ツーリング向けバイクタイヤはどれ?種類と選び方おすすめメーカー解説

バイクのタイヤは、使用目的や使用シーンに合わせてタイヤ選びを行い、適切な時期に交換をしなくてはいけません。

この記事では、バイクタイヤの選び方やメーカーの特徴、おすすめのタイヤタイヤ交換時期を紹介しています。
バイクのメンテナンスやタイヤ交換時期でタイヤの購入を検討しているけど、どこのメーカーがいいのか?どんなタイヤがいいのか悩んでいる人は、この記事を参考にタイヤ選びをしてください。

バイクタイヤの選び方

バイクのタイヤを選ぶ際は、バイクタイヤの目的や使用シーンに合ったタイヤを選ぶ必要があります。

使用目的に合ったタイヤを選ぶ際には、タイヤの構造や使用されている素材、種類なども把握しておかなくてはいけません。
そこで、まずは、タイヤの構造や種類、目的別に適したタイヤを選ぶポイントを解説します。

構造

タイヤの構造は、カーカスの構造によって、2種類にわけられます

ラジアルタイヤはカーカスが放射線状に設置されているため安定性が高く、バイアスタイヤはカーカスを互い違いに斜めに設置しているため衝撃吸収に優れていることが特徴です。
より詳しい特徴は、以下の表にまとめています。

カーカスとは

タイヤの骨格を形成するゴムで被覆したコード層の部分。別名、ケーシング。
荷重や衝撃、空気圧などに耐える仕組みを有しています。

ラジアルタイヤバイアスタイヤ
安定性が高い
発熱を抑えられる
燃費性が優れている
耐摩耗性が高い
スリップが少ない
高速や長距離での走行に向いている
衝撃に強い
悪路での走行に向いている
高速、スポーツ走行に向いていない

種類

バイクのタイヤには、チューブ入りタイヤとチューブレスタイヤがあり、それぞれ空気をとどめておく方法が異なります。

チューブ入りタイヤは、タイヤとホイールの間にあるチューブに空気を入れるタイプです。
一方チューブレスタイヤは、タイヤとホイールの間に触接空気をとどめておくタイプで、パンクをしてしまう可能性が低いというメリットがあります。

チューブ入りチューブレス
鋭利なものを踏むとパンクしてしまう
オフロードに向いている
ドレット面(溝のある面)はパンクに強い
タイヤのサイドが破損するとパンク修理が難しい

目的別

バイクは、走行状況によってタイヤを使い分ける必要があり、それぞれの目的にあったタイヤが販売されています。

この記事では、バイクタイヤを5種類に分けて紹介するので、バイクの使用シーンや目的を想定しながら読み進めましょう。
それぞれの種類や特徴を比較したい人は、以下の表を参考にしてください。

タイヤのタイプ特徴
オンロードタイヤ乗り心地を重視した舗装道路を走るためのタイヤ
オフロードタイヤタイヤの溝が深く、未舗装の悪路を走るのに適している
ロングライフタイヤ年間走行距離の長い耐久性の高いタイヤ
スノータイヤ雪道の走行に適したタイヤ
スパイクタイヤタイヤ表面に金属が撃ち込まれ、雪道を安全に走行できるタイヤ

オンロードタイヤ

オンロードタイヤは、走行性や乗り心地、長距離走行、加速性を考えて作られた、アスファルト道路を走行するためのタイヤです。
一般的なオンロードタイヤの寿命は5年で、5万キロ走行がタイヤ買い替えの目安になります。

車のオールシーズンタイヤと同じような特徴を持っているため、日常使いやツーリングにおすすめです。

オフロードタイヤ

オフロードタイヤは、未舗装の悪路を走行することを想定して作られたタイヤで、一般的なタイヤよりも溝が深くなっているため、泥道でタイヤの溝が埋まってしまう心配がありません。
オフロードタイヤには3種類あり、走行環境に合わせたタイヤを選定することが大切です。

