赤ちゃんに加湿器は必要?安全面での注意点や使い方のポイントについて解説

暖房などによりお部屋の乾燥が気になる季節になると加湿器を使用するご家庭も多くなりますが、赤ちゃんのいる部屋の湿度をキープしたい場合、加湿器の利用について悩まれるご家族も少なくありません。

赤ちゃんにとって快適なお部屋の環境を整える際に加湿器は必要なのか、不要なのか、この記事では赤ちゃんのいる部屋に加湿器を利用するメリット・デメリットや安全面での注意点について解説します。

赤ちゃんにとって快適な室温は?

赤ちゃん 加湿器 必要か

赤ちゃんは体温の調節が得意ではなく、気温に左右されやすいです。
特に生後すぐの赤ちゃんは寝ている部屋の温度が寒すぎたり、暑すぎたりすることで体調を崩してしまうこともあります。

エアコンや暖房器具などをうまく使って、赤ちゃんが快適な室温を保てるように調整することが大切です。

赤ちゃんが快適に過ごせる冬場の室温

赤ちゃんの体温は大人と比べると高いので、室温は少し低めの設定がおすすめです。
冬場でも赤ちゃんが快適に過ごせる室温は22~23度だといわれています。

ご家庭の暖房器具にはエアコン、ヒーター、ストーブとさまざまな種類がありますが、暖めすぎて赤ちゃんが汗をかいたりしないように注意しましょう。

赤ちゃんのいる部屋での室温の確認方法

同じ部屋の中でも空気の流れなど場所によって体感温度は異なります。
一般的に暖かい空気は上、冷たい空気は下に流れるため、赤ちゃんが過ごすことの多い床などの低い位置は暖房をつけていても行き届かず冷たい場合もあるでしょう。

室温を確認するときは暖房器具の室温表示やエアコンの温度設定に頼らず、赤ちゃんの近くで確認すると決めておくと安心できます。
また、実際に赤ちゃんの身体に触って、肌の感触や暑さ、寒さを確認することも忘れないでください。

赤ちゃんにとって快適な湿度は?

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赤ちゃんにとって快適に過ごせる湿度の目安は50~60%です。
空気が乾燥しがちな冬場は加湿器などを活用して室内が乾燥しすぎることのないように心がけましょう。

エアコンを使用する場合は風向きに注意し、温風が直接赤ちゃんの顔に当たらないようにしてください

加湿するときは換気も必ずおこなう

暖房器具の中でもエアコンやヒーターなど温風で暖めるタイプの暖房器具を使用していると室内はいっそう乾燥が進みます。

部屋の乾燥が進むと風邪などのウイルスが活動しやすくなるほか、肌や髪もカサつきやすくなるので加湿を行い適度な湿度を保つことは大事です。

しかし、加湿しすぎると今度は結露など湿気対策が必要になるので、定期的に換気をするなどバランスにも気を配りましょう

室温と湿度のバランスを換気で調整する

先述のとおり、快適な室内環境には温度と湿度のバランスが大切です。
加湿のしすぎは窓ガラスなどの結露を招きカビやダニが増える原因となりますし、石油やガスのヒーターの使用は空気の流れが悪くなります。

空気の入れ替えや温度と湿度のバランスを調整するためにも、1~2時間に1回のタイミングで必ず換気を行いましょう。

赤ちゃんのいる部屋で加湿器を使うメリット

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お部屋の中の湿度を保つために簡単で効果的な方法はやはり加湿器を使うことでしょう。
赤ちゃんのいる部屋で加湿器を使用するメリットをまとめると以下のとおりです。

  • 風邪やインフルエンザなどの予防に効果的
  • 鼻やのどの粘膜を保湿してくれる
  • 肌の乾燥を防ぐことができる

風邪やインフルエンザなどの予防に効果的

風邪やインフルエンザのウイルスには湿度が40%以下になると、動きが活発なるという特徴があります。
加湿器を上手に活用して部屋の湿度を40~60%に保つことでウイルスの生存率を低下させ、感染のリスクを軽減することができます。

鼻やのどの粘膜を保湿してくれる

室内が乾燥していると鼻やのどの粘膜も乾燥してくるのを感じる方も多いはずです。
鼻やのどの粘膜が乾燥している時にも風邪やインフルエンザのウイルスが身体に進入しやすくなります

赤ちゃんは鼻やのどの乾燥の影響を受けやすいため、快適な湿度を保ち粘膜を乾燥から守りましょう

肌の乾燥を防ぐことができる

空気が乾燥する季節になると肌の水分量が少なくなり乾燥することから、カサつきや痒みを感じる場合があります。

特に、赤ちゃんの肌は非常にうすく、大人の皮膚の半分ほどのうすさだといわれています。

直接的なクリームを塗るなどの保湿も大切ですが、赤ちゃんの過ごす部屋の湿度に気を配り、皮膚を乾燥から守ることも大切です。

赤ちゃんのいる部屋で加湿器を使うデメリット

赤ちゃん 加湿器 必要か

加湿器を使用するのはとても手軽な方法ですが、注意しなくてはいけないデメリットもあります。
赤ちゃんのいる部屋で加湿器を使用する際のデメリットには以下のようなことが挙げられます。

