バイクのサーキット走行に必要なツナギとは?初心者がレーシングスーツを選ぶ際のポイントを解説

ライダーの方でサーキット走行を楽しみたいなら、バイク用ツナギを準備する必要があります。

バイク用ツナギは「レーシングスーツ」と呼ばれるもので、転倒時など万が一の際に自分の身体を守るために重要な装具ですが、サーキット初心者の方はどのようなレーシングスーツを選べば良いか迷ってしまいますよね。

本記事では、サーキット走行初心者が安心してバイクを走らせるために必要なレーシングスーツの選び方のポイントを解説します。

これからレーシングスーツを装着してサーキット走行をしてみたいという方は、参考にしてみてください。

サーキット走行とは?初心者でも走れるのか

サーキット走行とは

バイクにおいて、一般道ではなくサーキットなどのコース内を走行することをサーキット走行といいます。

サーキット走行といっても、様々な種類があります。

  • 公認レース
  • 草レース
  • フリー走行
  • サーキットスクール
  • 走行会
  • 体験走行会

サーキット走行初心者の方でも気軽に始められるものからプロ同士が走行するものまで様々なありますので、詳しく見ていきましょう。

公認レース

サーキット走行に慣れている人で、公認レースに参加するのを夢見る方も多いでしょう。

公認レースは基本的に、レベルの高いライダー同士がスピードを競うもので、金銭面も含めてハードルが高いため、サーキット走行初心者がいきなり始められるものではありません。

また、公認レースに出場するためには、MFJやFIAなどが発給する競技ライセンスを取得する必要があります。

草レース

スポーツにおいては、草野球や草サッカーなどのアマチュア試合があるように、バイクの世界でも「草レース」と呼ばれるものがあります。

公式レースとは違い、主にバイクメーカーや元プロ監修の元に行われるアマチュアレースです。

タイムを競うスプリントだけでなく、スタミナや安定感を重視する耐久レースなど様々なレースの形式をとっているものが多く、レーサーに憧れる人もレーサー気分で楽しく走行できるでしょう。

フリー走行

フリー走行は、サーキット場が定めたフリー走行営業日にエントリーし、ルールに沿って自由に走行することを指します。

サーキットの走行スケジュールが決められており、ドライバーがタイムスケジュールから都合が合う時間帯の走行枠にエントリーして、自分のペースで行うのが一般的です。

フリー走行では。サーキットのライセンスを取得していなければ走行できないところもありますので、注意しましょう。

サーキットスクール

サーキットスクール

主にサーキット場が行うサーキット版のライディングスクールで、バイク初心者やリターンライダー、これからサーキット走行を始めたい方におすすめです。

レーシングコースを使用したカリキュラムがメインとなっており、初級、中級、上級クラスとクラス分けしているケースが多く、自分に合ったレベルでライディングを学ぶことができます。