種類特徴
マッドテレーンタイヤ(M/T)オフロードに特化したタイヤが欲しいという人におすすめ
燃費が悪くなるため、街乗りには向かない
オールテレーンタイヤ(AT)オフロード・オンロード・雪道など、幅広い走行環境に対応できる
ただし、豪雪地帯の日常使いには適していない
ハイウェイテレーンタイヤ(HT)乗り心地が重視されたオフロードタイヤ
ほぼ街乗りだが、たまにオフロードも走りたいという人におすすめ

ロングライフタイヤ

ロングライフタイヤは、タイヤの摩耗が少なく、走行可能距離が一般的なタイヤよりも長いという特徴があります。
ツーリングタイヤにはロングライフ性能のあるタイヤが多く、中には1万キロ以上走行可能なタイヤもあるようです。

年間走行距離が長い人や、毎日通勤や通学で中・長距離移動をするという人に最適なタイヤといえるでしょう。

スノータイヤ

スノータイヤは、雪道の走行に特化したタイヤのことです。
現在代表的なスノータイヤは2種類あり、走行地域やタイヤはき替えの有無などで選ぶといいでしょう。

それぞれの特徴は、以下の通りです。

種類特徴
スタッドレスタイヤグリップ力が高く、雪道や凍結路面の走行に特化したタイヤ
タイヤが減りやすいため、冬シーズンにのみ使用するのが一般的
オールシーズンタイヤ全シーズン使用できるタイヤ
夏タイヤより雪道での走行には優れているが、凍結路面には適していない

スパイクタイヤ

スパイクタイヤは、タイヤに金属が撃ち込まれていて、雪道や凍結路面も安定して走れるため、冬シーズンの定番であったタイヤです。
スパイクタイヤがアスファルトを削り、粉塵公害を引き起こすことから、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律が施行されています。

これによって、スパイクタイヤの使用が激減していますが、決められた期間や路面状況であれば、一般車両でもスパイクタイヤを使用可能です。

スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律

スパイクタイヤの粉じん防止、国民の健康を保護、生活環境保全を目的に、1990年6月27日に公布・施行された法律です。

  • 環境省が指定する地域のセメント又はアスファルト舗装の路面は、積雪・凍結状態にない部分のスパイクタイヤの使用を禁止
  • 特定の車両は、上記の状態であってもスパイクタイヤの使用が認められている
    (緊急車両・公安委員会に届け出されている除雪車・自衛隊車両・緊急輸送車両・身体障害者手帳又は、戦傷病者手帳取得者の運転する車両)

主要バイクタイヤメーカーの特徴とおすすめタイヤ

ブリヂストンは世界のタイヤシェア率を毎年発表していて、2023年のタイヤシェア率は下記のようになっています。

  • ミシュラン 15.1%
  • ブリヂストン 14.2%
  • グッドイヤー 9.6%
  • コンチネンタル 6.7%
  • 住友ゴム 3.8%
  • ピレリ 3.7%
  • ハンコック 3.4%
  • 横浜ゴム 3.1%
  • 中策ゴム 2.2%
  • 正新 2.0%

この中から、バイクタイヤの製造・販売を行うメーカーの特徴と、おすすめのタイヤを紹介します。
どのタイヤを選ぶか悩んでいる人は、参考にしてみてください。

ミシュラン

ミシュランはフランスのタイヤメーカーで、自動車やバイク、自転車、航空機、地下鉄など、幅広い種類のタイヤの製造・販売を行っています。
基本的なタイヤ性能が高く、新技術の積極的な実用化を実施していることから、タイヤ業界のパイオニア的存在といえるでしょう。

タイヤシェアは世界トップに君臨し、摩耗性・耐久性・乗り心地・燃費がよく、日本では長距離移動を行う高級車に採用されるケースが多いようです。

ROAD 5PILOT ROAD 4PILOT POWER 2CT

引用:https://www.michelin.co.jp/motorbike/tyres/michelin-road-5

引用:https://www.michelin.co.jp/motorbike/tyres/michelin-pilot-road-4

引用:https://www.michelin.co.jp/motorbike/tyres/michelin-pilot-power-2ct
ウェットグリップ性能が高い
安全性・安定性が高い
オートバイメーカーの純正タイヤとして採用されている
ウェットグリップ性能が高い
パフォーマンス力が高い
オートバイメーカーの純正タイヤとして採用されている
グリップ性能・ウェットグリップ性能が高い
安定性が高い
スポーツライディングに対応

