SNSマーケティング戦略の立て方と成功のポイント|企業アカウントの事例

今やSNSマーケティングが欠かせない時代となりました。
誰もがスマホを手に持ち、SNSのアカウントを複数所有していますので、狙ったターゲット層にアプローチできるSNSマーケティングを使わない手はありません。
しかし戦略を持って取り組まないと、SNSマーケティングは失敗してしまう可能性があります。
〈この記事を読んでわかる内容〉
SNSマーケティングの戦略の立て方
SNSマーケティングで企業として求める目標
SNSマーケティング成功のための課題
SNSマーケティングの成功事例
SNSマーケティングの戦略の立て方

SNSマーケティングの戦略は、以下の6ステップです。
間違った戦略で始動させてしまうと、せっかくのマーケティングの成果を出せないまま終わってしまうかもしれません。
これらの順序で、しっかりと戦略を立てていきましょう。
- 目的・目標の明確化
- ペルソナの設定
- 競合他社を調査する
- プラットフォームの選定
- KPIの設定
- 投稿頻度と内容の選定
①目的・目標の明確化
まずはSNSアカウントで何をしたいのか、企業としての目的や目標を明確にします。
ここがブレてしまうと、誰に何を伝えたいのかがわからなくなり、ユーザーに何も伝わらないアカウントになってしまいます。
SNSマーケティングで目的となる項目は、これらの例があります。
- ブランドイメージの認知&拡大
- 新規顧客の開拓
- 既存顧客による売上アップ
単純に「売上アップ」ではなく、新規顧客を獲得したいのか、既存顧客にアピールしたいのかで投稿の内容は変わってきます。
このようにSNS運用の土台となる部分となりますので、目的や目標を明確にしておきましょう。
②ペルソナの設定
SNSで誰にむけて情報を発信したいのか、ペルソナを設定しておきましょう。
社内でSNSを運営していくとなると、必ず毎回同じ人が投稿をするわけではありません。
共通認識としてペルソナがあれば、ターゲットとしている顧客に刺さるアプローチが統一できるようになり、投稿内容にズレが出るというリスクも少なくなります。
ペルソナを設定する際には、PR商品のイメージだけでなく、既存顧客データも活用するといいでしょう。
③競合他社を調査する
競合他社ですでにSNSアカウントがあれば、その活用方法を参考にすると自社アカウントの成長に活かせます。
参考にしたいアカウントが見つかれば、このような点をチェックしてみましょう。
- 投稿内容の画像・動画
- 投稿頻度
- エンゲージメントの内容
エンゲージメントとは、いいねやコメントといったユーザーのリアクションです。
競合他社はユーザー層も似ていると考えられますので、「どのような投稿の反応が良いのか」「どういったアプローチをしていけばいいか」の参考になります。
④プラットフォームの選定

