バイクのハンドサイン20個一覧|意味を知りツーリングをさらに楽しく

バイクに乗らない人は知らないかもしれませんが、
ライダーが知っておくと便利なハンドサインがいくつかあります。
漫画やドラマのワンシーンでは、走行中や信号待ちでライダー同士が話しをしているかもしれませんが、実際はエンジンの音がうるさくて、話ができる状態ではありません。
長距離のツーリングになると、途中でパンクやガス欠といったバイクトラブルが起こったり、急にトイレに行きたくなるかもしれません。
そんな時は、簡単に情報共有ができるハンドサインが重宝します。
初対面の人とツーリングをする時なんかも楽しめるようになりますので、ぜひこれらのサインを覚えておきましょう。
ハンドサインの意味や目的
バイクに乗りながら仲間にサインを出すハンドサインの中でも、基本となるのが手信号です。
道路交通法施行令で定められた絶対に知っておきたいものから、コミュニケーションとなるハンドサインなど、その目的について理解しておきましょう。
- 手信号は道路交通法施行令で定められている
- バイクのハンドサインはコミュニケーション
手信号は道路交通法施行令で定められている
道路交通法施行令で定められた手信号は3つで、バイク走行における必要最低限の内容であるといえます。
(参考:道路交通法施行令)
ツーリングでは予期せぬトラブルが起こるかもしれませんので、全ライダーが必ず頭に入れておきたい内容です。
バイクだけでなく、車も同様で、ウインカーが切れた場合などに手信号を活用します。
ウインカーが切れた状態での走行は危険なだけでなく、道路交通法違反にもなります。
道路交通法施行令で定められた3つの手信号は、必ず覚えておきましょう。
バイクのハンドサインはコミュニケーション
仲間とツーリングをする時は、エンジンの音がうるさくて実際に話をするのが難しい状況です。
インカムを使用する人も多いでしょうが、ハンドサインは人数が多いマスツーリングでも意思の疎通がとれるので便利です。
バイクのハンドサインは法律で決められたものではありませんので、仲間とのコミュニケーションのためのものです。
お互いにサインの認識があれば、走行しながら自分の意思を相手に伝えられるようになりますし、相手のサインを受け取れるようになります。
ツーリングをより楽しむための知識として、ハンドサインを知っておきましょう。
基本の手信号3つ
まずは基本となる手信号3つです。
ドライバーにも通じるサインなので、トラブル時に使えるようにしておきましょう。
バイクは右手でスロットルグリップを握っているので、左手でサインを出せるようにしておいた方が安全です。
- 右折したいとき
- 左折したいとき
- 徐行・停止したいとき
右折したいとき
手信号は全て(左)腕のみで行います。
右折したいときや右車線に変更したいときには、ウインカーを出すのと同じタイミングでハンドサインを出しましょう。
「曲がろうとする交差点の30m手前か、進路変更をしようとする3秒前」が適切なタイミングです。
後続車に伝わるように、左腕を垂直に曲げるのが右折や右車線変更の手信号です。
右腕で行う場合は、右腕を水平に伸ばすと同様のサインとなります。
左折したいとき
左折したいときや左車線変更したいときは、
左腕を水平に伸ばすのが手信号です。
右腕で行う場合は、右腕を垂直に曲げるのが同様のサインとなります。
水平に腕を伸ばす際には、物にぶつからないよう注意してください。
徐行・停止したいとき
徐行や停止したいときは、左腕を斜め下にまっすぐ伸ばします。
後続車にもわかりやすいよう、追突されないようなタイミングで手信号を出すと安全です。
停止するまで手信号を出し続けていると危険なので、少しずつスピードを落として、安全に停止できるようにしましょう。
バイクでよく使われるハンドサイン
ここからは、バイクでよく使われるハンドサインを紹介します。
ドライバー全員にはわからないサインかもしれませんが、ライダーには伝わるサインです。
このようなハンドサインを知っておくと、まったくの初対面の人とツーリング状態になった時の意思疎通もできるようになり、楽しみ方に幅が広がります。
- エンジンかけて
- 出発準備OKです!