ブリヂストン

1930年からタイヤの製造・販売を行う日本国内のタイヤメーカーで、高級車の純正タイヤに採用された実績を持ちます。
幅広い種類のタイヤが展開されているため、目的に合わせたタイヤを選びやすく、世界的に人気のあるタイヤメーカーです。

低燃費タイヤや静穏タイヤなど、ニーズに合わせたタイヤを選べるでしょう。

BATTLAX HYPERSPORT S23BATTLAX BT-023 SPORT TOURINGBATTLAX HYPERSPORT S22

引用:https://www.bridgestone.co.jp/products/tire/mc/products/detail/pr186/

引用:https://www.bridgestone.co.jp/products/tire/mc/products/detail/pr011/

引用:https://www.bridgestone.co.jp/products/tire/mc/products/detail/pr153/
ウェットグリップ性能が高い
サーキット・ワインディング・街乗りに対応
ロングライフ性能が向上
ウェット性能が高い
安定性が高い
スポーツツーリングに対応
グリップ性能が高い
スポーツツーリングに最適
軽快なハンドリングを実現

コンチネンタル

コンチネンタルはヨーロッパシェアが非常に高いドイツのタイヤメーカーで、メルセデスベンツ等のヨーロッパ製自動車3台に1台はコンチネンタル製のタイヤが純正装備されています。
国内でもコンチネンタルのタイヤを純正装備とする車メーカーが増えていて、強度が高くウェット性能が優れていることから、使用者からの評価も高いです。

前述2つのメーカーと比較すると入手が難しいですが、今後日本国内でも流通の増加が期待されています。

コンチクラシックアタックコンチロードアタック4TKC80

引用:https://www.continental-tires.com/products/b2c/motorcycle/tires/conticlassicattack/?
引用:https://www.continental-tires.com/products/b2c/motorcycle/tires/contiroadattack-4/?
引用:https://www.continental-tires.com/products/b2c/motorcycle/tires/tkc-80/?
グリップ力が優れている
走行性・安定性が高く、扱いやすい
摩耗挙動と水排除が優れている
優れたドライグリップ力とウェットグリップ力
直感的なハンドリングを実現
ウォームアップが早い
トラクション性能が高い
低振動・低ノイズで乗り心地がいい
耐摩耗性が高い

タイヤの交換時期

一般的に、タイヤの寿命は3年~5年といわれていますが、まだ溝が十分に残っている場合は、寿命目安を超えて使用する人が多いでしょう。
その場合、小まめにタイヤの状態をチェックしなければ、知らぬ間にタイヤの交換時期を超えてしまい、事故やトラブルにつながる可能性があります。

下記にタイヤの交換目安をまとめているので、タイヤ交換の時期を確認しておきましょう。

  • 夏タイヤは溝が残り4mm
  • スタッドレスタイヤは、新品から50%摩耗
  • 使用から5年以上経過している
  • ひび割れや摩耗に偏りがある
  • スリップサインが出現している
  • 走行距離32,000km以上
  • ロードノイズが大きい
  • ブレーキの効きが悪い
  • 乗り心地が悪くなった

バイクタイヤは余裕を持って交換しよう

この記事では、バイクタイヤの選び方やおすすめバイクタイヤメーカーの特徴、おすすめのタイヤ、タイヤの交換時期について紹介しました。

タイヤの交換時期に迷い、「まだタイヤの溝があるから」と交換時期を先延ばしにしていると、タイヤ自体の劣化により、走行性が悪くなったり、タイヤトラブルによる事故を起こしたりする可能性があります
バイクで事故を起こしてしまうと、酷いケガや後遺症によって、二度とバイクに乗れなくなることも考えられるため、そうならないよう、この記事を参考に、余裕を持ってバイクタイヤを交換しましょう。