ペルソナや投稿の方向性が決まったら、具体的にどのSNSで発信するかを決めていきます。
代表的なSNSには特徴がありますので、ペルソナやPRしたい商品の特性と合わせて考慮していきましょう。
SNS名 | 主な年齢層 | 特徴 |
X(旧Twitter) | 10代~30代が中心40代~60代も利用 | テキスト中心拡散力がある |
YouTube | 10~60代 | 動画のSNS |
10〜20代 | 画像・動画が中心女性ユーザー多数 | |
30〜40代 | 実名・顔出しユーザー多数 | |
LINE | 10~60代 | 主にコミュニケーションツールとして利用 |
TikTok | 10代が中心 | ショート動画 |
⑤KPIの設定
KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標です。
わかりやすく説明すると、目標に対する達成状況を数値化させたものとなります。
SNSにおけるKPIといわれると、フォロワー数をイメージするかもしれません。
しかし数だけ多くてもあまり意味がありませんので、KPIとしてこれらの目標を設定しておくといいでしょう。
- リーチ数
- エンゲージメント数
- タグ付け数
- オリジナルハッシュタグの数
これらの数字は、全て投稿の内容が発信・拡散されていると確認できるものです。
SNSでは情報を発信するだけでなく、ユーザーのリアクションや意見を吸い上げる場であるという認識も持っておきましょう。
⑥投稿頻度と内容の選定
最後に、投稿の頻度と具体的な内容の選定に入っていきます。
アカウントを立ち上げたばかりの頃は、フォロワー獲得に力を入れた方が良いので、投稿頻度を高くするといいでしょう。
広告ばかりの内容ではフォロワーが離れていってしまいますので、まずはアカウントのファンになってもらえるような内容を目指しましょう。
まずはユーザーの役に立つ、興味のある内容を投稿し、広告は少し織り交ぜる程度が望ましいでしょう。
SNSマーケティングのメリット
SNSマーケティングを始めると、いくつかのメリットがあります。
どのようなメリットがあるのかを理解してから取り組むと、その効果をより大きくできるようになるかもしれません。
SNSマーケティングには、このようなメリットがあります。
- 企業や商品の認知度拡大
- 集客になる
- 顧客エンゲージメントを強化できる
- 企業をブランディングできる
企業や商品の認知度拡大

SNSは拡散力がありますので、効率的に企業や商品の認知度を向上する手段となります。
検索エンジンでの検索だと、ユーザー自身が興味のあるキーワードを打ち込む必要がありますが、SNSは行動分析により自ら検索しなくても興味のある情報が得られます。
商品のターゲット層に合いそうなユーザーが、自社製品を見つけ出してくれますので、幅広い層にアピールできる場となります。
一般的に広告を出そうとするとコストがかかりますが、SNSでの情報発信は無料で始められるのもメリットです。
集客になる
SNSの拡散力を使って、潜在顧客への認知拡大になると、後に商品を購入する顧客へと成長していきます。
商品を知ってもらって購入してもらうだけでなく、SNSではその商品を使って口コミを投稿するというアクションも期待できます。
企業側としては、オリジナルハッシュタグを活用するなどして、口コミ投稿を促進するという方法もあります。
既存顧客に向けても、新規顧客に向けても、発信次第で大きな効果が期待できます。
顧客エンゲージメントを強化できる
SNSでのユーザーのリアクションであるエンゲージメントは、顧客との親密度を表すものといっても過言ではありません。
SNSという交流の場がなければ、カスタマーセンターへの問い合わせから顧客のニーズを分析していかなければいけません。
しかしSNSであれば、ユーザーは気軽に閲覧しアクションがとれるので、より親密に生の声を吸い上げられるというメリットもあります。
企業をブランディングできる
SNSマーケティングは、企業や商品の認知力拡大だけでなく、ブランディングもしていけます。
Instagramのように視覚に訴えるSNSでは、わかりやすく一瞬で世界観を伝えられますのでブランディングに向いているといえるでしょう。
厳密には「顧客」と「ファン」は別物です。
商品を購入してくれる顧客から、企業やブランドを応援してくれるファンの獲得を目指すのが、SNSのブランディングです。
SNSマーケティングのデメリット

SNSマーケティングには多くのメリットがありますが、これらのデメリットもあります。
企業としてアカウントを運営するリスクについても、正しく理解しておきましょう。
- 投稿の継続が負担になる
- 正しい知識がないと失敗しやすい
- 炎上のリスクがある
SNSの運営は、数値の分析やキャンペーンの準備など、投稿以外にも労力がかかります。
多くの企業がSNSマーケティングを取り入れていますので、競合他社よりも目を惹く投稿をし続けようとするのであれば、専任の担当者が必要になるでしょう。
またSNSはポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も拡散されてしまう危険があります。
不適切な投稿をしてしまい炎上すると、コントロールできなくなってしまいますので注意しましょう。
SNSマーケティング戦略のポイント
SNSマーケティングを戦略的に進めていくポイントは、こちらです。
- フォロワー数を増やす
- 定期的に効果測定や分析する
- ユーザーに利益のある情報も発信する
フォロワー数を増やす
まずアカウントを立ち上げた当初は、フォロワーを増やせるよう意識していきましょう。
フォロワー数をKPIにしない方が良いと先述した通り、エンゲージメントも重要ではありますが、母数となるフォロワー数があっての話です。
基本的にはフォロワー数が多いほど、いいねやコメントの数が増えていきます。
人の目に触れる機会が増えていきますので、頻繁に投稿していくようにしましょう。
一つ一つの投稿内容が重要なのはもちろん、プロフィールや他アカウントとの交流も大切にしていきましょう。
定期的に効果測定や分析する

