【2024最新】ガソリンエンジン圧縮比ランキングTOP15|バイク初心者もわかるエンジンの性能比較

  • バイクに乗りたいけど、どの車種を選べばいいか分からない
  • エンジン性能って、何が重要なの?
  • 圧縮比って聞いたことはあるけど、何を意味しているんだろう

上記のような悩みをお持ちの方は多いです。

圧縮比とはエンジンの性能を表す数値の一つで、燃費やパワーに大きく影響します。圧縮比が高いほど、一般的に出力と燃費効率が向上しますが、一方でノッキングやオーバーヒートのリスクも高まります。

この記事では、主要バイクメーカー15車種の圧縮比ランキングを紹介し、圧縮比が高いエンジンと低いエンジンのメリット・デメリットについても詳しく解説します。

読み終える頃には、圧縮比を理解し、自分のライディングスタイルや目的に合ったバイクを自信を持って選ぶことができるようになるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

圧縮比とは?エンジン性能に与える影響

圧縮比とは?エンジン性能に与える影響

圧縮比は、バイクのエンジン性能を左右する指標として欠かせません。エンジンのパワーや燃費、さらには乗り味にも大きく関わってきます。

ここでは、圧縮比の基本的な概念からエンジン性能への影響まで、下記の項目に分けて詳しく解説します。

  • シンプルな定義と計算方法
  • 圧縮比が高いほど出力と効率が上がる理由
  • 圧縮比と膨張比の違い
  • 2ストエンジンと4ストエンジンの圧縮比の違い

シンプルな定義と計算方法

圧縮比とは、ピストンがシリンダー内で最も下がった位置(下死点)と、最も上がった位置(上死点)における燃焼室の容積の比率を表したものです。

例えば、圧縮比10:1のエンジンであれば、ピストンが下死点から上死点に移動する際に、混合気が1/10の容積に圧縮されることを意味します。

計算方法は以下の通りです。

  • 圧縮比 = (燃焼室の容積 + シリンダー容積) ÷ 燃焼室の容積

圧縮比が10:1の場合、混合気が10分の1に圧縮されることを意味します。つまり、シリンダー内の容積が10ccだとすると、圧縮後は1ccになるということです。

実際のバイクエンジンでは、圧縮比は一般的に8:1から14:1の範囲に収まります。スポーツバイクなどの高性能モデルでは、より高い圧縮比を採用していることが多いです。

圧縮比が高いほど出力と効率が上がる理由

圧縮比が高いほど、混合気がより強く圧縮され、高温高圧な状態になります。この状態だと燃料の燃焼効率が向上し、より大きなエネルギーを発生させることができます。

結果として、エンジン出力の向上と燃費効率の改善につながるのです。高圧縮比エンジンは、力強い加速と優れた燃費性能を両立できる魅力的なエンジンと言えるでしょう。

しかし、圧縮比を上げることには限界があります。過度に高い圧縮比は、ノッキングや機械的ストレスの増加といった問題を引き起こす可能性があります。そのため、一般的な市販バイクでは、燃料の質や耐久性、コストなどを考慮しながら最適な圧縮比が設定されています。

圧縮比と膨張比の違い

圧縮比と似た用語に「膨張比」があります。

圧縮比は、ピストンが上死点に達した時の容積比率を指すのに対し、膨張比は、燃焼後の混合気がピストンを押し下げて下死点に達した時の容積比率を指します。

通常の4ストロークエンジンでは圧縮比と膨張比は同じ値になりますが、下記のようなエンジンでは、圧縮比と膨張比が異なる設計が採用されています。

  • アトキンソンサイクルエンジン:このエンジンは、圧縮比よりも膨張比を大きくすることで、燃焼後のガスをより効率的に利用します。トヨタのプリウスなどのハイブリッド車に採用されています。
  • ミラーサイクルエンジン:吸気バルブの閉じるタイミングを遅らせることで、実質的な圧縮比を下げつつ、膨張比を高く保ちます。マツダの一部のエンジンで採用されています。
  • 可変圧縮比エンジン:最新の技術では、運転条件に応じて圧縮比を変更できるエンジンも開発されています。これにより、低速時の燃費と高速時のパワーを両立させることができます。