- スピードを落として
- ウインカー消し忘れてるよ
- ライトつけ忘れてるよ
- お先にどうぞ
- 休憩を取りましょう
- 給油したい
- トイレに行きたい
- 路面障害・危険あり
- 走行できなくなった
- 左に寄って
- 道を間違えた!Uターンしよう
- 抜かないで
- ここで加速するよ
- 警察がいるよ
- ヤエ―!
エンジンかけて
さぁいよいよ出発、というタイミングで、リーダーが仲間にエンジンをかけるよう促すサインです。
人差し指を左上でクルクルと回すサインですが、準備ができていれば自分でエンジンをかける人がほとんどですから、あまりこのサインの出番はないかもしれません。
出発準備OKです!
「いつでも出発できます!」「準備OKです」と仲間やリーダーに伝えるためのサインで、左手を左ミラーの上におくというものです。
マスツーリングのように人数が多いときは、知っていると役に立つかもしれません。
スピードを落として
左手を出して手のひらを下向きにし、上下に動かすと、「スピードを落とすよ」という合図になります。
後続車の場合は前の人のスピードに合わせるのでこのサインを出す機会は少ないかもしれませんが、先頭の人がこのサインを出した時には理解できるといいでしょう。
ブレーキランプが壊れた時にも使えるハンドサインです。
ウインカー消し忘れてるよ
ウインカーをうっかり消し忘れている仲間がいるときは、手をグーパーグーパーします。
ウインカーが光っている様子を手で表したもので、消し忘れは事故につながる恐れもありますので早めに教えてあげましょう。
ただし隊列の中にいるバイクであれば危険は少ないので、特に教えないという場合もあります。
先頭や最後尾のバイクのウインカー消し忘れは、このサインで伝えられます。
ライトつけ忘れてるよ
手元でライトをON/OFFするタイプのバイクだと、
ライトをつけ忘れてしまう場合があります。
左手を腰の後ろに回してグーパーグーパーするのが、「ライトつけ忘れてるよ」のサインです。
そのまま走行を続けていると危険なので、教えてあげましょう。
お先にどうぞ
自分がゆっくり走りたい時に後ろから軽快なバイクが走ってきたら、「お先にどうぞ」と道を譲る意思があると伝えましょう。
右手を下に伸ばしてボーリングのボールを転がすような仕草をすると、「抜いてください」という意味になります。
知らないライダーからこのサインが出ると、安全に抜けるとわかります。
休憩を取りましょう
休憩スポットやサービスエリア、コンビニなどで休憩をしたい時は、その場所の看板を指さして仲間に休憩の意思を伝えます。
仲間から「休憩したい」というサインを受け取ったら、「わかったよ」という理解を示すために何かしらのリアクションをとってあげると親切です。
給油したい
長距離の移動となると給油も必要になります。
ガソリンスタンドに寄りたいときは、ガソリンタンクを指したり、手の平でガソリンタンクをたたく仕草をすると伝わります。
ただし給油が必要になるような長距離であれば、あらかじめ給油ポイントを話し合っておくと安心です。
トイレに行きたい
休憩中はそうでもなかったのに、なぜか走り出すとトイレに行きたくなるのはライダーあるあるのひとつです。
自分のお腹を指さしたり、お腹をポンポンとたたくと、トイレに行きたいというサインになります。
サービスエリアやコンビニにもトイレはありますので、「休憩しよう」というサインを使ってもいいでしょう。
路面障害・危険あり
路面のギャップや滑りやすさを後続車に伝えたい場合は、腕を斜め下に出して指をクルクルと回します。
仲間に危険を伝えておくと、注意して安全に走行できるようになります。
先述した「スピードを落として」のサインも同様に使われる場合がありますので、伝わりやすいサインを選びましょう。
走行できなくなった
バイクに何らかのトラブルが発生した時、このまま走行できないと判断される場合には、腕を上げてゆっくりと降ろしながら自分のバイクを指してトラブルを伝えましょう。
給油したい時のように、バイクを軽く叩くような仕草でもわかってもらえるかもしれません。
ツーリングでよくあるトラブルの中には、ガス欠のように防げるトラブルもありますので、トラブルがないように備えて出発しましょう。