走行会

主にバイクショップやタイヤメーカー、団体などがサーキット場を貸し切って行うフリー走行会です。

「サーキットでスポーツ走行を体験してみたい」というライダーが気軽に参加できます。

本来サーキットはレーシングバイクを走らせる場所ですが、走行会では日頃ライダーが使っているバイクを走行でき、ライセンスも不要な場合が多いです。

体験走行会

走行会よりもさらに敷居が低いものに、体験走行会があります。

主に大手バイクショップやサーキット場などが開催しているイベントで、ライセンス不要、普段のウェアで参加できるものが多いです。

サーキット走行するというよりも、サーキット場を走ってみたい方、サーキットがどのようなものか知りたい方におすすめのイベントです。

サーキット走行の正装はバイク用ツナギ

バイク用ツナギ

レーシングスーツは、サーキット走行を目的とした装具で、「レザーツナギ」とも呼ばれており、革素材で上下のつなぎ目がないものが一般的です。

公道よりもスピードが速いサーキット走行では転倒時のリスクが高いため、身体を守るのに欠かせないアイテムとなっています。

バイクでサーキット走行をするときは安全を考慮し、基本的にこのレーシングスーツを装着するのが決まりです。

バイク用レーシングスーツの機能

バイク用レーシングスーツは本来、革をメインとした素材で作られており、肩・肘・腰・膝など各部にプロテクターを内蔵しており、安全性を考慮した作りになっています。

そのため、激しい転倒などのアクシデントが起こった際に、擦り傷や切り傷はもちろん、飛散したガラスや炎などからドライバーを守ってくれます。

このように万が一のアクシデントに備えられることで、ライディングに専念でき、ライダーの技術力向上にも役立っているのです。

バイク用レーシングスーツの種類

バイク用レーシングスーツは、大きく分けて上半身と下半身が一体となったワンピース型(ツナギタイプ)と、上下別のセパレート型(ツーピース)に分けられます。

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

ワンピース型

ワンピース型は、上半身と下半身が分かれていないツナギタイプのレーシングスーツです。

上下でつなぎ目がないため、転倒した場合でも脱げる心配がなく、ライダーの身体にピッタリと合うフィット感を得られるのが特徴です。

バイク用レーシングスーツとしては、こちらのワンピース型が主流となっており、サーキットやレースを想定して選ぶ場合はワンピース型が適しています。

逆に、脱着に手間がかかるというデメリットがあるため、ツーリングに利用する場合にはやや不向きです。

セパレート型(ツーピース型)

セパレート型は、上半身と下半身が分かれたレーシングスーツで、レザージャケットとレザーパンツとして単体で着用できるタイプと、ワンピース型をベースに作られ単体では着用できないものとに分かれます。

ワンピース型は前部が後部よりも短く構造され前傾姿勢がしやすくなっているのに対し、セパレート型は前後が同じ長さのため、上体を起こしたライディングポジションでも楽に走行できるので、ツーリングにも向いています。

ただし、サーキットやツーリングでの着用が認められないケースもあるので注意が必要です。

サーキット走行でツナギ以外に必要な装備

サーキット走行でツナギ以外に必要な装備

サーキット走行は危険が伴うものなので、レーシングスーツ以外にも以下の装備にこだわる必要があります。

  • ヘルメット
  • プロテクター
  • レーシングブーツ
  • レーシンググローブ
  • テクニカルインナー(あるとなお良い)

特に着用が義務付けられているヘルメットは重要で、頭全体を覆うフルフェイスタイプのヘルメットがおすすめです。

顎部分が出るジェットタイプも利用できますが、転倒時は顔をぶつけるリスクが高いため推奨されておらず、ハーフヘルメットは顔全体を守られていないため、サーキット走行では使用できません。

初心者がバイク用ツナギを選ぶ際のポイント

初心者がバイク用ツナギを選ぶ際のポイント

初めてサーキット走行する場合、レーシングスーツなどの装備を用意しておく必要がありますが、どれを選べば良いかわからないと悩む方も多いでしょう。

初心者がレーシングスーツを選ぶ際のポイントは以下の8つです。

  • 吊るしかオーダーメイド品かで選ぶ
  • レンタルか購入かで選ぶ
  • 試着してフィット感を確かめる
  • 規格やプロテクターなどの装備を確認する
  • 信頼できるメーカーの商品を購入する
  • 自分が求めている仕様であるか確認する
  • 海外メーカーのツナギには注意する
  • MFJ公認レースに出場するなら「MFJ公認」のものを選ぶ

詳しく説明していきますので、レーシングスーツ選びの参考にしてください。

吊るしかオーダーメイド品かで選ぶ

既製品のレーシングスーツ(ツナギ)を「吊るし」ととばれています。

レーシングスーツを選ぶ際は、この吊るしかオーダーメイド品かを選択する必要があります。

吊るしのレーシングスーツはオーダーメイド品よりも安価で初心者の方でも手に入れやすいのが特徴です。

オーダーメイド品はライダーの寸法に合わせて合わせて作るため、フィット感に優れ、操作性も良くなりますが、その分費用が高額になります。

レンタルか購入かで選ぶ

サーキット走行を目的として作られているレーシングスーツですが、そもそもレースやサーキットで走行する機会が少なく、何度も着用しないという人もいるでしょう。

レーシングスーツは価格が高額になりがちで、保管場所も必要になるため、着用頻度が少ない方は購入せずにレンタルサービスを利用するのもおすすめです。

レンタルサービスはメーカーが行っているものやサーキットで行っているものがあり、実際に着用してバイクに乗ることができるので、より確実なサイズ選びにもなりますし、購入前に試したい方にも有効となります。