最新の四輪自動車のエンジンでは、膨張比が16を超えるものも少なくありません。バイクエンジンでは通常のオットーサイクルが一般的であり、圧縮比と膨張比は同じ値になります。しかし、将来的には燃費向上のため、バイクにもアトキンソンサイクルなどの特殊なエンジンが採用される可能性も考えられます。

2ストエンジンと4ストエンジンの圧縮比の違い

2ストロークエンジンと4ストロークエンジンでは、圧縮比の考え方が異なります。

4ストロークエンジンでは、吸気、圧縮、燃焼、排気の4つの行程が明確に分かれており、圧縮比はピストンが上死点に達した時の容積比率で簡単に求めることができます。一方、2ストロークエンジンの場合、排気ポートの位置によって実際の圧縮が始まる点が変わるため「有効圧縮比」という概念が用いられます。

有効圧縮比の計算式は以下の通りです。

  • 有効圧縮比 = (排気ポート上端からシリンダー上面までの容積 + ヘッド容積) / ヘッド容積

同じ50ccのエンジンでも、4ストロークの場合は圧縮比が9:1程度であるのに対し、2ストロークの場合は有効圧縮比が7:1程度になることがあります。

実際の例として、かつて人気を博した2ストロークバイク、スズキRG250Γの有効圧縮比は6.8:1でした。一方、同排気量帯の4ストロークバイク、ホンダCBR250RRの圧縮比は11.5:1です。

2ストロークエンジンは、1回転で1回の爆発を行うため、理論上は4ストロークの2倍の出力を得られます。しかし、有効圧縮比が低いため、燃費や排出ガスの面で不利になります。これが、現代のバイクで4ストロークエンジンが主流となっている理由の一つです。

主要バイクメーカーの現行モデル圧縮比ランキングTOP15

バイクの性能を比較する上で、圧縮比は重要な指標の一つです。ここでは、主要バイクメーカーの現行モデルの中から、圧縮比の高い順にTOP15をランキング形式で紹介します。

  1. ドゥカティ|Panigale V4 R【14.0】
  2. アプリリア|RSV4 1100【13.6】
  3. アプリリア|Tuono V4 Factory【13.6】
  4. BMW|M1000RR【13.5】
  5. ホンダ|CBR1000RR-R Fireblade SP【13.4】
  6. スズキ|GSX-R1000R【13.2】
  7. カワサキ|Ninja ZX-10RR【13.0】
  8. ヤマハ|YZF-R1M【13.0】
  9. ドゥカティ|Streetfighter V2【12.5】
  10.  BMW|R1250GS【12.5】
  11. スズキ|GSX-S750【12.3】
  12. ハーレーダビッドソン|Street Rod【12.0】
  13. ホンダ|CB650R【11.6】
  14. ヤマハ|MT-09【11.5】
  15. カワサキ|Z900【11.8】

※ 圧縮比はメーカー公表値を参考にしています。

1.ドゥカティ|Panigale V4 R【14.0】

ドゥカティ|Panigale V4 R【14.0】
引用:DUCATI

ドゥカティのPanigale V4 Rは、現行バイクモデルの中で最も高い圧縮比を誇ります。この高性能スポーツバイクは、レーストラック向けに設計された究極のマシンです。公表されているスペックでは、最高出力221馬力以上を発揮し、0-100km/h加速は約3秒以内と言われています。

しかし、この高圧縮比エンジンは、高オクタン価のガソリンを必要とし、メンテナンスにも高度な技術が要求されます。また、街乗りには適さず、その性能を十分に活かせるのはサーキットなどの特殊な環境に限られます。