  • スチーム式加湿による火傷の心配
  • 加湿病の不安

スチーム式加湿による火傷の心配

加湿器の種類の中でもスチーム式の加湿器を使用している場合には、注意が必要です。

なぜなら、スチーム加湿器は水を沸騰させてその蒸気で部屋を加湿するため、スチーム加湿器の噴出口は高温になり、そこから蒸気がでてくるので火傷のリスクがあるからです。

赤ちゃんがいる場合は、噴出口が熱くならない加湿器を選ぶか、またはスチーム式以外の加湿器を選びましょう。

加湿器病の不安

加湿器の手入れを怠り、カビや雑菌を含んだ水蒸気を部屋中に拡散してしまい、それらを吸い込んだことが原因で発症する「加湿器病」という病気があります。

加湿器病は、肺炎や喘息を引き起こすことがあるほか、死亡したというケースもある危険な病気です。

加湿器を安全に使用するためにも、お手入れを決して怠らないようにしてください。

赤ちゃんのいる部屋で加湿器を使用する際の注意点

赤ちゃん 加湿器 必要か

赤ちゃんのいる部屋で安心して加湿器を使用するために、知っておきたい注意点について解説します。

  • 加湿器の水は水道水を使用する
  • 加湿器は定期的なお手入れで清潔に保つ
  • 赤ちゃんの顔に蒸気が直接当たらないように設置する
  • 加湿は赤ちゃんの手が届かないように配慮し、部屋の中央に置く

加湿器の水は水道水を使用する

加湿器に使用する水にこだわってミネラルウォーターを使おうと考える方もおられるかもしれませんが、それはNGです。

加湿器の水はカビや雑菌が繁殖しやすいため、しっかりと殺菌されていて、塩素を含んでいる「水道水」を使用しましょう。

加湿器は定期的なお手入れで清潔に保つ

先述のとおり、加湿器はカビや雑菌が繁殖しやすい状態にあるため、定期的なお手入れは必須です。
赤ちゃんがいるとこまめなお手入れが負担に感じることもあるかもしれませんが、怠らないようにしましょう。

タンクの水を毎日取り換えたり、トレイに溜まった水をこまめに捨てたりと、日々ちょっとした手間をかけておくことが大切です。

また、月に1度は少量のクエン酸を溶かしたお湯にバケツを入れて一晩つけて陰干しするなど念入りなケアをしておくと安心です。

赤ちゃんの顔に蒸気が直接当たらないように設置する

加湿器を赤ちゃんの近くに置いたほうが、より効果的に赤ちゃんを乾燥から守れると思われるかもしれませんが、直接蒸気を当てると肌に当たった蒸気が蒸発する際に乾燥を招いてしまうため逆効果になります。

また、直接加湿器の蒸気を吸い込むと、「加湿器病」のリスクが高まります。

赤ちゃんには加湿器の蒸気が直接当たらないように注意しましょう。

加湿は赤ちゃんの手が届かないように配慮し、部屋の中央に置く

加湿器は部屋全体にいきわたるように部屋の中央において室内の湿度を一定に保つことが理想的ですが、思わぬ事故やケガを避けるためにも赤ちゃんや小さなお子様がいる場合には、手の届かない場所に置くことを最優先にしてください。

加湿器のタイプ

赤ちゃん 加湿器 必要か

加湿器には、スチーム式、超音波式、気化式、ハイブリット式と4つのタイプがあります。

スチーム式

スチーム式の加湿器は、水をヒーターで沸騰させて蒸気に変える方式の加湿器で、一番オーソドックスな加湿器のタイプです。

加湿能力が高く、広い部屋でも加湿できるのが一番のメリットですが、消費電力が大きく、噴出口も高温になるため、赤ちゃんや小さなお子様のいるご家庭での利用は火傷のリスクに注意が必要です。

超音波式

超音波式の加湿器はタンクに入れた水を超音波によって振動させることにより、微粒子にしてファンで飛ばす方式の加湿器です。

小型でかわいいデザインのものも多く、アロマを入れたりするのも超音波式で価格が手頃なので人気があります。

吹き出し口が熱くならないため、赤ちゃんのいる部屋でも安心して使用できますが、こまめに清掃して水垢などを除去しないと水の中で細菌が繁殖しやすいという難点があります

気化式

気化式とは、フィルターに水を含ませてファンで気化する方式の加湿器です。

加湿能力は他の加湿器と比較するとやや劣りますが、火傷の心配がないため、赤ちゃんがいても安心して使用できます。

消費電力が少ないことも魅力の一つですが、フィルターを使用しているため、定期的なお手入れは必須です。

ハイブリッド式

ハイブリッド式の加湿器とは、スチーム式と気化式、スチーム式と超音波式といったように2つの方式を組み合わせた加湿器のことをいいます。

それぞれの良いところを組み合わせることでデメリットを軽減していますが、消費電力の面では超音波式や気化式と比べると高くなります

赤ちゃんにおすすめの加湿器3選

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上記で説明した加湿方式の中で特に赤ちゃんにおすすめな加湿方式は「気化式」または「ハイブリッド式」です。

