ヴェニスアップデート(ベニスアップデート/ Venice Update)は、2015年1月に導入された、Googleのアルゴリズムの一種。
位置情報や店舗の表示に大きく関係するため、MEO対策を行うオーナーさんにはぜひ知っていただきたい知識の一つです。
本記事ではMEO対策を行う上で必ず覚えておきたい2つのGoogleアルゴリズムを解説し、具体的な対策方法までご紹介します。
MEOに関わる2つのアップデート
- ヴェニスアップデート
- ピジョンアップデート
アルゴリズムの知識を持っておくことで、より強力なローカル検索対策ができるようになりますよ!
「ヴェニスアップデート」からMEOは始まった
MEOという概念は、まさに今回のテーマである「ヴェニスアップデート」から始まっているのです。
呼び名の由来は、社内のコードネームだそう。
ヴェニスアップデートの概要
- ユーザーの位置情報を検索結果に反映させる
- ピジョンアップデートと相性抜群
- 非店舗型のビジネスはあまり関係ない
ユーザーの位置情報をGoogle検索結果に反映させる
ヴェニスアップデートは、検索するユーザーの利便性向上に大きく貢献しています。
ヴェニスアップデートの特徴
- ユーザー(デバイス)の位置情報を認識
- 地域名で検索しなくても、近隣の店舗情報を表示できる
実際にどのような変化があるのか、以下で見てみましょう。
「お好み焼き」という単一の検索語句でも、検索結果では以下の3つのポイントに違いがありますね。
- ローカルパック(赤枠)
- オーガニック検索結果(青枠)
- ナレッジパネルの画像(緑枠)
検索する位置によってSERPが異なるのは、そもそも「ヴェニスアップデートというアルゴリズムが働いているから」だということを知っておいてください。
「ピジョンアップデート」で地域のアルゴリズム精度が爆上がり
MEOやヴェニスアップデートの話をするとき、しばしば言及・比較されるのが「ピジョンアップデート」の存在。
ピジョンアップデートも併せて知っておけば、さらに理解が深まります。
ピジョンアップデートは、ローカル検索の精度を向上させるために導入されたアルゴリズムのこと。
ピジョンアップデート以前はオーガニック検索(通常の検索)とローカル検索のアルゴリズムは完全に分かれて作動していました。
検索結果に重複が発生したり、精度の低いSERPが表示されることがしばしばあったのです。
そこで、各々で働くアルゴリズムを統合し、各検索アルゴリズムをより密接に連携させたのが「ピジョンアップデート」。
最も大きな変化は、複数の呼称があるクエリ(検索キーワード)でも、単一の検索結果を表示できるようになったことです。
ピジョンアップデートの導入によって、ローカル検索におけるユーザーニーズとSERPののマッチ率向上が実現されました。
非店舗型ビジネスはヴェニスアップデートの影響を受けない
非店舗型のビジネスとは、以下のものを指します。
- 顧客の来店を想定していないビジネス
- インターネット事業全般
上の条件に当てはまる場合、ヴェニスアップデートを考慮した施策を行う必要性は低いです。
ただし、例外は以下の通りです。
- サービス提供地域の範囲が限定されるビジネス(例:清掃サービス、配管工事など)
申込みまではオンライン完結でも、現地派遣などでサービス提供地域が限られる場合には、この後でご紹介する対策方法を試してみてください。
MEOに関係するアルゴリズムアップデートは2つだけ
Googleの検索結果に影響を及ぼすアップデートは無数に存在します。
一方で、MEOやローカル検索に関するアルゴリズムは、下の2つだけ。
- ヴェニスアップデート
- ピジョンアップデート
他のアルゴリズムアップデートについても興味のある方は、勉強しておくと役に立つでしょう。
アルゴリズムアップデートの名前がたくさんありすぎて辛い
「Google アルゴリズム」で検索をかけると、Googleがこれまでに施してきたアルゴリズムアップデートのまとめが出てきますよね。
こんな感じのものを、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
アップデートの名称 | アップデートの内容 |
---|---|
ヴェニスアップデート | ユーザーの位置情報を検索結果に反映する |
フレッシュネスアップデート | より最新の情報を検索結果に反映する |
パンダアップデート | 低品質なコンテンツが検索結果上位に表示されにくくする |
ペンギンアップデート | 被リンク元のページを分析して、不適切なリンクであると判断した場合、そのリンクを無効化したり、価値を下げたりする |
パイレーツアップデート | デジタルミレニアム著作権法を基準とし、著作権侵害の報告が多いサイトの価値を下げる |
Rank Brain | AIベースの検索アルゴリズムの言葉の意味をより正確に理解する・口語クエリに対応する |
クオリティアップデート | ランキングアルゴリズムをより高精度にする |
モバイルフレンドリーアップデート | スマホや携帯電話などの端末にも見やすく対応したページの検索順位を上げる |
インタースティシャルアップデート | 画面上で過度に表示される広告を設定しているサイトの評価を下げる |
日本語検索アップデート | 日本語検索表示を対象とし、内容の薄いコンテンツを評価しないようにする |
健康アップデート | 医療と健康に関する検索結果をより正しいものにする |
スピードアップデート | 読み込み速度が極端に遅いページの評価を下げる |
BERTアップデート | 自然言語処理のアルゴリズムを変えて検索結果の質を向上させる |
フレッドアップデート | 広告を重視した、質の低いコンテンツの順位を下げる |
ピジョンアップデート | オーガニック検索と位置情報を元にしたローカル検索結果の各アルゴリズム統合 |
ハミングバードアップデート | 検索キーワードの背景や文脈を理解した上で、より関連性が高い検索結果を提示する |