2.アプリリア|RSV4 1100【13.6】

アプリリア|RSV4 1100【13.6】
引用:aprilia

アプリリアのRSV4 1100も、13.6:1という高圧縮比エンジンを搭載しています。その美しいデザインとパワフルなエンジンは、多くのライダーを魅了しています。サーキット走行からツーリングまで、幅広いシーンで活躍できる一台です。

ただし、定期的なメンテナンスと高オクタン価ガソリンの使用が必須となるため、所有コストは決して安くありません。

3.アプリリア|Tuono V4 Factory【13.6】

アプリリア|Tuono V4 Factory
引用:aprilia

アプリリアのTuono V4 Factoryは、RSV4 1100と同じエンジンを搭載したネイキッドモデルです。アグレッシブなスタイリングと強烈な加速は、ストリートファイターの名にふさわしい性能と言えるでしょう。

特に、ワインディングロードやサーキットでその真価を発揮するバイクです。日常的な通勤や街乗りには向いていませんが、週末のスポーツライディングを楽しむベテランライダーにとっては、最高のパフォーマンスを提供してくれるでしょう。

4.BMW|M1000RR【13.5】

BMW|M1000RR
引用:BMW motorrad

BMWのM1000RRは、MotoGPマシン譲りの技術を惜しみなく投入し、13.5:1という高圧縮比エンジンを搭載したスーパースポーツバイクです。主にサーキット走行やレース用に開発されたモデルであり、一般道での日常使用には適していません。このバイクの真価を発揮できるのは、高度な運転技術を持つベテランライダーに限られるでしょう。

一方で、BMWの技術力により、この高圧縮比エンジンは比較的扱いやすく設計されています。電子制御システムの助けもあり、経験豊富なライダーであれば、サーキットでの極限的なパフォーマンスを安全に引き出すことができます。

5.ホンダ|CBR1000RR-R Fireblade SP【13.4】

ホンダ|CBR1000RR-R Fireblade SP
引用:本田技研工業

ホンダのCBR1000RR-R Fireblade SPは、ホンダの技術の粋を集めたフラッグシップモデルです。13.4:1という高圧縮比エンジンは、圧倒的なパワーと加速を生み出し、サーキットでの限界に挑戦するライダーをサポートします。

高圧縮比エンジンの利点を最大限に活かしつつ、ホンダらしい信頼性と扱いやすさも兼ね備えた、バランスの取れた高性能マシンと言えるでしょう。

6.スズキ|GSX-R1000R【13.2】

スズキ|GSX-R1000R
引用:SUZUKI

スズキのGSX-R1000Rは、軽量・コンパクトな車体に高出力エンジンを搭載したスーパースポーツモデルです。日常的な街乗りには向いていませんが、休日のワインディングロードやツーリングでその性能を存分に楽しむことができます。中級以上のライダーであれば、その高いポテンシャルを安全に引き出すことができるでしょう。

7.カワサキ|Ninja ZX-10R【13.0】

カワサキ|Ninja ZX-10RR
引用:株式会社カワサキモータースジャパン

カワサキのNinja ZX-10RRは、スーパーバイク世界選手権で戦うために開発されたレーシングマシンです。13.0:1という高圧縮比エンジンは、圧倒的なパワーと加速を生み出し、サーキットでの優れたパフォーマンスを実現します。

8.ヤマハ|YZF-R1M【13.0】

ヤマハ|YZF-R1M
引用:ヤマハ発動機

ヤマハのYZF-R1Mは、MotoGPマシンYZR-M1の技術を惜しみなく投入した最高峰のスーパースポーツバイクです。高圧縮比エンジンの利点を最大限に活かしつつ、ヤマハ独自のクロスプレーン哲学を体現した、独特の特性を持つ高性能マシンと言えます。

9.ドゥカティ|Streetfighter V2【12.5】

ドゥカティのStreetfighter V2は、Panigale V2のエンジンを搭載したネイキッドモデルです。ドゥカティは、この高圧縮比エンジンをストリート向けに最適化しています。例えば、低中速域でのトルク特性を重視した設定や、スムーズな出力特性を実現するための電子制御システムを採用しています。これにより、高性能を維持しつつ、日常的な使用にも適したエンジン特性を実現しています。