左に寄って
後ろからスピードの速いトラックやバイクが来ている時、一回地図を確認したい時など、全員に左に寄るよう伝えるサインがあります。
左腕を水平に伸ばし、左側を指さします。
左折のサインと似ていて紛らわしいので、「スピードを落として」といったサインと合わせて使うと伝わりやすいでしょう。
道を間違えた!Uターンしよう
道を間違えたり、目的地を通過してしまった時などは、Uターンの合図を出します。
指を上に向けてクルクルと回すと「Uターンしよう」という意味になります。
Uターンはどこでもできるわけではありませんので、仲間を混乱させないように注意します。
また急すぎても危ないので、サインを出すタイミングには配慮しましょう。
抜かないで
先に行ってもらうサインの逆の意味で、「今は抜かないで」というサインもあります。
腕を斜め下に出し、手の平を後ろに向けてバイバイのように手を降ります。
基本的にはあまり使う機会のないサインです。
ここで加速するよ
左手の平を上に向けて、八代亜紀のあめあめふれふれのように上下に降ります。
前のバイクのペースに合わせて走る機会がほとんどでしょうから、このサインもあまり使う機会はないかもしれません。
警察がいるよ
頭の上で指を回すと「警察がいるから注意しよう」という意味になります。
このマークはパトカーのパトランプを意味していますが、Uターンのサインと同じです。
状況によって、どちらの意味かを見分ける必要があります。
ゆっくり走っているのであればUターンの可能性が高く、高速でスピードを出しているのであれば警察警戒の意味だろうと推測できます。
ヤエ―!
ヤエ―!とは「YEAH!」(イエ―!)が崩れた言葉で、ライダーがお互いの旅の安全を願って交わす挨拶のようなものです。
すれ違いざまにピースサインをしたり、手を振ったりと、決まった形があるわけではありません。
ガッツポーズや会釈といった形でも、その気持ちは相手に伝わるでしょう。
どちらからヤエ―!をしてもいいので、積極的にやってみるとコミュニケーションになり楽しさが倍増します。
ただし片手を離すサインなので、安全が確認できる場所で行うようにしてください。
ハンドサインを受けた時のリアクション
ハンドサインを受け取ったら、「ちゃんと伝わったよ」という意味を込めてリアクションをしてあげましょう。
オッケーサインのようにわかりやすいものでいいので、サインで返事をします。
前の人のハンドサインを受け取ったら、後ろの人へも同じサインで伝言ゲームのように伝えていきます。
最後尾の人まで情報が共有できるよう、全員がサインへの認識をもっておくのも重要です。
ハンドサインの出し方のルール
ハンドサインは前の人から後ろの人へ出すだけでなく、後方の人が出したい場合もあります。
バイクのトラブルやトイレに行きたい場合がありますので、どの位置にいてもサインが出せるよう、ハンドサインの出し方のルールを知っておきましょう。
- 前の人から後ろの人へ
- 後ろの人から前の人へ
前の人から後ろの人へ
後ろの人の視界には、常に前の人が入っていますので、比較的容易に自分の意思を伝えられます。
手を上げて合図を出すか、ブレーキランプを点滅させ、ハンドサインを出す前に注目してもらうとスムーズです。
後続車に意識が向きすぎて、前方不注意とならないよう気を付けてください。
後ろの人から前の人へ
後ろの人から前の人へサインを出したい場合は、まずはパッシングをバックミラーに反射させて気付いてもらいます。
クラクションを軽く鳴らしてもいいでしょうが、別の意味を発信してしまう可能性もありますのでパッシングがおすすめです。
相手に気付いてもらってから、落ち着いてハンドサインを出すようにしましょう。
ハンドサインを使って安全なツーリングを
ハンドサインを使えば、声を出さずに状況を伝えられます。
マスツーリングのように人数が多くなればなるほど、
ハンドサインが重宝するでしょう。
また対向車のライダーとのコミュニケーションになりますし、知らない人でも一緒に走るというシチュエーションでも使えます。
出発前には仲間とハンドサインを確認し、共通認識として使えるものにしておきましょう。