏れがある場合は、ドレンボルトの締め付け不良やワッシャーの入れ忘れが考えられます。
プロに任せるか自分でやるか?メリット・デメリットを比較

バイクのオイル交換を専門店に依頼するか、自分で行うかは多くのライダーが悩むポイントです。ここでは、両者のメリットとデメリットを詳しく比較し、状況に応じた最適な選択ができるよう解説します。
コストの違いは1回あたり2000~3000円
バイクショップにオイル交換を依頼した場合、工賃やオイル代金を含めて、1回あたり3,000~5,000円程度の費用がかかります。自分でオイル交換をする場合はオイル代だけで済むため、オイルの種類にもよりますが1,000~2,000円程度でしょう。コストの面では、自分でオイル交換をした方がお得です。
作業時間は店なら30分、DIYは慣れ次第
バイクショップに依頼すると、オイル交換作業は30分程度で完了します。一方、初めて自分でオイル交換をする場合、準備や後片付けを含めると、少なくとも1時間程度はかかるでしょう。慣れればショップと変わらない所要時間で済ませることも可能ですが、作業後の廃油処理も必要です。時間と手間の面では、バイクショップに依頼した方が圧倒的に有利です。
ショップの方が安全性と品質保証で優れている
バイクショップでは、専門知識と経験豊富な整備士が作業を行うため、安全性と品質保証の面で優れています。また、万が一トラブルが発生した場合でも、迅速かつ適切に対応してもらえます。自分でオイル交換をする場合は、作業ミスによるトラブルのリスクを負うことになります。
トラブル発生時はプロの方が対応力がある
オイル交換時にトラブルが発生した場合、プロの整備士であれば、適切な対処で問題を解決できます。一方、自分でオイル交換をする場合は、トラブル発生時の対応に困る可能性があります。
特にオイル交換は、意外にトラブル発生時のリスクが大きい作業です。例えば、ドレンボルトが破損した場合、自分で修理するのは難しいでしょう。
長い目で見れば定期的にプロのメンテナンスを受けるべき
オイル交換は、バイクのメンテナンスの基本です。しかし、バイクの性能を維持するには、オイル交換以外にもさまざまなメンテナンスが必要です。長い目で見れば、定期的にプロのメンテナンスを受けることでバイクの寿命を延ばし、安全な走行を確保することができるでしょう。
バイクのオイル交換頻度と適切なタイミングを知る

エンジンオイルは、走行中の熱や摩擦、燃焼生成物によって次第に劣化し、潤滑性能を失います。そのため、オイル交換の頻度はバイクの寿命や性能に直結するのです。ここでは、オイル交換の一般的な目安と、使用状況に応じたタイミングについて解説します。
一般的な交換頻度は3000~5000km走行ごと
多くのバイクメーカーは、3000~5000km走行ごとのオイル交換を推奨しています。
- 新車の場合:最初の1000km走行後に1回目の交換を行い、その後は3000~5000kmごとに交換
- 中古車の場合:購入後すぐに交換し、その後は3000~5000kmごとに交換
ただし、この一般的な頻度はあくまでも目安であり、以下のような要因によって交換頻度を調整する必要があります。
- 走行環境(都市部の短距離走行/長距離ツーリング)
- 気候条件(極端な暑さや寒さ、塩害など)
- ライディングスタイル(スポーティ/穏やか)
- バイクの年式や状態
6ヶ月以上乗らない場合も交換を検討する
バイクを長期間使用しない場合でも、オイルの劣化は進行します。特に以下のような状況では、走行距離に関わらずオイル交換を検討するべきでしょう。
- 6ヶ月以上バイクを使用していない場合
- 季節ごとの使用(夏季のみなど)の場合
- 保管環境が悪い(高温多湿など)場合
オイルは時間経過とともに酸化し、エンジン内部の保護機能が低下します。長期間使用していないバイクを再び使用する際は、オイル交換を行ったほうが安心です。
高速走行や悪路走行が多い場合は頻度を上げる
高速走行や悪路走行が多い場合は、オイルの劣化が早まります。そのため、一般的な交換頻度よりも短い間隔でオイル交換を行う必要があります。例えば、サーキット走行をする場合は、1,000km~2,000km走行ごとで交換することが推奨されています。
信頼できるバイクショップ5つの特徴

大切なバイクを安心して任せられる、信頼できるバイクショップを選びたいですよね。ここでは、良いバイクショップを見分ける5つのポイントを紹介します。
Google口コミで4.0以上の高評価を得ている
Google口コミで4.0以上の高評価を得ているバイクショップは、顧客満足度が高い傾向にあります。口コミの内容を確認し、実際に利用した人の声を参考にしましょう。高評価の口コミが多いほど、信頼できるバイクショップと言えるでしょう。
初心者にも丁寧な説明と対応をしてくれる
初心者ライダーにとって、バイクショップは敷居が高い場所と感じてしまうかもしれません。しかし、信頼できるバイクショップは、初心者にも分かりやすく丁寧な説明と対応をしてくれます。質問や相談に親身になって対応してくれるかどうかも、重要なポイントです。
オンラインや電話での予約システムが整っている
オンラインや電話で簡単に予約できるバイクショップは、利用しやすさが魅力です。予約システムが整っていないバイクショップは、待ち時間が長かったり、希望の日時に予約が取れなかったりする可能性があります。スムーズなオイル交換のためにも、予約システムの充実度は重要なポイントです。
料金体系が明確で追加費用の説明がある
料金体系が明確で、追加費用の説明があるバイクショップは、安心して利用できます。不明瞭な料金体系のバイクショップは、後から追加料金を請求される可能性もあるため、注意が必要です。事前に料金体系を確認し、納得した上で依頼しましょう。
次回の点検時期を教えてくれるなどアフターフォローが充実
オイル交換後も、定期的な点検やメンテナンスが必要です。信頼できるバイクショップは、次回の点検時期を教えてくれたり、メンテナンスに関するアドバイスをしてくれたりなど、アフターフォローが充実しています。アフターフォローがしっかりしているバイクショップを選ぶことで、安心してバイクライフを楽しめます。
まとめ|安心してオイル交換を頼める店を見つけよう

オイル交換は、バイクのメンテナンスの基本です。信頼できるバイクショップを見つけ、適切にオイル交換を行うことで、安全に長く愛車と付き合っていけるでしょう。快適なバイクライフを送るために、この記事がお役に立てば幸いです。
全国60店舗以上で展開しているバイクショップの2りんかんでは、国家整備士が法定点検を実施しています。バイクのパーツは日に日に劣化していきますので、目に見えない部分に危険が発生していないとも限りません。まずは一度点検を行うことをおすすめします。
https://2rinkan.jp/pit/syuuri/