10.BMW|R1250GS【12.5】

BMWのR1250GSは、アドベンチャーバイクの代名詞とも言える人気モデルです。12.5:1という高圧縮比エンジンは、オンロードからオフロードまで、あらゆる道を走破するパワーとトルクを生み出します。

長距離ツーリングを楽しむライダーや、多様な路面状況に対応できる万能性を求めるライダーにとって、魅力的な選択肢となるでしょう。

11.スズキ|GSX-S750【12.3】

スズキのGSX-S750は、ストリートファイタースタイルのネイキッドモデルです。749ccの水冷4ストロークエンジンは、12.3:1という高めの圧縮比を持ち、力強い加速と扱いやすさを両立しています。

750ccクラスのネイキッドバイクとしては非常に競争力のある出力であり、街乗りから峠道まで幅広いシーンで楽しめるパフォーマンスを実現しています。

12.ハーレーダビッドソン|Street Rod【12.0】

ハーレーダビッドソンのStreet Rodは、同社のスポーティーな側面を体現するモデルです。749ccの水冷Revolution X™エンジンは、12.0:1という高圧縮比により、ハーレーらしからぬ俊敏な加速を実現しています。

13.ホンダ|CB650R【11.6】

ホンダのCB650Rは、ミドルクラスのネイキッドバイクとして人気の高いモデルです。648ccの水冷4ストロークエンジンは、11.6:1という圧縮比で、スムーズな加速と扱いやすさを両立しています。街乗りからツーリング、ワインディングまで幅広い用途に対応できるでしょう。

14.ヤマハ|MT-09【11.5】

ヤマハのMT-09は、「クロスプレーンコンセプト」に基づいた独特のエンジン特性が魅力のネイキッドモデルです。適度な圧縮比設定により、ヤマハらしい高性能と扱いやすさを兼ね備えた、バランスの取れたミドルクラスネイキッドバイクと言えるでしょう。

15.カワサキ|Z900【11.8】

カワサキのZ900は、「Sugomi」デザインが特徴的なネイキッドモデルです。948ccの水冷4ストロークエンジンは、11.8:1という圧縮比で、力強い加速と扱いやすさをバランスよく備えています。

圧縮比が高いエンジンのメリットとデメリット

圧縮比が高いエンジンのメリットとデメリット

圧縮比が高いエンジンには、メリットだけでなくデメリットも存在します。バイクを選ぶ際には、これらのメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。

メリット1:燃費効率の向上と走行距離の延長

圧縮比が高いエンジンは、燃料をより効率的に燃焼させることができるため、燃費効率が向上します。そのため、同じ量の燃料でより長い距離を走ることができ、燃料コストの削減にもつながります。

メリット2:エンジン出力の増加とパフォーマンス向上

圧縮比が高いエンジンは、より大きな爆発力を生み出すため、エンジン出力が向上します。その結果、力強い加速や高い最高速度を実現することができ、スポーティな走りを楽しめます。

メリット3:加速性能の向上と爽快な乗車感覚

圧縮比が高いエンジンは、アクセル操作に対する反応が良く、鋭い加速を実現できます。そのため、ライダーはよりダイレクトな加速感と爽快な乗車感覚を味わうことができるのです。

メリット4:環境性能の改善とCO2排出量の削減

圧縮比が高いエンジンは、燃料の燃焼効率が良いため、排出ガス中の有害物質を減らすことができます。結果として、環境負荷の低減に貢献し、CO2排出量の削減にもつながります。

メリット5:高回転域でのパワー発揮

圧縮比が高いエンジンは、高回転域でのパワー発揮に優れています。高回転までスムーズに吹け上がり、力強い加速を維持することができるため、スポーツライディングに適しています。

デメリット1:ノッキングのリスクと対策法

圧縮比が高いエンジンは、ノッキングと呼ばれる異常燃焼を起こしやすくなります。ノッキングは、混合気が圧縮熱で自然発火してしまう現象で、エンジンに深刻なダメージを与える可能性があります。