SNSマーケティングの効果が出ているかを確認する効果測定を、定期的に行っていきましょう。
先に設定したKPIを元に、効果が出ているか、前回の効果測定からどのような変化があったかを分析していきます。
仮説を立てながら、効果が出ていなければ投稿内容の変更も検討した方がいいかもしれません。
ユーザーに利益のある情報も発信する
企業のアカウントでありがちなのが、商品情報や宣伝ばかりを投稿してしまうものです。
ユーザーにとって興味のないつまらない投稿だと感じられると、フォロワー数の獲得に繋がらず、SNSマーケティングの効果を実感しにくくなるでしょう。
面白いと思える投稿やプレゼントキャンペーンをするのもいいでしょう。
「ユーザーに利益のある情報」がわからなくなったら、基本に立ち返り、最初に設定したペルソナを思い浮かべながら内容を考えてみてください。
戦略的なSNSマーケティングの活用事例
ではSNSマーケティングで成功した企業は、どのような戦略で投稿をしているのでしょうか。
SNSマーケティングの活用事例を4つご紹介します。
- 洋服の青山ガールズアカウント|Instagram
- スターバックスコーヒー|Instagram
- ローソン|X(旧Twitter)
- マクドナルド|X(旧Twitter)
洋服の青山ガールズアカウント|Instagram
紳士服の洋服の青山は、3つのInstagramアカウントを所有していますが、その中でもガールズアカウントが多くのフォロワーを集めています。
紳士服ブランドですが、ガールズアカウントでは映え写真を撮るコツや制服アレンジといった女子高生・女子大学生向けの投稿が目立ちます。
数年後にスーツを購入する世代との親密性を構築しており、企業アカウントの成功例といえるでしょう。
スターバックスコーヒー|Instagram
スターバックスコーヒーは、基本的にテレビや新聞、ラジオといったマス広告をしません。
不特定多数の人に対して広告費をかけるより、Instagramで確実なターゲット層にアプローチをしています。
Instagramの利用が多い女性ターゲットが、スターバックスのターゲット層ともマッチしており、オリジナルのハッシュタグも多く活用されています。
ローソン|X(旧Twitter)
コンビニの中でもSNSマーケティングに力を入れているといわれるローソンのX(旧Twitter)アカウントです。
フォロワー数は800万人(2023年12月時点)を越え、日本有数のトップクラスアカウントです。
新商品の情報だけでなく、お得に買い物ができる情報も多く、ユーザーがフォローしたくなる投稿のお手本になるアカウントです。
マクドナルド|X(旧Twitter)
2010年~2015年に業績の低迷があったマクドナルドですが、挽回の要因はデジタルマーケティングです。
推しバーガーを食べて投票する「マクドナルド総選挙」や、多くのコラボ商品で話題を提供してきました。
季節バーガーや新作が多く販売されるマクドナルドでは、X(旧Twitter)で情報を拡散し、顧客の期待値を高め集客につなげています。
正しい戦略でSNSマーケティングを
SNSマーケティングは多くのメリットがあり、取り入れている企業が多いです。
一方で正しい運営方法を知らないと、炎上や効果を感じられない失敗もあり得るので注意が必要です。
正しい戦略を立てて、競合他社や成功しているアカウントを参考にしながら、自社のSNSマーケティングの参考になさってください。