試着してフィット感を確かめる

試着してフィット感を確かめる

適切なサイズのレーシングスーツを選ぶには、ライディングポジションで試着するのがおすすめです。

ツナギタイプのレーシングスーツは着やすさや脱ぎやすさを考慮して、大きめのサイズを選ぶ人が多いです。

しかし、大き過ぎたり窮屈過ぎたりすると操作性を損なってしまうため、ライディングポジションをとったときにしっかり身体にフィットしているか確認し、実際走行するときに操作しやすいか想定して選びましょう。

規格やプロテクターなどの装備を確認する

プロテクターは、胸やバックにも装着を義務付けているケースが多いですが、標準装備されてないレーシングスーツもあります。

そのため、サーキット走行を目的にレーシングスーツを選ぶのならば、あらかじめ必要な規格であるか、プロテクターなどの装備が備わっているか確認しましょう。

レーシングスーツの試着時には、なるべく走行時の状態を再現できるよう、プロテクターも装着するのがおすすめです。

信頼できるメーカーの商品を購入する

様々なメーカーからレーシングスーツが販売されており、価格帯も様々なので、初心者の方は手軽に購入できるものを選びがちですが、その分性能が劣る場合もあります。

レーシングスーツはレーシングスーツは命を守るための装備であるため、信頼できるメーカーを選ぶことが重要です。

そのため、レースやサーキットでの実績を積んでいるメーカーであるか確認して選ぶと、不安要素が少なくなり走行に集中できるようになるでしょう。

自分が求めている仕様であるか確認する

自分が求めている仕様であるか確認

カラーやデザインが商品によって様々なものがあるので、自分好みであるか、バイクのカラーとマッチしたものであるかも選ぶ際の大切なポイントです。

また、レーシングスーツは基本的に通年で使用するものなので、夏場は通気性が良いか、冬場はインナーやアウターなどを使って温度調節が可能かなど、用途にあった使い方ができるかも確認しましょう。

海外メーカーのツナギには注意する

海外メーカーのレーシングスーツを購入しようと考えている方は、サイズチェックが必要不可欠です。

海外メーカーのものは日本人の体格と違う基準で作られてるものが多くあるため、しっかり採寸して自分の身体に合ったものを選ばなければ着心地や操作性が悪くなります。

メーカーによっては、部分的にサイズ修正できるレーシングスーツもあるため、チェックしてみましょう。

MFJ公認レースに出場するなら「MFJ公認」のものを選ぶ

国内で開催されるMFJ公認レースにエントリーする場合、ヘルメットのほかにレーシングスーツも「MFJ公認」のものを選ぶ必要があります。

財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会が定めた規格です。

認定されているレーシングスーツには「MFJ公認」のタグが取り付けられています。

レーシングスーツを装備してサーキット走行を楽しもう

レーシングスーツを装備してサーキット走行を楽しもう

ライダーの中には「一度はサーキット場を走ってみたい」と思う方も多いでしょう。

公認レースに参加するのはハードルが高いかもしれませんが、大手バイクショップやサーキット場などが定期的に開催している体験走行会などは、初心者の方でも比較的手軽に参加しやすいので、興味のある方はサーキット場やバイクショップのホームページなどをチェックしてみると良いでしょう。

レーシングスーツは高価なウェアなので、今回紹介した選び方のポイントを参考に、バイクショップなどで現物をチェックし、試着して自分にフィットするか確認してから選ぶのがおすすめです。

自分に合ったレーシングスーツを装備して安全にサーキット走行を楽しみましょう。