多くの現代のバイクでは、ノックセンサーなどの高度な電子制御システムを採用しています。ノックセンサーは、異常な振動を検知すると即座に点火時期を遅らせ、ノッキングを防止します。

ただし、対策を講じてもなお、高圧縮比エンジンは通常のエンジンよりもノッキングのリスクが高いことは事実です。適切な燃料の使用や定期的なメンテナンス、そして運転状況に応じた適切なエンジン管理が重要となります。

デメリット2:高オクタン価ガソリン使用による燃料費増加

高圧縮比エンジンの2つ目のデメリットは、高オクタン価ガソリンの使用が必要となり、燃料費が増加する点です。オクタン価の高い燃料は、ノッキングに対する抵抗力が高く、高圧縮比エンジンの性能を最大限に引き出すために不可欠です。

高圧縮比エンジンの燃費効率の向上により、この燃料費増加を一部相殺できる可能性もあります。例えば、燃費が10%向上すれば、高価な燃料を使用しても総合的な燃料コストは同等か若干の増加に抑えられるかもしれません。

多くのライダーにとって、この燃料費の増加は高性能エンジンを楽しむための「必要経費」と捉えられています。高いパフォーマンスや爽快な乗り心地と引き換えに、若干高い燃料費を受け入れる価値があると考えられているのです。

デメリット3:オーバーヒートの危険性と冷却システムの重要性

圧縮比が高いエンジンは、燃焼温度が高くなるため、オーバーヒートを起こしやすくなります。オーバーヒートを防ぐためには、適切な冷却システムが欠かせません。

冷却水の量や状態を定期的にチェックしたり、ラジエーターの清掃を行うなどのメンテナンスが必要です。

初心者ライダーには圧縮比低めのバイクがおすすめ

初心者ライダーには圧縮比低めのバイクがおすすめ

高圧縮比エンジンには、出力や燃費効率などの魅力的なメリットがある一方で、ノッキングやオーバーヒートなどのリスクも伴います。

そのため、バイク初心者の方には、扱いやすく、メンテナンスの手間が少ない、圧縮比が低めのバイクをおすすめします。

圧縮比が低めのバイクの特徴と扱いやすさ

圧縮比が低めのバイク(一般的に10:1から11:1程度)には、初心者ライダーに最適ないくつかの特徴があります。

1.耐久性の高さと長距離ツーリングの適性

圧縮比が低めのエンジンは、部品にかかる負荷が小さいため、耐久性が高い傾向にあります。そのため、長距離ツーリングなど、エンジンに負担がかかる走行にも安心して使用することができます。