赤ちゃんのいるお部屋で使用するのにおすすめの加湿器を3つご紹介します。

  • パナソニック FE-KXU05(気化式)
  • シャープ HV-R30(気化式)
  • ダイニチ工業 HD-RXT922(ハイブリッド式[加熱+気化])

シャープ HV-R30(気化式)

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プラズマクラスターの風で加湿ができ、室温に合わせて湿度を55~60%に制御して省エネ運転ができます。

給水タンク、トレイ、エアフィルターなどのパーツを取り外して丸洗いできるので、お手入れが簡単かつ清潔に保つことができます。

パナソニック FE-KXU05(気化式)

赤ちゃん 加湿器 必要か

「お急ぎモード」、「おまかせモード」、「のど・肌モード」などの複数の加湿モードに切り替えることができるため、シーンに合わせて使い分けが可能です。

独自の「ナノイー」を搭載していることも特徴の一つです。

室内の空気を加湿するだけでなく肌の潤いも向上させる効果が期待できる赤ちゃんにおすすめの加湿器です。

ダイニチ工業 HD-RXT922(ハイブリッド式[加熱+気化])

赤ちゃん 加湿器 必要か

フィルターやトレイ、アタッチメントに抗菌加工が施され、見た目もインテリアになじみやすいおしゃれなデザインになっています。

また、転倒自動停止装置や室温異常自動停止装置などの複数の安全装置も搭載されており、赤ちゃんのいるご家庭におすすめの加湿器です。

また、トレイに洗浄不要の使い捨てカバーをセットすればラクにお手入れもできるのも魅力で清潔かつ安全に使用できる加湿器になっています。

加湿器を使用せずに部屋を加湿する方法

赤ちゃん 加湿器 必要か

部屋の湿度を保つために加湿器は便利なアイテムですが、旅先や家族行事など加湿器が使用できない場合に、加湿ができる方法について解説します。

加湿器ほどの効果は得られないとしても、何もしないよりはお部屋に湿度をもたらすことが可能です。

  • 濡らしたバスタオルや洗濯物を干す
  • 入浴後に浴室のドアを開けておく
  • 鍋ややかんでお湯を沸かす
  • 水を入れたコップを置いておく
  • キッチンペーパーや新聞紙を使う

順番にやり方を説明していきます。

濡らしたバスタオルや洗濯物を干す

濡らしたバスタオルや洗濯物を窓際などの室内に吊るして干すことで室内の湿度を上げることが可能です。

ホテルなど旅先の場合には、ベッドサイドにバスタオルやタオルを吊るしておくだけでもとても効果的に乾燥を緩和してくれるのでおすすめです。

入浴後に浴室のドアを開けておく

入浴やシャワーの後、浴室の扉を開けたままにしておくと、部屋中を加湿することができます。
部屋数が少ない場合や旅先でホテルなどで室内に浴室が付いている場合におすすめの方法です。

鍋ややかんでお湯を沸かす

鍋ややかんでお湯を沸かすだけでも室内の加湿に有効です。
特にキッチンに面したリビングなどで加湿したい場合にこの方法なら簡単に加湿できます。

水を入れたコップを置いておく

簡単にコップに水を入れてそれを置いておくだけでも加湿の効果があります。

ペットボトルに水を入れて、口の部分から小さめのタオルを半分ほど入れる方法でもタオルがペットボトルから水を吸い上げて加湿ができます。

キッチンペーパーや新聞紙を使う

キッチンペーパーや新聞紙といった身近なものでも加湿器の代用として使えます。

キッチンペーパーはじゃばらに折りたたんで水をいれたコップなどの容器に差し込むと加湿器の代わりにできます。
ペーパーフラワーのように広げると見た目も可愛く作れます。

また、新聞紙はクルクルと筒状に丸めて水を入れた容器にさして加湿ができます。
新聞紙には消臭の効果もあるので部屋のニオイが気になるときなど一石二鳥です。

赤ちゃんが快適に過ごせるのが一番

赤ちゃん 加湿器 必要か

暖房を使用する冬場などは室内が乾燥しがちです。

加湿器の使用にはメリットもたくさんある反面、デメリットもあることを紹介しました。

赤ちゃんが快適に過ごせる室内環境を整えるためには部屋の温度と湿度のバランスを保つことがとても大切ですが、加湿器はどうしても必要だというわけでもありません。

ご家庭の状況に合わせて、加湿器の活用を検討しましょう。