上の表でまとめられているアップデートは比較的大規模で知名度の高いもの。
小規模なアップデートは数日単位、数週間単位と、頻繁に行われています。
「パンダアップデート」や「ペンギンアップデート」は無視(SEO)
Googleのアルゴリズムといえば、
- パンダアップデート/ファーマーアップデート
- ペンギンアップデート
を聞いたことがある方も多いでしょう。
パンダやペンギン、その他のアップデートは、ほとんどがSEO関連。
MEO対策においては無視して大丈夫です。
※ホームページの内容やリンク先のページ内容がガイドラインに抵触する場合には注意が必要です
「BERT」などのコンテンツ評価に関するアルゴリズムは理解できると◯
BERTとは、【言葉の意味や文脈】をコンピュータが理解する精度を格段に向上させた、自然言語処理技術のこと。
BERTアップデートによって、検索ユーザーの意図をより詳細に読み取ることが可能になり、検索結果とニーズのマッチ率が非常に高くなりました。
BERTを加味した対策方法は「ない」と主張する人もいますが、実はそうでもありません。
一握りのプロだけが、BERTの仕組みを逆に利用して、MEO対策に勝てる方法を知っているのです。
さーぷらいず株式会社では、いち早くBERTの仕組みを取り入れた、低価格のMEO対策を行っています。
地域性を意識したMEO対策を行うことが上位表示に効果的
ヴェニスアップデートの特徴を知れば、店舗の情報発信を行う際に地域の要素を伝えることが大切だとわかりますね。
ここからは、個人のオーナーさんでも簡単に着手ができるMEO対策の方法をご紹介します。
ヴェニスアップデートの特徴を加味した5つの対策
- Googleマイビジネスに登録
- NAPの統一
- titleタグとhタグに地域名を含ませる
- ページ内は地域名を適度に含ませる
- 地域名をアンカーテキストに含む被リンクをもらう
対策の目的は、あなたの店舗のサイトが「どの地域のビジネスであるか」を、Googleに対して明確に伝える構造を作ることです。
①Googleマイビジネスに登録
MEO対策を行う際、最初に必ず行うべきことは「Googleマイビジネスの登録」です。
Googleマイビジネスに登録する利点の一例
- Googleマップ上に店舗情報詳細が表示される
- 店舗情報を更新できる
- 「インサイト」でユーザーの行動が可視化され分析が可能になる
- 上位表示のための施策の範囲が広がる
新規登録の注意点
既にマップ上に店舗のリスティングが存在するか必ず確認する
リスティングの確認方法と、絶対に行うべき「オーナー確認」の方法はこちらの記事をご覧ください。
②NAPの統一
NAPとは
「ビジネス名」「住所」「電話番号」の表記のこと
確認する場所
- Googleマイビジネス
- ホームページ
- オンライン掲載媒体
- その他露出しているウェブサイト(サイテーション対策)
統一すべきポイント
- 漢字/ひらがな/カタカナ
- 全角/半角
- 記号
どれだけ他の内部対策・外部対策に手を尽くそうが、NAPの統一がきちんとできていなければ、本来得られるはずだった評価を取り逃がす可能性が発生します。
NAPを隅々まで確認することで、Googleの評価を取りこぼさずに上位表示をねらうことができるでしょう。
③titleタグとhタグに地域名を含ませる
「titleタグ」「hタグ」とは
titleタグ=タイトル部分
hタグ=見出し部分
「タイトルや見出しには、サイトの内容を表す重要なキーワードが含まれているだろう」とGoogleが認識している可能性が高いことが理由です。
「タグ」とは
「タグ」は、ウェブサイトを作成するときに使用するコードのこと。
専門的な部分がわからなければ、専門家に相談するとよいでしょう。
さーぷらいずでもウェブページ制作サービスを行っていますから、ぜひお問い合わせくださいね。
④ページ内は地域名を適度に含ませる
タイトルや見出しと同様、ページ内の各所にも地域名を意図的に使用しましょう。
地域名を入れる優先度
[タイトル・見出し]>[ページ内各所]
ココに注意
地域名をむやみに入れすぎると逆にペナルティを受けてしまう可能性もあります。
あくまでも、ユーザーに提供する情報として、違和感のない程度に地域名を含ませるようにしましょう。
⑤地域名をアンカーテキストに含む被リンクをもらう
メモ
ローカルSEOの検索順位決定要因において、被リンクは約30%を占めると言われています。
被リンクのアンカーテキストに地域名を入れる対策を行うことで、MEO効果が期待できるでしょう。
被リンク改善の3つの方法
- 紹介してもらうサイトの担当者に「アンカーテキストには地域名を入れてほしい」と頼んでみる
- 紹介されることを想定し、地域名を含んだブランド名を用意しておく
- プロに依頼して、被リンクを特定&改善してもらう
被リンクやアンカーテキストなど、初めて聞く専門用語ばかりで難しい!という場合でも、諦めてしまうのは非常にもったいないです。
プロに依頼して、包括的な分析に基づくMEO対策を行うことも、選択肢として視野に入れるとよいでしょう。店舗の集客のための良い投資になりますよ!
まとめ
今回は、ヴェニスアップデートの概要と、「地域性」に着目したMEO対策の方法を解説しました。
以下で、要旨をを再度おさらいしましょう。
本記事のまとめ
- ヴェニスアップデートとピジョンアップデートだけ覚えればok
- MEO対策をする際は、地域性と情報の内容を意識して行うこと
- 質の高いサービスを提供できる店舗を作り上げること
MEOは、アルゴリズムの理論に基づいて対策を行うことで高い効果が期待できます。
しかし、Googleの評価は「ユーザビリティが向上するか」という観点が最重要。まずは質の高いサービス提供できることが大前提です。
店舗の良質なサービスを準備した上でアルゴリズム対策を行うことで、無敵のMEO対策になることは間違いないでしょう!