2.振動の少なさと快適な乗り心地の秘密

圧縮比が低いエンジンは、爆発力が穏やかで、振動が少ない傾向にあります。そのため、ライダーは快適な乗り心地を楽しむことができ、長時間の走行でも疲れにくいです。

3.燃料の質にあまり左右されない扱いやすさ

圧縮比が低いエンジンは、高オクタン価ガソリンの使用を必須としない場合が多く、レギュラーガソリンでも問題なく走行することができます。

街乗り・ツーリングには10.5〜11.5が好バランス

街乗りやツーリングをメインに楽しむ初心者ライダーにとって、10.5〜11.5程度の圧縮比のバイクは、扱いやすさと燃費性能のバランスが良くおすすめです。

以下に、そのポイントを5つにまとめました。

  1. 適度なパワーと扱いやすさ
    • この圧縮比範囲のエンジンは、十分な出力を持ちながらも、急激な加速を抑えた扱いやすい特性を持っています。
    • 例えば、ホンダのCB650R(圧縮比11.6:1)は、95馬力の出力を持ちながら、初心者でも扱いやすいと評価されています。
  2. 燃費効率の良さ
    • 10.5:1から11.5:1の圧縮比は、燃費効率と性能のバランスが取れた範囲です。
    • 長距離ツーリングでも、頻繁な給油停止を必要とせず、経済的に走行できます。
  3. 振動の少なさと快適性
    • この圧縮比範囲のエンジンは、一般的に振動が少なく、長時間の乗車でも疲労が少ないです。
    • 街乗りでの信号待ちや、長距離ツーリングでの高速巡航時も快適に過ごせます。
  4. メンテナンスの容易さ
    • 比較的低めの圧縮比により、エンジン内部の負荷が抑えられ、メンテナンス間隔を長く設定できる場合が多いです。
    • 初心者にとって、メンテナンスの頻度や難易度が低いことは大きな利点となります。
  5. 幅広い燃料選択
    • この圧縮比範囲では、多くの場合レギュラーガソリンが使用可能で、燃料選択の自由度が高いです。
    • 旅先での給油の心配が少なく、長距離ツーリングを楽しむことができます。

ただし、個人の好みや使用目的によっては、より高い、あるいは低い圧縮比のバイクが適している場合もあります。例えば、より高性能を求める場合は12:1以上の圧縮比のモデルを、より穏やかな特性を求める場合は10:1以下のモデルを選ぶこともあるでしょう。

初心者ライダーは、まずこの10.5:1から11.5:1の範囲のバイクで基本的なライディングスキルを身につけ、その後自分の好みや目的に合わせてバイクを選んでいくことをおすすめします。

主要バイクメーカーの圧縮比と傾向

バイクメーカーによって、エンジン設計の思想や得意とする技術は異なります。そのため、圧縮比にもそれぞれのメーカーの特徴が表れています。

日本メーカー(ホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキ)の特徴

日本のバイクメーカーは、幅広いユーザー層をターゲットに、扱いやすさと耐久性を重視したエンジンを開発している傾向があります。そのため、圧縮比は比較的低めに設定されているモデルが多いです。

【ホンダ】モデル別圧縮比一覧

モデル名排気量 (cc)圧縮比
CBR1000RR-R FIREBLADE SP99913.4
CBR1000RR-R FIREBLADE99913.4
CBR600RR59912.2
CBR400R39911.1
CBR250RR24911.5
CB1300 SUPER FOUR SP128410
CB1300 SUPER BOL D’OR SP128410
CB1300 SUPER FOUR128410
CB1300 SUPER BOL D’OR128410
CB1100 EX Final Edition11409.5
CB1100 RS Final Edition11409.5
CB1000R Black Edition99811.6
CB1000R99811.6
CB650R64811.6
CBR650R64811.6
CB400 SUPER FOUR39911.3
CB400 SUPER BOL D’OR39911.3
400X39911.1
REBEL 50047110.7
REBEL 250 S Edition24910.7
REBEL 25024910.7
GB350 S3489.5
GB3503489.5
CB250R24910.7
CRF250 RALLY <s Edition>24910.7
CRF250 RALLY24910.7
CRF250L24910.7
CRF250M24910.7
GROM1239.3
MONKEY 1251239.3
SUPERCUB C1251249.3
CT125・ハンターカブ1249.3
CROSS CUB 1101099
DAX1251239.3
BENLY 1101099
GYRO X4910
GYRO CANOPY4910
TACT4910
Dunk4910
Giorno4910
ZOOMER4910
BENLY4910
スーパーカブ1101099
スーパーカブ50499
クロスカブ50499
プレスカブ50499
リトルカブ499

【ヤマハ】モデル別圧縮比一覧

モデル名排気量 (cc)圧縮比
YZF-R199813.0:1
YZF-R768911.5:1
YZF-R332111.2:1
YZF-R2524911.6:1
MT-1099812.0:1
MT-0988911.5:1
MT-0768911.5:1
MT-0332111.2:1
MT-2524911.6:1
XSR90088911.5:1
XSR70068911.5:1
TRACER9 GT+88911.5:1
TRACER9 GT88911.5:1
TRACER7 GT68911.5:1
TRACER768911.5:1
NIKEN GT84511.5:1
NIKEN84511.5:1
Ténéré 70068911.5:1
MT-09 SP88911.5:1
XSR900 GP88911.5:1
YZF-R1M99813.0:1
YZF-R1 GYTR99813.0:1
YZF-R1 World GP 60th Anniversary99813.0:1
MT-10 SP99812.0:1
TMAX Tech MAX56010.9:1
TMAX56010.9:1
XMAX 30029210.9:1
XMAX 25024910.5:1
NMAX 15515511.6:1
NMAX 12512411.2:1
トリシティ30029210.9:1
トリシティ15515511.6:1
トリシティ12512411.2:1
アクシスZ12410.2:1
シグナス グリファス12411.2:1
BW’S 12512410.2:1
GEAR12410.2:1
JOG 12512410.2:1
VOX4910.0:1
Vino4910.0:1
JOG4910.0:1
SEROW250 Final Edition2499.7:1
SEROW2502499.7:1
TW2001969.5:1
PW50496.5:1

【スズキ】モデル別圧縮比一覧

モデル名排気量 (cc)圧縮比
HAYABUSA134012.5 : 1
GSX-S1000GT99912.2 : 1
GSX-S100099912.2 : 1
KATANA99912.2 : 1
V-STROM 1050DE103711.5 : 1
V-STROM 1050103711.5 : 1
V-STROM 1050XT103711.5 : 1
SV650X ABS64511.2 : 1
SV650 ABS64511.2 : 1
V-STROM 650XT ABS64511.2 : 1
V-STROM 650 ABS64511.2 : 1
GSX250R ABS24811.3 : 1
GIXXER 25024910.5 : 1
GIXXER SF25024910.5 : 1
V-STROM 250 ABS24811.3 : 1
V-STROM 25024811.3 : 1
ジクサー1501549.4 : 1
アドレス12512410.0 : 1
アドレス1101129.8 : 1
バーグマンストリート12512410.0 : 1
アヴェニス12512410.0 : 1
レッツ4910.0 : 1

【カワサキ】モデル別圧縮比一覧

モデル名排気量 (cc)圧縮比
Ninja H2 SX SE99811.2:1
Ninja H2 SX99811.2:1
Ninja H299811.2:1
Ninja ZX-10R99813.0:1
Ninja ZX-10RR99813.0:1
Ninja ZX-6R63612.9:1
Ninja 40039911.5:1
Ninja 25024811.6:1
Z H2 SE99811.2:1
Z H299811.2:1
Z900RS SE94810.8:1
Z900RS94810.8:1
Z90094811.8:1
Z650RS64910.8:1
Z65064911.3:1
Z40039911.5:1
Z25024811.6:1
Eliminator SE45111.2:1
Eliminator45111.2:1
VERSYS 1000 SE104310.3:1
VERSYS 1000 S104310.3:1
VERSYS 65064910.8:1
Vulcan S64910.8:1
KLX2302339.4:1
D-TRACKER X24911.3:1
KLX1251249.5:1

欧州メーカー(アプリリア、ドゥカティ、BMW)の高性能志向

ヨーロッパのバイクメーカーは、高性能なスポーツバイクを得意としており、高圧縮比エンジンを搭載したモデルが多い傾向にあります。出力や加速性能を重視した設計思想が、圧縮比にも反映されていると言えるでしょう。

【ドゥカティ】モデル別圧縮比一覧

モデル名排気量 (cc)圧縮比
Panigale V4 R99814.0:1
Panigale V4 SP2110314.0:1
Panigale V4 S110314.0:1
Panigale V4110314.0:1
Streetfighter V4 SP2110314.0:1
Streetfighter V4 S110314.0:1
Streetfighter V4110314.0:1
Streetfighter V295512.5:1
Panigale V295512.5:1
Multistrada V4 Pikes Peak115814.0:1
Multistrada V4 S115814.0:1
Multistrada V4115814.0:1
Multistrada V2 S93713.0:1
Multistrada V293713.0:1
DesertX93713.0:1
Monster SP93713.0:1
Monster+93713.0:1
Monster93713.0:1
Hypermotard 950 SP93713.0:1
Hypermotard 950 RVE93713.0:1
Hypermotard 95093713.0:1
SuperSport 950 S93713.0:1
SuperSport 95093713.0:1
Scrambler 1100 Tribute PRO107911.0:1
Scrambler 1100 PRO107911.0:1
Scrambler 1100 Dark PRO107911.0:1
Scrambler Icon80311.0:1
Scrambler Icon Dark80311.0:1
Scrambler Nightshift80311.0:1
Scrambler Full Throttle80311.0:1
Diavel V4115814.0:1
XDiavel Dark126213.0:1
XDiavel Black Star126213.0:1
XDiavel S126213.0:1

【アプリリア】モデル別圧縮比一覧

RSV4 1100 Factory109913.6:1
RSV4 1100109913.6:1
Tuono V4 Factory109913.6:1
Tuareg 66065913.5:1
RS 66065913.5:1
Tuono 660 Factory65913.5:1
Tuono 66065913.5:1
SX 125124.212.5:1
RX 125124.212.5:1

【BMW】モデル別圧縮比一覧

モデル名排気量 (cc)圧縮比
M 1000 R99913.5:1
M 1000 RR99913.5:1
S 1000 RR99913.3:1
S 1000 R99913.3:1
K 1600 GT164912.2:1
K 1600 GTL164912.2:1
K 1600 B164912.2:1
K 1600 Grand America164912.2:1
R 1250 RS125412.5:1
R 1250 R125412.5:1
R 1250 RT125412.5:1
R 1250 GS Adventure125412.5:1
R 1250 GS125412.5:1
R nineT 100 Years117012.0:1
R nineT Scrambler117012.0:1
R nineT Pure117012.0:1
R nineT Urban G/S117012.0:1
R nineT117012.0:1
F 900 XR89513.1:1
F 900 R89513.1:1
F 850 GS Adventure85312.7:1
F 850 GS85312.7:1
F 750 GS85312.7:1
G 310 GS31310.9:1
G 310 R31310.9:1
CE 04
C 400 GT35011.5:1
C 400 X35011.5:1

ハーレーダビッドソン:独自の低回転高トルクエンジン

ハーレーダビッドソンは、独特の鼓動感と力強いトルクが特徴の、低回転高トルクエンジンを得意としています。そのため、圧縮比は比較的低めに設定されているモデルが多いです。

【ハーレーダビッドソン】モデル別圧縮比一覧

モデル名排気量 (cc)圧縮比
CVO™ Road Glide® Limited Anniversary192310.2:1
CVO™ Street Glide®192310.2:1
CVO™ Road Glide® ST192310.2:1
Ultra Limited Anniversary192310.2:1
Road Glide® Special192310.2:1
Street Glide® Special192310.2:1
Road King® Special186810.5:1
Street Glide® ST186810.5:1
Low Rider® ST186810.5:1
Road Glide® Limited186810.5:1
Ultra Limited186810.5:1
Electra Glide® Highway King186810.5:1
Road King®186810.5:1
Street Glide®186810.5:1
Electra Glide® Standard186810.5:1
Heritage Classic186810.5:1
Fat Boy® 114186810.5:1
Breakout® 117192310.2:1
Fat Bob® 114186810.5:1
Low Rider® S192310.2:1
Sportster® S125212.0:1
Nightster™ Special97512.0:1
Nightster97512.0:1
Pan America™ 1250 Special125213.0:1
Pan America™ 1250125213.0:1
X 44044012.0:1

まとめ|自分の走行スタイルに合った圧縮比を選ぼう

自分の走行スタイルに合った圧縮比を選ぼう

圧縮比は、バイク選びにおける重要な要素の一つです。初心者には圧縮比が低めの扱いやすいバイクがおすすめですが、スポーツ性能を求める方は高圧縮比のバイクも魅力的です。

自分の走行スタイルや用途に合った圧縮比のバイクを選ぶことで、快適で楽しいバイクライフを送ることができるでしょう。

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